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まさしくクリスマスイブの発表にふさわしいハッピーな曲調で、とても楽しく聞きました。ベーシックをおさえたシンプルな楽器構成ながらも、アレンジが良く出来ているので、パート数がそんなに多くなくとも最大限の効果をもったバッキングでボーカルを支えており、とてもいいです。一聴しただけでは、生録音とソフトシンセがどれくらいの割合で混ざっているか分りませんが、打込みを併用しても、アレンジの実力で、生録音のテイストを前面に演出できています。作曲、演奏、歌、アレンジとも、全体的に実力がある人だと思います。また、コーラスワークも上手く、クリスマスの華やかなイメージを加えていて、いいですね。若干、コードがぶつかってる箇所があるようで気になりましたが、個人的に好きなジャンルでもあるので、これからミックスするのが楽しみな楽曲です。
こちらも素晴らしい曲で、正直、1位と僅差の評価で、選考に大変悩みました。楽曲の方向性にふさわしいサウンド作りがされていて、アーティストの個性を大切にした丁寧な作りをしていますね。応募曲中、唯一の裏打ちで、レゲーマナーに沿ったアレンジながらも、ボーカルとアコギの暖かさをリバーブで上手く演出できていると思います。ボーカル、アコギの生録音に、上手く打込みをとけ込ませたバランスもいいです。あえて言えば構成。リズムが入ってからエンディングまでに静かになる構成を挟まず、そのままのノリを保ったままでもよかったのでは、と思います。
SHINPEIの楽曲です。作詞/作曲:SHINPEI 編曲:mia。
唯一無二の声で熱く歌いあげるレゲエシンガーSHINPEI。今は活動休止中ですが、SHINPEIが作詞/作曲、miaが編曲/プロデュースの形で一緒に制作した思い出のある曲で応募させて頂きました。歌、ギターは生、それ以外は打ち込みで、全て宅録で仕上げてます。アレンジ含め良い雰囲気が出せたと思います。
楽曲としての完成度は高いですね。うっすら重ねたパッド系のシンセや、リズムの音色選びは、歌詞の世界感に沿った丁寧な作業がされていて好印象です。アドバイスするとすれば、アレンジにもう少し強弱のコントラストを付けてあげれば、さらに曲自体の魅力がアップして、rimaconaさんの歌の存在感も増すと思います。
主にベースですが、シンセの使い方が効果的でアクセントになってますね。このシンセベースのサウンドと、(歌詞を含めた)ボーカルの組み合わせが、一筋縄で行かない存在感があり耳に残ります。ミックスも、その2つを強調したバランス作りがされていて、曲の魅力を引き出していると思います。リズムですが、2拍4拍の強弱が少なく、それ故単調に聞こえのが気になりました。打込みや音色のチョイス、ミックスで解決すればもっとグルーブ感がでるのではないでしょうか?
しっかりとした曲構成がされていて、曲全体に力強さを加えていると思います。その反面、リズムがやや単調気味になっているので、次はリズムアレンジに目を向けてみましょう。テンポを揺らしてみたり、クリックを使ってるなら外してみる、などして人間的な揺れを加えてみてはどうでしょうか?
ジャンルはクラッシックから、ジャズ、ロック、ハウス・テクノの打ち込み、そしてヴォーカロイド系まで多岐に渡り、沢山のご応募ありがとうございました。演奏、録音自体のクオリティは全般的に高かったと思います。ただそれは、敢えて言うとですが、ソツの無い音楽が多く、やぶれかぶれくらいの個性を感じささせる楽曲があった方が、音楽としての面白みが増すのでは?と思いました。(優れた音楽には強烈な個性が必要だと思います。)
「楽曲で人に何を伝えたいか。」が重要です。このことを常に意識してみるようにして、皆さん、素晴らしい音楽を作って下さい。
レコーディング・エンジニア 吉田保氏
(JAREC理事長)
1946年、埼玉県に生まれる。1968年、東芝EMI録音部入社を皮切りにRVC録音部、CBS/SONY六本木スタジオ(チーフ・エンジニア)を経て、1989年に独立。2007年よりミキサーズラボ所属。これまでに山下達郎、竹内まりや、稲垣潤一、大滝詠一、吉田美奈子、浜田省吾、ザ・スクエア(現T-SQUARE)、松田聖子、Kinki Kids、ゴスペラーズなどを手がける。
記事内に掲載されている価格は 2014年12月24日 時点での価格となります。
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