国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!
ステージ演奏の現場を知り尽くした完璧なステージピアノ
ヤマハは長い歳月をかけ、プレイヤーがステージピアノに何を求めているのかを詳細にヒアリングし、そのリクエストの分析検証と試作を何度も繰り返し、ついにCPシリーズ最新フラッグシップ CP88 / CP73 を発表しました。その磨き上げられた機能とサウンドをSCFED IBEが体感して来ましたので、そのレポートを含めプレイヤーからの視点で新生CPをご紹介します!
「音楽の力」をダイレクトに伝えてくれるリアルな音色
CP88の音を聞いてまず、音色のリアリティがこれまでに比べ格段に向上したと思いました。YAMAHA CFXピアノの音はハンマーが弦を叩いている映像が頭に浮かぶ重厚で煌びやかな音色。ベーゼンドルファーはステレオイメージも含めた荘厳な音色。YAMAHA U1アップライトピアノはチューニングがラフな所が妙に生々しいなど、それぞれの音色にはその場の空気を変えてしまう説得力がありました。ヤマハデモンストレーターの演奏を撮影させて頂きましたのでお楽しみ下さい。
YAMAHA CFX
生演奏の中でも負けない圧倒的なダイナミクスレンジと力強さを兼ね備えた、ヤマハのフラッグシップ・フルコンサートグランドピアノ。
ベーゼンドルファー290インペリアル
「ウィーンサウンド」と呼ばれるベーゼンドルファーのフラッグシップモデル
YAMAHA S700
アメリカのライブハウスに多く導入されているヤマハ製ハンドメイドピアノ。アンサンブルの中でも個性を発揮するパワーと、ソロからバッキングまで繊細かつ豊かに表現できる個性を持ったピアノです。
YAMAHA U1
学校やライブバーなどに普及しているアップライトピアノ。使い込まれてチューニングが少し狂っている状態が生々しくリアル!
Fender Rhodesビンテージ78年モデル
今までにない大容量サンプリングで濃密なエレピサウンドを再現。エレピはこの他にRhodes75年モデル、73年モデル、YAMAHA CP80、ウーリッツアも搭載!
プレイヤーが「弾く気」になる88鍵木製グレードハンマー鍵盤(CP88搭載)
天然の無垢材で作られた鍵盤は、自然な重量感で低音に行くほど鍵盤が重く、高音に行くほど鍵盤が軽くなるグランドピアノと同様のハンマーアクション機構を再現。鍵盤のタッチと音色のマッチングが素晴らしく、プレイヤーがデジタルピアノを演奏している事を忘れて鍵盤と一体になれる完成度を実現!何時間弾いても疲れにくい、弾いていて楽しくて仕方ない鍵盤です。筐体は強く軽いアルミニウム板を曲げた堅牢な構造で、本体剛性が鍵盤を安定させ演奏感が向上しています。
ストレスフリーな「わかりやすさ」で演奏に集中
スイッチとノブがセクション別に分かりやすく配置されています。1つの操作子に対して1つの機能なので音色の状態が一目で分かり、LED表示は暗いステージでも大丈夫。とにかく「分かりやすく」作られているので、演奏中に音色変化を行いたい時にすぐに判断、操作できます。「わかりやすさ」はプロフェッショナルだけでなく、これから鍵盤楽器を始める人にも大変親切なコンセプトです。
反応の良いスイッチがプレイヤーの想像力を掻き立てる!
カチっとした触感のトグルスイッチは、各音色セクションのON/OFFだけでなく、プレイヤーの気持ちにもスイッチを入れます! 例えば、芯のあるCFXピアノに煌びやかなエレピをONしたり、更にリッチなPADをONすればスーパーゴージャスなサウンドにプレイヤーのテンションもONに!
演奏中に音色変化する演出やディレイやリバーブもすぐに操作可能。エフェクトも演奏の一部として、ピアノにディレイをかける手法が再来しそうです!マスターEQもライブでの対応にすぐ手が届きますし、音色作りにも活用できます。
ピッチベンドを操作するレバーは左右に動かすタイプが多いですが、CP88 / CP73 はプレイヤーの演奏姿勢を考慮した斜め上下ストローク仕様。ピッチベンドホイールの発展系と捉えると違和感なく操作出来ました。
欲しい音をすぐに作れ、鍵盤タッチも余す事なく表現出来るという事はプレイヤーが完全燃焼できる、聞き手に伝わる音楽表現が可能になります。
エレクトリックピアノのアイデンティティ!73鍵モデルのCP73
CP88の機能をそのままに、73鍵バランスドハンマーアクション鍵盤を搭載したCP73。CP88に比べてやや軽いタッチで、エレピを演奏するのに向いています。鍵盤の最低音と最高音がE (E-to-Eレイアウト) になっているエレピの伝統的な仕様です。バンドで演奏する場合、ベースとギターの最低音が解放弦のEなので、見知らぬメンバーでセッションする時「とりあえずキーはEで」とスリーコード演奏したりアドリブ合戦が始まる事があります。私はそんな時「Eマイナーいっぱつで!」とお願いしてシャープ1つのEマイナーキーで演奏します。また、ベースが在籍するバンドの場合、ピアノがコードのルートを左手で弾かなくても大丈夫なので、73鍵あれば十分演奏出来るでしょう。
アップした可搬性と専用ソフトケースのすすめ
ステージピアノと言うからには、過酷なツアーに耐えらなければなりません。アルミニウム板を曲げて上下から挟んでいる本体は堅牢で軽量化し、可搬性もアップ!別売の専用ソフトケースがCP88 / CP73用にあり、しっかりしたキャスター付きでプレイヤーへの負担を軽減してくれます。スタジオに繰り出す際でもCP73はCPシリーズの中で断トツに軽い13.1Kg! 試しに持ち上げてみたら見た目よりも随分軽い印象です。どんどんセッションに出かけましょう!
メトロノーム機能が欲しいです!
私からのリクエストですが、Phones出力だけにメトロノームを出力できれば、ピアノソロやピアノ始まりのアンサンブルで曲を始める前にテンポ確認ができて安心です。また、一人でスケール練習する時にもメトロノームは大変重宝しますので、ピアノレッスンの現場にも導入しやすくなると思います。本体OSのアップデートで対応出来る事に期待します!
開発スタッフからの印象的なお話
(ヤマハスタッフ談)
今回、多くのミュージシャンに試奏して頂いたのですが、皆さん本当に楽しそうなんですよ! ピアニストが夢中に鍵盤を弾く姿を久しぶりに見ました—–
新生CPには「鍵盤を弾く楽しさ」についての再提案を感じます。多機能さやスペック性能での「便利な機材」だけでなく、「いい曲が作れそうな楽器」という、アーティストにとって最重要な部分をくすぐられた思いです。CP88 / CP73はステージピアノとしてのみならず、作曲に欠かせない楽器として名曲を生み出してくれそうです。
3月1日発売、本日から予約開始ですので初回生産分を手にしたい方はお早めにどうぞ!
記事内に掲載されている価格は 2019年2月25日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ