HEAR THE REAL TONE 2019 マイクロフォン編(Advanced)
競合プロダクトを比べることで見えてくる真実の音。Hear the Real Tone2019、第4弾は男性ボーカル8本、女性ボーカル9本、計17本の音源を収録しました!
お馴染みレコーディングエンジニア飛澤正人氏に収録していただき、全てのマイクにコメントをいただきました!
INDEX
収録環境
本数の関係上1テイク4本同時収録。
ダイアフラムとの距離を均等にするため、マイクとボーカリストとの距離h10cm。Digigrid IOXを共通のHAとしてProTools HD環境にてサンプリングレート32bit/96kHzにて収録しています。
全ての音源をダウンロード(24bit/96kHz Wav)
総評
全体を通して今回一番良いと思ったのはTF47。バランスの良さ、レスポンスの良さ、価格帯を考えると抜群のパフォーマンスと言えます。Entry編でも話しましたが低域の空気振動が取れているマイクは良いマイクと言えます。
そう言う意味で最も気に入ったのがTF47、次点でElam251、U67が素晴らしいですね。
ダイアフラムの感度が高く、低域の空気振動を感じられるマイクでは音程にならない超低域が出ている印象です。
例えば女性ボーカルの歌う『悲しいことが〜』の『こっ』『とっ』とか言った時のアタック感の再現に、Entry編のマイクと明らかな違いが出ていますから、是非聴き比べてみてください。
飛澤正人 氏 プロフィール
Dragon Ash や GACKT , HY , SCANDAL , 鬼束ちひろ などを手掛ける。 1980年代後半にフリーのレコーディングエンジニアとなって以降、日本の最先端の音楽シーンに関わり作品を作り続けてきた。イコライジングによる音の整理や奥行きの表現に定評があり、レコーディング誌へのレビューやセミナーも多数行っている。近年はアーティストへの楽曲提供やアレンジなどもこなし、より理想に近い音楽制作環境を構築すべく日々考えを巡らせている最中だ。
また2017年5月、市ヶ谷から渋谷にスタジオを移転。VRやサラウンドに対応した “PENTANGLE STUDIO” を設立し、これまでの2MIX サウンドでは表現しきれなかった360°定位のバーチャル空間をイメージした3Dミックスを提唱していくことを考えている。
(男性ボーカル) 木谷 雅 (きたに まさし) プロフィール
<生年月日:1979.5.16/血液型:O型>
2004年に「イエスタデイ」にてデビューしたロックバンドsacraのヴォーカリスト。同楽曲が基となって制作されたドラマ「Spring Story」(主演・小栗旬)が制作され話題に。また2枚目のシングルに収録された「手のひらを太陽に」が「めざましテレビ」(フジテレビ系)のテーマ曲となるなど、デビュー早々、音楽シーンをにぎわせた。
sacraの楽曲の作詩・作曲の他、島谷ひとみ「抱きしめて~晶のBallad~」作詩・作曲、 SE7EN「スタートライン」作詩他、楽曲提供多数。
2010年からボイストレーナーとしても活動。
個人で数多くメジャーアーティストやシンガーソングライターを教え、ワタナベエンターテイメントカレッジでも講師をしながら、sacraのボーカリストとして精力的にライブ活動や作品制作を行う。
(女性ボーカル) 実咲 プロフィール
まとめて比較試聴!
【男性ボーカル】
【女性ボーカル】
NEUMANN
U67 Set
¥880,000
伝説的ビンテージマイクが当時と同じ仕様で完全復刻。
- 1960年代のU67と本質的に同じリニアレスポンス
- 大型カスタム設計の出力トランス、大量のチューブの中からセレクトされた高品質のチューブ
【飛澤さんコメント】Elam251と似たような特性を持ちつつも、音の骨格が見えるほどしっかりと捉えることができています。
とても安心して聴ける低域や中域の充実感が素晴らしく、真骨頂とも言えるバランスの良さが光りますね。
ノイマンというブランド力だけでなく、名機と言われ世界中のエンジニアから選ばれる理由がそこにあるのだと思います。
Ehrlund
EHR-M
¥198,000
クリーンでナチュラル,澄み切ったサウンドを持ったスタジオ・マイクロフォン
- トライアングル・カプセル・メンブレン(三角形振動板)
- 超低ノイズでリニアな位相カーブを持つプリアンプ
【飛澤さんコメント】Phantheraよりさらに高域抜けが良い、Exciterでもかけてるのかという感じです。
クリーンと表現すれば良いでしょうか。反面軽く感じてしまう側面はありますね。
この場合低域を持ち上げるというより逆に8Kぐらいをシェルビングでゆるく高域を下げてレベルをたすような使い方だと下の質感が出てきますね。足すよりもいらないところを切る方がこのマイクには理にかなってます。
Roswell Pro Audio
Colares
¥171,600
Colaresの音源は女性Vocalのみとなります。
ヴィンテージ感あふれる豊かでリッチなトーンが特徴!
- JFETは個別にバイアス調整を施したNOSパーツを採用
- 米国CineMag製アウトプット・カスタム・トランスを採用
【飛澤さんコメント】高域にはシルキーさがあり、低域も録れてます。ただドンシャリで中域が抜けてる印象です。
中域が足りなく感じるので、1k、2kあたりを足してあげると色っぽくなりますね。
ソースによって使い分けたり、補ってあげると良いマイクです。
上下を加工するよりも補正としては簡単です。
他の機種と並べて聞くと多分敬遠してしまいがちですが空気感はしっかり録れている。
バランスの良いマイクではTF47が抜群ですが、後処理ありきであればColaresやKU-5Aは価格を考えるとすごく良くできています。
Upton Microphones
Upton 251
¥753,500
すべての設計、製造を自社生産。最も美しい響きと言われた伝説のマイクロフォンをモデルにしたアメリカ発の真空管コンデンサーマイク。
- 自社で製造されるCK12カプセル、T14トランスフォーマーは3年半の歳月をかけ開発。
- 細部のチューニングまで徹底的に拘り、オリジナルとも遜色がないと言われるまでに磨き上げられた製品
【飛澤さんコメント】ELAM251をベースにしたマイクですがElam251より中低域の充実が物凄く良い。
素の音から高域をEQ補正をすると特に素晴らしいサウンドになります。
とてもナチュラルに録れており、原音に限りなく忠実なマイクと言えます。
いろんなソースに対応できますが、特に繊細なアコースティックに向いています。
Upton251は高域の抜け感だけで言うとTF47やElam251より落ちますが、高域は後で補正できますから、これは素晴らしいマイクですよ。
CHANDLER LIMITED
TG MICROPHONE
¥242,407
EMI/Abbey Road Studiosオフィシャル “ソリッドステート・コンデンサー・マイクロホン”/専用ショックマウント(付属)
- デュアルトーン・システム
- EMI テープイコライザー
【飛澤さんコメント】低域というより中域がしっかりしています。
TF47にもう少し中域を押し出したようなサウンドです。
ダイアフラムの感度が高く、低域の空気振動を感じられます、音程にならない超低域が出ている印象です。
例えば女性ボーカルの歌う『悲しいことが〜』の『こっ』『とっ』とか言った時のアタック感の再現に、Entry編のマイクと明らかな違いが出ますね。
BRAUNER
Phanthera
¥261,150
高解像度かつシルキーなキャラクター(カーディオイド)のコンデンサー・マイクロフォン
- 高域の抜け感が心地よく軽やかなサウンド
- パフォーマンスを犠牲にすることなく、指向性をカーディオイドのみに絞り込んだラージダイアフラムFETコンデンサーマイク
【飛澤さんコメント】中高域の抜けがよく、特に高域が際立って伸びています。
そういう意味では少し癖があり、好みが分かれるモデルです。
アコギなどシャキッと中高域の抜けをとりたい音源の時にハマるマイクですね。
TELEFUNKEN
TF47
¥212,850
歴史的なマイクロフォンU47とM49からインスピレーションを受けたジャーマンサウンドに基づく新しいデザインのコンデンサーマイクロフォン
- U47を彷彿とさせる存在感のあるミッドレンジ
- スムースで鮮明なトップエンド
【飛澤さんコメント】今回一番いいと思ったのはTF47。バランスの良さ、レスポンスの良さ、価格帯を考えると抜群のパフォーマンスと言えます。
やはり低域の需実感、空気感が取れているマイクは良いマイクと言えます。
高域はなくてもEQ、エキサイターなど倍音たすプラグインで補えます。
逆に下の空気振動やレスポンスが録りで取れていないとEQでは補えません。
そう言う意味で最も気に入ったのがTF47、次点でElam251、U67が素晴らしいですね。
TELEFUNKEN
TF51
¥212,850
ELA M 251EやC12のオーストリアサウンドに新鮮味を取り入れた新しいコンデンサーマイクロフォン
- 開放的で正確な周波数応答
- ELA M 251Eのようなエアリーでスムースなトップエンド
【飛澤さんコメント】シリーズ機種だけあってTF47と傾向は似てますね。
TF47よりも少し重心が高く高域の抜け感があります。
低域もしっかり録れていますが、よりバランス良く上が出ていて『聴きやすい』マイクですね。
TF47以上にパッと聞きの抜けの良さがあります。
しっとり感はTF47の方が上ですが、空気感はしっかり録れている。
C12Kカプセルに近い味がしっかり出ていますね
TELEFUNKEN
ELA M 251 E
¥1,298,000
最も美しい響きと言われた伝説のマイクロフォン 6072a真空管使用
- 複数のオリジナル251よりリバース・エンジニアリング
- 不足パーツはオリジナル・ブループリントから部品を再生産
【飛澤さんコメント】価格相応の高級感があり、全体的なレンジの広さと高域の伸び方は素晴らしいのひとこと。
そのクリアさゆえに並べて聴いたときに下の印象やレンジの充実感は同社TF47の方が私は好みでしたが、音に優雅さを感じることができる数少ないマイクですね。
NEUMANN
U67 Set
¥880,000
伝説的ビンテージマイクが当時と同じ仕様で完全復刻。
- 1960年代のU67と本質的に同じリニアレスポンス
- 大型カスタム設計の出力トランス、大量のチューブの中からセレクトされた高品質のチューブ
【飛澤さんコメント】Elam251と似たような特性を持ちつつも、音の骨格が見えるほどしっかりと捉えることができています。
とても安心して聴ける低域や中域の充実感が素晴らしく、真骨頂とも言えるバランスの良さが光りますね。
ノイマンというブランド力だけでなく、名機と言われ世界中のエンジニアから選ばれる理由がそこにあるのだと思います。
Ehrlund
EHR-M
¥198,000
クリーンでナチュラル,澄み切ったサウンドを持ったスタジオ・マイクロフォン
- トライアングル・カプセル・メンブレン(三角形振動板)
- 超低ノイズでリニアな位相カーブを持つプリアンプ
【飛澤さんコメント】Phantheraよりさらに高域抜けが良い、Exciterでもかけてるのかという感じです。
クリーンと表現すれば良いでしょうか。反面軽く感じてしまう側面はありますね。
この場合低域を持ち上げるというより逆に8Kぐらいをシェルビングでゆるく高域を下げてレベルをたすような使い方だと下の質感が出てきますね。足すよりもいらないところを切る方がこのマイクには理にかなってます。
Roswell Pro Audio
Colares
¥171,600
ヴィンテージ感あふれる豊かでリッチなトーンが特徴!
- JFETは個別にバイアス調整を施したNOSパーツを採用
- 米国CineMag製アウトプット・カスタム・トランスを採用
【飛澤さんコメント】高域にはシルキーさがあり、低域も録れてます。ただドンシャリで中域が抜けてる印象です。
中域が足りなく感じるので、1k、2kあたりを足してあげると色っぽくなりますね。
ソースによって使い分けたり、補ってあげると良いマイクです。
上下を加工するよりも補正としては簡単です。
他の機種と並べて聞くと多分敬遠してしまいがちですが空気感はしっかり録れている。
バランスの良いマイクではTF47が抜群ですが、後処理ありきであればColaresやKU-5Aは価格を考えるとすごく良くできています。
Upton Microphones
Upton 251
¥753,500
すべての設計、製造を自社生産。最も美しい響きと言われた伝説のマイクロフォンをモデルにしたアメリカ発の真空管コンデンサーマイク。
- 自社で製造されるCK12カプセル、T14トランスフォーマーは3年半の歳月をかけ開発。
- 細部のチューニングまで徹底的に拘り、オリジナルとも遜色がないと言われるまでに磨き上げられた製品
【飛澤さんコメント】ELAM251をベースにしたマイクですがElam251より中低域の充実が物凄く良い。
素の音から高域をEQ補正をすると特に素晴らしいサウンドになります。
とてもナチュラルに録れており、原音に限りなく忠実なマイクと言えます。
いろんなソースに対応できますが、特に繊細なアコースティックに向いています。
Upton251は高域の抜け感だけで言うとTF47やElam251より落ちますが、高域は後で補正できますから、これは素晴らしいマイクですよ。
CHANDLER LIMITED
TG MICROPHONE
¥242,407
EMI/Abbey Road Studiosオフィシャル “ソリッドステート・コンデンサー・マイクロホン”/専用ショックマウント(付属)
- デュアルトーン・システム
- EMI テープイコライザー
【飛澤さんコメント】低域というより中域がしっかりしています。
TF47にもう少し中域を押し出したようなサウンドです。
ダイアフラムの感度が高く、低域の空気振動を感じられます、音程にならない超低域が出ている印象です。
例えば女性ボーカルの歌う『悲しいことが〜』の『こっ』『とっ』とか言った時のアタック感の再現に、Entry編のマイクと明らかな違いが出ますね。
BRAUNER
Phanthera
¥261,150
高解像度かつシルキーなキャラクター(カーディオイド)のコンデンサー・マイクロフォン
- 高域の抜け感が心地よく軽やかなサウンド
- パフォーマンスを犠牲にすることなく、指向性をカーディオイドのみに絞り込んだラージダイアフラムFETコンデンサーマイク
【飛澤さんコメント】中高域の抜けがよく、特に高域が際立って伸びています。
そういう意味では少し癖があり、好みが分かれるモデルです。
アコギなどシャキッと中高域の抜けをとりたい音源の時にハマるマイクですね。
TELEFUNKEN
TF47
¥212,850
歴史的なマイクロフォンU47とM49からインスピレーションを受けたジャーマンサウンドに基づく新しいデザインのコンデンサーマイクロフォン
- U47を彷彿とさせる存在感のあるミッドレンジ
- スムースで鮮明なトップエンド
【飛澤さんコメント】今回一番いいと思ったのはTF47。バランスの良さ、レスポンスの良さ、価格帯を考えると抜群のパフォーマンスと言えます。
やはり低域の需実感、空気感が取れているマイクは良いマイクと言えます。
高域はなくてもEQ、エキサイターなど倍音たすプラグインで補えます。
逆に下の空気振動やレスポンスが録りで取れていないとEQでは補えません。
そう言う意味で最も気に入ったのがTF47、次点でElam251、U67が素晴らしいですね。
TELEFUNKEN
TF51
¥212,850
ELA M 251EやC12のオーストリアサウンドに新鮮味を取り入れた新しいコンデンサーマイクロフォン
- 開放的で正確な周波数応答
- ELA M 251Eのようなエアリーでスムースなトップエンド
【飛澤さんコメント】シリーズ機種だけあってTF47と傾向は似てますね。
TF47よりも少し重心が高く高域の抜け感があります。
低域もしっかり録れていますが、よりバランス良く上が出ていて『聴きやすい』マイクですね。
TF47以上にパッと聞きの抜けの良さがあります。
しっとり感はTF47の方が上ですが、空気感はしっかり録れている。
C12Kカプセルに近い味がしっかり出ていますね
TELEFUNKEN
ELA M 251 E
¥1,298,000
最も美しい響きと言われた伝説のマイクロフォン 6072a真空管使用
- 複数のオリジナル251よりリバース・エンジニアリング
- 不足パーツはオリジナル・ブループリントから部品を再生産
【飛澤さんコメント】価格相応の高級感があり、全体的なレンジの広さと高域の伸び方は素晴らしいのひとこと。
そのクリアさゆえに並べて聴いたときに下の印象やレンジの充実感は同社TF47の方が私は好みでしたが、音に優雅さを感じることができる数少ないマイクですね。