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ーーー簡単な自己紹介をお願い致します。
作詞・作曲・編曲家としてJ-POPアーティストへ楽曲提供を行い、株式会社TOPICS.LABの代表も務めております、田仲圭太です。
この度、Rock oN Company様の企画「Build Up Your Studio」にてインタビューのオファーをいただきました。
これから自宅スタジオの構築を目指す方々にとって、私の環境が少しでも参考になれば幸いです。

ーーーコンピューターのスペックを教えてください。(Win / Mac)
Model: MacBook Pro
CPU: Apple M3 Max
Memory: 128GB
Storage: 4TB SSD
購入当時は外への持ち運びも想定し、「これ一台持っていけば、どこでもすべての作業が完結できる」ようにこのスペックを選択しました。かなり大きな投資ではありましたが、現在の制作規模においてもストレスなく使用できる十分なパワーを備えています。ただ、これだけの容量があっても、最近は4TBのストレージでは足りないと感じ始めており、さらなる拡張のために外部SSDの導入を検討しているところです。
ーーースタジオのこだわっているポイントを教えてください。

以前は自宅とは別に防音マンションの一室を借りて制作拠点にしていました。しかし、移動の手間があることで「浮かんだアイデアをその場ですぐ形にできない」もどかしさを感じたり、どうしても家族と過ごす時間が削られてしまったりという課題がありました。
そこで、より直感的に、かつ生活を大切にしながら音楽に向き合える環境を目指し、一軒家の中にプライベートスタジオを構える決断をしました。
現在の作業部屋は、もともと防音仕様ではありません。そのため、いかにプロの制作に適した環境を作り込むかにこだわりました。

特に防音面では、既存のドアに加えてDIYでもう一枚防音ドアを設置して「二重扉」に改造し、窓にはオーダーメイドの防音パネルを導入。
さらに部屋全体の調音を整えるために吸音材を適所に配置しました。

モニタースピーカーはNeumann KH 120 IIを使用しています。このスピーカーの補正機能を活用することで、部屋特有の鳴りをコントロールし、フラットで信頼できるモニタリング環境を構築することができました。


もう一つの大きなこだわりは、作業効率を高めるためのマルチディスプレイ環境です。作曲の際、ミキサーやスペクトラムアナライザー、VUメーター、チューナーなどを独立した画面で常時表示させています。「いちいちウィンドウを開き直す」という細かなストレスを排除し、音の状態を常に視覚的にも把握できるようにすることで、迷いのないスピーディーな判断を可能にしました。限られた時間の中で最高のクオリティを生み出すための、私なりの最適解です。
ーーー自分にとって欠かせない機材たちとその理由を教えてください。

私の制作システムの核となっているのは、オーディオインターフェースの RME Fireface UFX III です。とにかくRMEらしい、脚色のない素直な質感を信頼して導入しました。制作の全工程において、入出力の音が極めて正確であることは、判断のブレをなくすために何よりも重要だと考えています。
このUFX IIIをベースに、さらにイン・アウトのクオリティを追い込むため、コンバーターには BURL Audio のADCおよびDACを組み合わせています。上質なコンバーターを通すことで、イン・アウト両面の解像度と質感が飛躍的に向上しました。

プリアンプのShadow Hills Mono GAMAは、もともとボーカル録り用に導入したものでしたが、最近はギターのライン録りでの「直差し」がマイブームです。非常に素直で芯のある音が得られるだけでなく、トランスの切り替えによってキャラクターを使い分けられるのが大きな魅力です。制作する楽曲のジャンルや、その時のインスピレーションに合わせて最適な質感を選択しています。

ギター関連では、KemperやUmbrella CompanyのOrganizerも愛用しています。Kemperを使用する際は EVA電子のHIGH GRADE Sound Stabilizer III を間に挟むのが私のこだわりです。これを通すことでサウンドの密度がグッと増し、デジタルアンプ特有の物足りなさを解消して「理想の鳴り」に近づけることができます。

そして、最終的な出口として欠かせないのがAudeze MM-500です。時間帯によっては大音量でのモニタリングが難しいため、ミックスの最終確認はヘッドホンで行うことが多いのですが、このMM-500は音の定位感が掴みやすいです。決して「極端にフラット」というわけではありませんが、音像の配置や奥行きを視覚的に捉えるような感覚でジャッジできるため、スピーカーでの作業を補完する以上の信頼を置いています。
ーーースタジオでの普段のワークフロー、創作意欲を高める工夫、作業が煮詰まった時の対処法などを教えてください。
メインDAWは Fender Studio Pro 8 を使用しています。作業の進め方において私が最も重視しているのは、音を出す前の段階です。クライアント様の要望やリファレンス曲を徹底的に自分の中に落とし込み、目指すべきゴールを明確にする作業に、かなりの時間を割くようにしています。ここでの「設計図」が自分の中で固まってしまえば、あとの実作業はスムーズに進みます。
実際の制作順序は、まず楽曲構成とリズムの骨組みを決め、そこからコードとメロディを構築。その後、アレンジが形になった段階で歌詞の制作に移ります。私は詞曲両方を採用していただく機会が多いのですが、その際は「仮歌詞」という意識は持たず、そのまま決定稿として提出できるクオリティで一気に書き上げるようにしています。そうすることで、メロディと歌詞が深く結びつき、楽曲の世界観がより強固なものになると感じています。
創作意欲を維持するために、「物理的な効率化」を図っています。性格上、作業中に無駄な動きをしたくないので、スタジオ内の備品は必ず決められた場所に配置することを徹底。必要なものに迷わず手が届くというシンプルさが、集中力を切らさないための最大の工夫です。

また、デジタル面ではStream Deckを活用し、マウスのクリックやタイピングの回数を削っています。

モニタースピーカーとヘッドホンの切り替えにはRME ARC USBを使用していますが、このワンタッチの操作感は非常に快適ですね。こうした細かな操作ストレスを排除することが、クリエイティブな思考を止めないための重要なポイントになっています。
アイデアが浮かばない時は、外に出たり、お風呂に入ったりして意図的に「景色」を変えるようにしています。一度脳をリフレッシュさせると、良いアイデアが浮かぶ事が多いです。皆様、試してみてください。
ーーー将来的にグレードアップしたい事や導入したい機材、あるいは最近導入して良かった機材などがあれば教えてください。

最近は、制作の幅を広げるためにギターを立て続けに購入しています。
手がけるジャンルが多岐にわたるようになったため、その都度、楽曲に最適なギターを直感的に選択できる環境を整えることは、作品のクオリティに直結すると感じています。中でも、最近導入した RS Guitarworksのストラトキャスターは本当に出色が良く、非常に気に入っています。さらにバリエーションを増やすべく、テレキャスターやAcoustasonicの購入を検討しているところです。
また、周りのミュージシャンたちがこぞって導入しているNeural DSP Quad Cortexが気になっています。評判の良さを耳にする機会が多く、そろそろ自分のシステムにも取り入れようかと考えています。

鍵盤周りでは Arturia KeyLab Essential 88 mk3 Black を導入しました。
もともと私はギタリストということもあり、ピアノ系のフレーズはこれまで打ち込みで制作していたため、以前使用していた61鍵盤で十分でしたが、制作の際に鍵盤も自分で演奏してみようと考え、今回88鍵を選びました。
ハードウェア周りの拡張性については、WesAudio Supercarrier IIのスロットにまだ空きがあるので、ここをどう埋めるかが今の楽しみです。全体のクオリティアップに繋がるような、決定打となるモジュールを漠然と探している最中です。
さらに、スピーカーについてもブラッシュアップを考えており、musikelectronic geithain RL906を始め、良いスピーカーを探しています。現状に満足せず、常に良い環境を模索していきたいですね。
ーーー最後に、告知などあれば教えてください。
音楽制作のご依頼や、一緒に音楽制作をしてくださるクリエイターの方を募集しています。お問い合わせは、株式会社TOPICS.LABの公式サイト内コンタクトフォーム、または各SNSのDMよりお待ちしております。
【Official / SNS】
* Website : https://www.topics-lab.jp/contact
* X : https://x.com/KeitaTanaka_TL
* Instagram : https://www.instagram.com/keitatanaka_tl/
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記事内に掲載されている価格は 2026年4月15日 時点での価格となります。
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