本サイトでの Cookie の使用について

閉じるボタン
head-love Created with Sketch. CREATOR
namm2021

18
Jan.2021
REPORT
  • HOME
  • REPORT
  • 直前情報
  • KORGがシンセサイザーの新製品ARP 2600 M、miniKORG 700FS、modwaveを発表!

KORGがシンセサイザーの新製品ARP 2600 M、miniKORG 700FS、modwaveを発表!

20210115_KORG_1390_856

いよいよ開幕のNAMM 2021直前に、KORGからシンセサイザーの新製品として、ARP 2600 M、miniKORG 700FS、modwaveの3製品発表という大きなニュースが舞い込んできました!

ARP 2600 Mの登場に驚いた方も多いと思います。昨年発売して大反響を巻き起こしたARP 2600 FSとどう違うのでしょうか?

さらにminiKORG 700が復刻という驚きのニュース!1973年にKORGが初めて量産販売したモノフォニック・シンセサイザーが「miniKORG 700FS」となってどのように変化したのでしょう。

さらにwavestateやopsixのようなスタイリッシュで現代的なシンセ、modwaveも気になるところでしょう。

NAMM2021で話題必至の3製品をご紹介します!

伝説のARP 2600が、再び現代に蘇る!

ARP2600M02

ARP 2600 Mは、世界中で賞賛されているサウンドをよりコンパクトでポータブルなフォーマットで提供し、さらに新たな機能を追加して、この歴史的なシンセサイザーの理想的な化身として生まれ変わりました。

ARP 2600は、これまでで最も象徴的なサウンドを持つシンセサイザーの一つです。そのサウンドは70年代に登場してから今日に至るまで、数え切れないほどのレコード、映画音楽、テレビ番組、ゲームのサウンド・トラックで使用されました。

ARP2600M01

昨年2020年1月にARP 2600 FSが発表されると、そのオリジナルARP 2600への忠実さが世界中のミュージシャンに認められ、瞬く間に驚異的な成功を収めました。ARP 2600 Mはオリジナルの約60%のサイズであり、軽量化とポータビリティの向上を実現し、スタジオやライブ会場でのセッティングが簡単になりました。(日本の住宅事情からすると、このコンパクト化は嬉しいですね!)

ARP 2600 FSと同じアナログ回路とコンポーネントを統合しているため、ARPの特徴的なサウンドを忠実に再現しています。

ARP2600M06

今回発売されたARP 2600 Mは、ARP 2600 FSと同様に細心の注意と並外れた品質基準のもと日本で製造され、オリジナルのサウンドと質感を正確に再現するために、同じアナログ電子部品を使用しています。スプリング・リバーブは、新しいボディサイズに合わせて新たに採用しましたが、これまで通りの豊かなエフェクトを実現しています。

追加された機能

新しいARP 2600 Mは、オリジナルに忠実なだけでなく、さらに使いやすくなるように機能が追加されました。

ARP2600M03

・プラグ・アンド・プレイ:ARP 2600 MのUSB-Aポートに、KORG microKEY,nanoKEYやSQ-64などのUSBクラス・コンプライアント対応MIDIコントローラーを接続するだけで、簡単に本機をコントロールすることができます。
・サイズを縮小。サイズが変更されたことで、パッチが見やすくなっただけでなく、より短いパッチ・ケーブルを使用することが可能になりました。
・オリジナルARP 2600の2種類のバージョンから2種類のフィルター(前期型、後期型)が使用可能。
・DIN MIDI INを追加。
・ピッチベンド、モジュレーション、ポルタメントON/OFFはMIDI CCメッセージ(USB/DIN MIDI)でコントロールできます。
・電圧の正規化:S/H GATE ジャックをを介してADSRを起動させるために必要なトリガー信号のしきい値を5Vとし、volcaシリーズやユーロラックモジュールなど、他の機材との組み合わせがより簡単になりました。
・アタック・タイムとリリース・タイムの比率を改善。
・L/Rステレオ出力標準フォーンジャック(XLRは非搭載)。
・ヘッドフォン使用時にはスピーカーが自動的にオフになります。
・改善されたスムーズなスライダー。

ARP2600M05

コルグが初めて量産販売した、miniKORG 700も完全限定生産で復活!

miniKORG-700FS01

1973年にコルグが初めて量産し販売したモノフォニック・シンセサイザー、miniKORG 700。当時、シンセサイザーという物のカタチがまだ確立されていない中で、試行錯誤の末に生み出されたこの電子楽器は、シンプルな操作から過激な音色変化を生み出し、シンセサイザーの面白さを幅広い層に伝えるとともに、多くのミュージシャンからも高い支持を得ました。

miniKORG-700FS02

本機はその翌74年に発売された改良版「miniKORG 700S」を忠実に復刻したものですが、当時搭載できなかったアルペジエーター、スプリング・リバーブ、アフター・タッチなどの機能を追加しています。オリジナルの開発者、三枝文夫と共に作り上げたアナログ・シンセサイザーのひとつの完成形、それがminiKORG 700FSなのです。

コルグはprologueやminilogueなど、現代においてもアナログ・シンセサイザーの開発を行っていますが、そのきっかけとなったのはminiKORG 700の存在でした。それはアナログ回路をDSPなどICの計算機によって再現するアナログ・モデリング技術では、miniKORG 700から生み出される音の本当の美しさ、本当の凄さを実現できなかったからです。このminiKORG 700FSによって本物のアナログ・サウンドの美しさ、凄さを体感して欲しいと願っています。

miniKORG 700はコルグで最初のシンセサイザーでありながら、今でもコルグのシンセの中で最も太く、密度のあるサウンドを誇っています。抜けの良いオシレーターはもちろんのこと、miniKORG 700の象徴とも言えるトラベラー・コントローラーも完全に再現しました!

トラベラー・コントローラー

miniKORG-700FS06

miniKORG 700の最も特徴的な部分は、鍵盤下にある2つのスライダーによるトラベラー・コントローラーです。上のつまみがローパス・フィルター、下のつまみがハイパス・フィルターのカットオフ周波数をコントロールし、2つのつまみの位置によって音の表情を自由に変えていきます。また鍵盤を押さえながら左右に動かすことにより、ワウ、ミュートのほかオリジナルなトラベリング・サウンドを作り出すことができます。

miniKORG-700FS08

上のつまみで設定したカットオフ周波数より低く、下のつまみで設定したカットオフ周波数より高い音がフィルターを通り抜けて出る音になるため、2つのつまみの位置が逆転すると全ての周波数がフィルターに引っ掛かり、音が出なくなります。つまり2つのつまみがすれ違うと理論上は音が出ないので、miniKORG 700ではつまみに突起をつけて物理的にすれ違いができない構造にしました。

しかしそこは良くも悪くもアナログ回路。今も昔も完璧な特性を持つフィルターを設計することは不可能であり、当時、つまみを交差させるために突起を削って新たなサウンド・メイクを試みた強者もおり、海外で販売されたモデルには元々この突起がないものもありました。

miniKORG 700FSではこの突起のないつまみも同梱しており、自分で取り替えることが可能で、そんな幻の音を実体験することができます。

セカンド・オシレーター

miniKORG-700FS07

miniKORG 700は1オシレーターのモノ・シンセでした。1年後の1974年には、サウンドのバリエーションを増やすために、鍵盤の左側のスペースに操作子を加えて、セカンド・オシレーターやリング・モジュレーターなどを追加したminiKORG 700Sが登場。今回のFSはこの機能が拡張された700Sを復刻しており、2つのオシレーターによる強力なデチューンなどによって、抜けが良く太いリード・サウンドの変化をより楽しめます。

メモリーほか、オリジナルにはなかった機能も搭載!

miniKORG-700FS09

miniKORG-700FS04

当時の技術では電子部品など個々のパーツ・サイズが大きかったこともあり、本体内にこれ以上の機能を入れるスペースが取れませんでした。技術の進歩により空いたスペースにはエフェクト=スプリング・リバーブ、またベンドやモジュレーションのためのジョイスティックを追加。表現の幅を広げるアフター・タッチ、さらに今の音楽シーンにも対応すべくアルペジエーター、USB端子、MIDI IN端子やCV/GATE IN端子を搭載しました。

そして、これも当時は実現できなかったメモリー・プログラム・ボタンを搭載。一度作った音を再現するのにノブやつまみの位置をメモしておく必要はありません。

こちらは2021年6月発売予定です。

ウェーブテーブル、Kaoss Physics、モーション・シーケンシング 2.0など、様々な特徴を併せ持つモンスター・シンセ!

modwave01

1985年、コルグのDW-8000はデジタル・ウェーブテーブルとリッチなアナログ・フィルターを組み合わせ、アナログ・オシレーターでは不可能なサウンドを実現しました。そのため今でも一部マニアの間では人気を誇っています。

modwaveはそのDWシリーズの資産をベースに構築され、現代版モンスター・シンセへと変貌を遂げました。信じられないほどディープなウェーブテーブル・オシレーター、豪華なフィルター、ワイルドかつ柔軟なモジュレーション、比類なきポリフォニー、幅広く網羅するパターン・シーケンス、そしてすぐに理解できる操作系を特徴としています。

modwave04

modwaveにはダイナミックな変化を与える2つのユニークな新しいツールも搭載。Kaoss Physicsとモーション・シーケンシング2.0です。Kaoss Physicsは、x/y Kaossパッドに変調可能なゲーム物理学を組み合わせて、パワフルなのはもちろんのこと、操作するのが楽しくなる反応の良い対話型コントローラを生成します。モーション・シーケンシング2.0は、複数のレーンとリアルタイム・レコーディングを含む、wavestateのウェーブ・シーケンシング2.0の有機的で継続的に変化するパターンをモーション・シーケンスの世界に持ち込み、他のステップ・シーケンスでは不可能な、複雑に進化したフレーズを作成するのに役立ちます。

ウェーブ・シーケンシング2.0 (wavestate) や オルタードFM (opsix) と同様に、進化した modwave のウェーブテーブル・シンセシスは、独自の全くユニークなサウンドと、それらのサウンドを素早く簡単にカスタマイズできる機能ごとに独立したノブ・レイアウトを提供します。特徴的なウェーブテーブルの音色はアグレッシブなベースとリード、豊かなアンビエント・パッドから始まり、あなたのトラックに新たな次元を加えます。しかしそれはほんの始まりに過ぎません。深く掘り下げたい人は、無限の発見の源を見つけることができるでしょう。

シンセ・エンジン

modwave05

ウェーブテーブル・オシレーターを「ディープ」と呼んでいますが、これは過言ではありません。200以上のウェーブテーブルからスタートし、それぞれ最大64の波形が含まれており、それらは数千もの個別のウェーブになります。30以上のモディファイアを使って基本的なキャラクターを変更したり、13のモーフ・タイプを使ってリアルタイムで処理したりできます。独自のリアルタイムA/Bブレンドを使って、任意の2つのウェーブテーブルから新しいハイブリッドを作成します。簡単に計算すると、モジュレーションを追加する前に、2億3,000万以上のウェーブテーブルのバリエーションが用意されていることになります。これで終わりではありません。SerumまたはWaveEditフォーマットで独自のカスタム・ウェーブテーブルをロードしてください(Sound Librarianソフトを使用)。また、内蔵の大容量PCMライブラリのサンプルを使って、ウェーブテーブルをレイヤー化することもできます。

modwave_structure

各プログラムにはフル機能の2つのウェーブテーブル・オシレーターと、それに加えてサブ・オシレーター/ノイズ・ジェネレーター、過激なMS-20、スイートなPolysix、新しく強化されたマルチ・フィルターを含む12種類のステレオ・フィルターが搭載されています。4つのトリガー可能なエンベロープ、5つのLFO、デュアル・モジュレーション・プロセッサー、2つのキートラック・ジェネレーター、さらにマルチレーンのモーション・シーケンスとKaoss Physicsを搭載した非常に柔軟性の高いモジュレーション・システムを使って、ほぼすべてのパラメーターをコントロールすることができます。

1つのプログラムで1ボイスにつき最大4つのウェーブテーブルを同時に再生することができますが、modwaveは32ボイスのポリフォニーを実現しており、ウェーブテーブル・シンセとしては驚異的です。2つのプログラムを重ねることで、さらに可能性が倍増します。

Kaoss Physics

modwave06
Kaoss Physicsは、ボールが表面を転がったり、壁に跳ね返ったりする様子をモデルにしています。x/yパッド上で指をフリックすることでボールをスタートさせることもできますし、ゲート+ダンパーなどのトリガー・ソースを使って自動的にボールを発射させることもできます。またパッド上で指をかざすことでボールを直接コントロールすることもできます。ボールの位置によって4つの変調信号が生成され、XとYの位置、中心からの距離、X軸に対する角度など、好きな変調先を制御することができます。このような自動変調の適用方法は非常にユニークなもので、飽くなき進化を遂げる変調を実現しています。

モーション・シーケンシング 2.0

modwave07
モーション・シーケンシング 2.0は、wavestateのウェーブ・シーケンシング 2.0を進化させたものです。タイミング、ピッチ、シェイプ、4つのステップシーケンス値のセットは「レーン」に分離されており、それぞれが独自のループ・スタートとループ・エンドを持ち、より深く、よりカスタマイズ可能なレベルのフレーズやモジュレーションのレコーディングが追加されています。

シーケンスが進むたびに、個々のレーンを組み合わせて出力を作成します。例えば、ステップ・シーケンスの値は、再生するたびに異なるデュレーション、ピッチ、シェイプにマッチさせることができます。ベロシティ、LFO、エンベロープ、モジュレーション・ノブ、その他のコントローラーを使用して、各レーンのループ・ポイントをノートごとに個別にモジュレーションすることができます。コードを構成する各ノートは、それぞれ異なるものを演奏することができます!

こちらも2021年6月発売予定です。


いよいよ開幕のNAMM 2021での追加情報もお楽しみに!

NAMM2021_1390_428

この記事、あなたの評価は?

記事内に掲載されている価格は 2021年1月18日 時点での価格となります。

最新記事ピックアップ

NAB 2024 Day 4 : Audio-Technica
Audio-Technicaブースにはモータースポーツの収録に適したマイク、BPシリーズがレーシングスーツと共に展示されてます。中央のBP4027はステレオ仕様のショットガンマイクで、単一・双指向性に対応した高感度ユニッ [……
NAB 2024 Day 4 : Sonnet Technologies
Sonnet Technologiesブースには、Thunderbolt 5 eGPUの看板が!Thunderbolt 5は”双方向80ギガビット/秒(Gbps)の帯域幅を実現し、Bandwidth Boos [……
NAB 2024 Day 4 : Cerevo
Cerevoブースには新商品であるFlexTall Proの姿が!FlexTall Proは有線・ワイヤレスに対応したタリーランプで、有線の場合はEthernetによるPoEに対応。ワイヤレスの場合はランプ1台を親機とし [……
NAB 2024 Day 4 : WavesLive
2024NAMMショーでも話題になったオールインワンのプラグイン・エフェクトラック、WavesLive SuperRack LiveBoxの実機をLawoブースで確認することができました。背面の端子類を確認できたのは、こ [……
NAB 2024 Day 4 : 3PlayMedia
NAB 2024のIT系の企業が集まるWest Hallで面白いソリューションを展開しているメーカーが有りましたのでご紹介したいと思います。その名もAI DUBBING。メーカーは3PLAY MEDIAという会社。 ht [……
NAB 2024 Day 4 : SENNHEISER
ゼンハイザーは、ロケーション用のマイク、ワイヤレスといった製品を中心に展開。その一角には、もちろんNEUMANNも。さらには、グループの一員となったMERGINGの姿もありました。 Neumannコーナーでマイクは別の場 [……
NAB 2024 Day 4 : Salsa Sound
IBCでもレポートをお届けしたSalsa Sound。汎用PCベースで、MPEG-Hのエンコードの出来るこのアプリケーションですが、MPEG-Hのオブジェクト性と同様の考え方で、同時に5.1chと2ch、更には、ナレーシ [……
NAB 2024 Day 3 : GB labs
海外レポートでも毎回取り上げているエンタープライズ向けNASのメーカーGB labs。汎用性の高さとその高速性で国内でも多くの導入の見られるNASサーバーの一つです。そのGB labsの最新ソリューションであるNebula NASをご紹介し…
NAB 2024 Day 3 : Fraunhofer
MPEG-Hが、世界の放送局、日本の放送局でも次世代放送規格として採用が決まり始めたFraunhofer。NAB 2024ではその最新情報を聞くことが出来ました。
NAB 2024 Day 3 : Neutrik
コネクターのリーディングカンパニーNeutrik。XLRのケーブルはもちろんTSR、スピコン、パワコン、イーサコンなどいたるところでお世話になっている同社からDanteのInterfaceが登場しました。 ラインナップは [……
NAB 2024 Day 3 : AJA
アメリカ製にこだわるAJA。新製品では有りませんが、NABの会場でも各社の採用が目立つNDIの製品がありますので、ご紹介したいと思います。 こちらがその製品。AJA Bridge NDI 3Gとなります。3G-SDI信号 [……
NAB 2024 Day 2 : Vizrt
Rock oNレポートでは初登場となるVizrt。なぜこのメーカーを取り上げるのかというと、Rock oN Awardも獲得しているNDIの開発メーカーであるNewtekを買収し、傘下に収めたため。Vizrtの一部となったNDI、そしてTr…
Copyright © Media Integration, Inc. Rock oN Company