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どうも、ファンキー松本です。
最近、Rock oNではライブ配信や動画撮影の機会が増え色々なカメラを利用する機会が増えてきました。先日レビューしたBlackmagic Designのカメラもその一つですね。
そんな中、SIGMA fpというカメラをお借りできました。これまでスチル用カメラのレビューはしませんでしたが、今回とあるレビュー動画を撮影しましたので、その時のことを振り返りながらfpの魅力を探ってみたいと思います。
そもそもSIGMAとは?
fpを発表しているSIGMAですが、日本国内のブランドで今年2021年9月9日でなんと創立60周年を迎えました!沿革などは以下のページで詳しく紹介されております。歴史を感じますねぇ。
60th ANNIVERSARY SIGMAの沿革SIGMAのカメラ用レンズやカメラ本体は全て国内製造されていて、福島県会津工場で作られています。海外製造が当たり前の昨今、国内製造にこだわりを持っているのは個人的に凄いことだと思ってます(実家も近いので)。
とにかく小さいボディ
SIGMA fpを見てまず思うことは、とにかくボディが小さいこと。手に取るとコンパクトさにびっくりすると思います。
小さいカメラは沢山あるのですが、fpは35mmフルサイズセンサーを搭載していてこのサイズ感なので、よく作ったなぁと思います(センサーサイズのことはまた別の機会にでも)。
ボディが小さい分、ファインダーやヘッドホンアウトは省略されているんですが別途アクセサリーも用意されていてます。
fpを想定して作られたカメラレンズ「Iシリーズ」は非常に小さなレンズです。上の写真には24mmのレンズをマウントしているんですが、とてもしっくりきます。
では、でかいレンズはしっくりこないのか…これは正直レンズの方が重量がありボディにもグリップらしグリップが無いので、そのままだとしっくりこないなぁ…と思うかも。この問題は別途グリップをつけてあげれば指余りも無くしっかり握ることができます。
上の画像にはSIGMAの人気レンズ 24-70mm F2.8 DG DN | Artをマウントして、純正のラージグリップLARGE HAND GRIP HG-21をセットでマウントしております。24-70mmは重量のあるレンズですが、ラージグリップがあれば違和感なく撮影できます。
fpは最初からボディが小さいので、アクセサリーやリグで大きなシステムにすることも、またボディとレンズの小さなシステムにも出来るので、用途に合わせられるのが魅力の一つでしょうね。
スチルを撮ってみる
35mmフルサイズセンサーを搭載しているので、写りは流石。センサーが大きければ暗所にも強く(限度はありますが)、また被写体を目立たせる深いボケも表現できます。最近のiPhoneはこの辺りの表現方法を参考にしているように思いますね。
外が晴れていたので撮影、JPEG撮って出しです。ややコントラスト強めの設定にしてしまいましたが、非常にくっきりした雲と空ですね。ビルのタイルもシャープに解像しているように見えます。
こんな写真も撮ってます、背景のボケ感は流石のフルサイズ。
渋谷店の天野はギターがうまいです。ギターも良いギターでした、シンライン欲しい。
動画撮影にも特化、Cinema DNGによるRAW映像撮影もサポート
fpで動画撮影をする場合、2種類の記録フォーマットを選択することが可能です。1つはMOV、もう1つはDNGという形式です。MOVはMP4同様、非常に柔軟性の高い動画形式でファイル容量も軽く様々なデバイスで再生が可能です。
対してDNGとはAdobe公開している動画RAW形式で、映像をRAWで撮影することが可能です。fp本体では”Cinema DNG”という表記なのですが、最近レビューしたBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proで撮影することができる動画形式”Blackmagic RAW”と同じ感じだと思います。
fpではCinema DNGのビットレートを8bit / 10bit / 12bit の三種類から選べます。ただSDカードで収録できるのはCinema DNG 8bitまでで、外部SSDをマウントしてやれば10bit / 12bitで撮影することが可能です。
Cinema DNGで撮影してやると、フォルダの中に大量のDNGファイル(画像ファイル)が作られます。30fpsであれば1秒間に30枚の写真を、60fpsであればその倍の60枚の写真ファイルがフォルダの中に作られます。
これだけのファイル容量になるので、確かにSSDでなければ容量と速度が賄えなくなるんでしょうね。
作例を見てみよう
ここまでCinema DNGのお話をしましたが、作例が無いとわかり難いですよね。そこで、せっかくなので動画を撮影してみました、Cinema DNGの最高ビットレート12bitで。
こちらがその動画です。
上の動画はStrymonの新しいエフェクトペダルZelzahの演奏動画です。
天野がギターを抱えている映像をfp(本体カラー設定は”OFF”を選択)、Strymon ZelzahとIRIDIUMを別撮りしている方をBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proで撮影してます。ギターの音声はStrymon IRIDIUMのラインアウトをそのままfpのマイクインに入力しました。
ちなみに、スチルの紹介で天野がギターを抱えて演奏している写真ですが、こちらCinema DNGの中の一枚の画像を現像したものになります。ギターの木目やピックガードの模様、背景ボケなどは拡大して見ても十分写真として使えるように思います。1秒間に24枚この画質の写真を撮っていると考えると、そりゃ精細な動画になりますよね。
fpには手元にあったSSD SAMSUNG T5をマウントしてます(リグが組めなかったのでSSDは養生テープで貼ってますが…)。
撮影したデータをDaVinci Resolveに取り込み編集してみると、Cinema DNGの自由度が凄いこと凄いこと。RAWデータなので当たり前なのですが、カラーページで弄ってみると、滑らかに色付いてくれます。
撮影した日はホワイトバランスを冷たくしすぎてしまい後悔していたのですが、Cinema DNGはRAWデータなので後で変更も可能です。これは便利。
最後までストレス無く、レンダーできました。個人的にはfp本体のカラープリセットを使うよりも、DaVinci Resolveでカラーを足した方がより自然で好みでした。
今回のCinema DNG 12bit / UHD(3840×2160)/ 24fps / で撮影しておりまして、ファイルサイズは5分間で100GBを超えてました…。
これ、編集できるのかな…とても不安だったんですが、編集ソフトDaVinci Resolve 17は外部グラボを積んだマシンであれば軽快に動いてくれます。さすが、DaVinci Resolve。
正直な話、MOVで撮影しても綺麗な映像を撮影することができますので、ストレージのサイズと編集環境が厳しい場合、MOVで撮影するのもアリだと思います。
ただ、今回Cinema DNGで撮影してみて自分の想定するカラーに持っていきやすく、普段RAWで撮影している方はCinema DNGでの動画撮影、オススメです。
撮影で一緒に利用したBMPCC 6KProのBlackmagic RAWと比較しても、色合い・使い勝手共にどちらにも分のある動画形式だと思います。フルサイズセンサーが生み出すボケ感かBMPCCが生み出す淡くソフトな印象か、どちらでも近い印象の処理はできると思いますが比較してみると面白いです。
今回レビュー動画を撮影するためにfpを触ってみましたが、スチルはもちろん動画機としても使い込める便利なカメラだと感じました!手軽にMOVで撮るも良し、DNGで撮って自分好みのカラーに仕上げるも良し、幅広いユーザーが良いと思えるカメラだと思います。
最後に、fpはUSBケーブルでPCと繋いでやればWEBカメラにもなります!ボケ感を生かした高画質なオンライン会議も簡単に実現できますので、周りとは違うWEBカメラをお探しの方にもオススメですよ!
記事内に掲載されている価格は 2021年9月24日 時点での価格となります。
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