Manley Laboratoriesの代表・EveAnna Manley氏が、International Sales DirectorであるJean-Baptiste Lierre氏と共にRock oN Company渋谷店に来店しました!
MANLEYは真空管プロセッサーなどの業務用スタジオ機器メーカーとして世界中のレコーディングスタジオで、ミュージシャンやエンジニアから熱い支持を集めています。
その真空管サウンドは、1989年に最初の製品が発表されて以来、ミキサー、イコライザー、マイクプリアンプ、リミッター、コンプレッサーなど、真空管の特性をフルに発揮する、多種、多様の高品質アウトボードを開発・製造しています。
今回は最近のCovid-19が与えた影響や半導体供給不足など、世界情勢についての貴重なお話をお伺いすることができました。
COVID-19や世界情勢がManleyに与えた影響
Rock oN : 今回の来日の目的を教えて下さい。
EveAnna Manley 氏 : 一つはManleyの30周年を祝うためです。1992年のサンフランシスコで開催されたAESでビジネスがスタートしてから、今年でちょうど30年の節目の年となりました。
Jean-Baptiste Lierre 氏 : 他にも日本で開催されるオーディオショーを見に来たという目的もあります。
Rock oN : COVID-19(コロナウイルス)の世界的なパンデミックがMANLEYに与えた影響はどのようなものがありましたか?
EveAnna Manley 氏 : 多くのミュージシャンが外部のスタジオでなく自宅でのレコーディング作業となったことで、特に自宅で使われるマイクロフォンの受注が増えて、この2年間は注文の量も増えてビジネスとして非常に好調でした。その分労働量も増やす必要があったので人員を増やすことで生産性を上げることができ、北米地域の生産量は2019年の約2倍にもなりました。
Rock oN : 今年はウクライナの戦争に関連した半導体不足などの問題がありましたが、そういう世界情勢がManleyに与える影響はありましたか?
EveAnna Manley 氏 : Manleyではロシア製のチューブをメインで使用していますので、各メーカーが買い占めているということもあって通常よりかなりの多くチューブのストックを増やしました。ただ何かが解決すれば何かが起こるという状態が何ヶ月も続いていて、コストも上がってきて苦労していますが、Manleyの生産自体は良くなってきています。
Jean-Baptiste Lierre 氏 : ロシアもビジネス的には長くやっているところなのですが、販売するとなると間接的にプーチン(ロシア)をサポートすることになるので、現状では出来ないという辛さがあります。
気になる今後のラインナップ
Rock oN : 今後、予定している新製品は何かありますか?
EveAnna Manley 氏 : 新製品というよりこれまで出した製品の改良を続けています。常に改良してはいますが、サプライチェーンの問題があって色々と遅れが生じています。
Rock oN : NEVEやSSLといった他社メーカーではコンピューターと接続して使用するコントローラーやオーディオインターフェイスをリリースしています。そういった製品をManleyではリリースする予定はありますか?
EveAnna Manley 氏 : 現在のところはありません。
Rock oN : 例えば最近人気のAPIのモジュール形式でのリリースは予定していたりますか?
EveAnna Manley 氏 : 最適な電源供給ということを考えると、残念ながらちょっと小さいサイズです。電源は一番大事な部分なので。サブブランドならソリッドステートなので、まだ可能性あるかもしれません。
Rock oN : ユーザーによくManleyのデュアルモノマイクプリについて聞かれるのですが、今後シンプルな1~2chのマイクプリのリリースを出す予定はありますか?
EveAnna Manley 氏 : 1Uサイズで狭い所にワイヤリングして作るのが大変なので今はやっていません。ただ専任の職人がただある程度希望する数が集まれば、限定生産という形でできないことはありません。例えばRock oN限定100台とか作るのはどうでしょうか(笑)。
日本のユーザーへ
Rock oN : 最後にこれを読んでいる日本のユーザーにメッセージをお願いします。
EveAnna Manley 氏 : 多くの日本のユーザーにManleyの価値を認めていただき、とても感謝します。そして私は日本の音楽のファンで、ピチカート・ファイブやBABYMETALといった日本のアーティストのファンでもあります。あと日本のバイクも好きで、特にKAWASAKIが好きです。
Jean-Baptiste Lierre 氏 : 3年前に初めて来日してから、私もすっかり日本のファンです。カルチャーでもいい意味でこだわりを感じるので、そういう人達にManleyの製品を認めてもらって使っていただいてるのがとても嬉しいです。
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記事内に掲載されている価格は 2022年12月29日 時点での価格となります。
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