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近年、サラウンド/イマーシブ・スタジオだけでなく、ステレオ・ミックス環境でも導入するエンジニアやクリエイターが増えているサブ・ウーファー。サウンドエンジニア 遠藤淳也氏も、Neumannのサブ・ウーファーをスタジオに常設し活用しているエンジニアの一人であり、「サブ・ウーファー無しでのミックスは考えられない」と語ります。
今回は、IK Multimediaから登場したサブ・ウーファーiLoud Subを遠藤氏のホームグラウンドであるSTUDIO QUESTにてお試しいただき、プロの目線から見た驚きの性能や、現代のトラックメイカーにおけるサブ・ウーファー導入のメリットについて、より深くお話を伺いました。
サイズのコンパクトさを裏切る驚異的なパワーと、IKならではの自動補正の恩恵

Rock oN : 今回、IK Multimediaのサブ・ウーファー iLoud Subをお試しいただきましたが、第一印象はいかがでしたか?
遠藤 : まず、サイズのコンパクトさに対して考えられないくらいローが出たことにすごく驚きました。うちのスタジオでは普段、Neumannのサブ・ウーファー KH 750 DSPを使っているのですが、サイズはだいぶ違うのにパワー感はほぼ遜色ないですね。パッシブラジエーターがかなり頑張っている印象です。マンションなどの自宅環境だとかなり鳴ってしまうパワーですが、自動キャリブレーションアプリのARC X(https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/arc-x)上でレベルを下げて、自分の環境でのギリギリを狙って調整していけば、十分に自宅でも使えると思います。
Rock oN : iLoud Subには自動音場補正機能が搭載されています。使い勝手や精度はどうでしたか?
遠藤 : サテライトスピーカーを問わずに自動補正をかけて、クロスオーバーを取ってくれるのは画期的です。初期設定では80Hzくらいでクロスオーバーが設定されるのですが、そこからマニュアルでポイントを動かすと、補正も自動的に追従して変わってくれるんです。1回1回測り直しをしなくていいのは本当に素晴らしい。実際に自動補正を入れて聞き比べましたが、サテライトとのつなぎが本当にスムーズで、余分なローが出ていない感じがしました。IK Multimediaは「T-RackS」などのプラグインメーカーでもありますし、加えて、プロフェッショナルなスピーカーも作っていますから、そのデジタル技術の恩恵がしっかり現れていると感じますね。

※キャプション : 左がNeumann KH 750 DSP、右がIK Multimedia iLoud Sub
トラックメイカーにこそ使ってほしいローエンドの「見える化」
Rock oN : 今回のiLoud Subは価格が約10万円ということで、個人レベルでも導入しやすい設定になっています。
遠藤 : そうですね。20万円を超えてくると、個人の制作環境に導入するのも難しくなってきますが、この価格と小スペースに収まるサイズ感は非常に魅力的です。僕はミックスエンジニアが買うというよりも、作家さんやトラックメイカーなど、自分で曲を作っている人にこそ使ってほしいと思っています。
Rock oN : それはどういった理由からでしょうか?
遠藤 : 特にダンスミュージック系はキックのテイルの処理や、ベースのリリース感が重要になりますが、サブウーファーがあるとないでは、音の仕上がりが全然違います。作家さんから送られてきたミックスに対して「もっとサブベースを上げてくれ」とリクエストされることがたまにあるんです。でも、低域がちゃんと見えないヘッドホンなどの環境で作っていると、体感として感じるまで過剰に出してしまう危険性があります。クラブなどの現場で鳴らした時に、40Hzや50Hzのキックが全部繋がって飽和してしまうこともあり、ダンスミュージック的には非常に危険です。だからこそ、音作りの段階からローのテイルが見えやすい環境で作る方が、結果的にお互いにとって良い作品になるはずです。
Rock oN : なるほど。低域のマネジメントが制作の初期段階から正確に行えるわけですね。
遠藤 : ええ。それに、自宅作業などで小さい音量で作業を続けると、どうしてもサテライトだけでは低域が聞こえなくなってきます。でも、小さめの音量でもサブウーファーが鳴っていると、トータルでの心地よさが全く違うんですよね。
名機「NS-10M Studio」ユーザーにもおすすめの理由
Rock oN : 既存のシステムにプラスするだけで大きな恩恵がありそうですね。
遠藤 :少し極端な例をあえて言うと、ベテランクリエイターが今でも信頼を寄せているYAMAHA NS-10M Studio(テンモニ)を使っている人にもすごくいいと思います。ご存知の通り、テンモニは低域が弱く、その代わり中域のバランスを見るのに優れていますが、キャラクターが強いのでメインスピーカーを変えると環境が激変してしまいます。しかし、iLoud Subを足すだけで、テンモニのキャラクターのまま世界が変わります。テンモニ特有の「50Hz以下はサバを読んで作業する」という謎の能力を使わなくて済むので、脳に与えるストレスがなくなりますよ(笑)。専門学校の若い世代から、長年テンモニを使っているベテランユーザーにまで、ぜひ試していただきたいですね。
Rock oN : それはどういった理由からでしょうか?
遠藤 : 特にダンスミュージック系はキックのテイルの処理や、ベースのリリース感が重要になりますが、サブウーファーがあるとないでは、音の仕上がりが全然違います。作家さんから送られてきたミックスに対して「もっとサブベースを上げてくれ」とリクエストされることがたまにあるんです。でも、低域がちゃんと見えないヘッドホンなどの環境で作っていると、体感として感じるまで過剰に出してしまう危険性があります。クラブなどの現場で鳴らした時に、40Hzや50Hzのキックが全部繋がって飽和してしまうこともあり、ダンスミュージック的には非常に危険です。だからこそ、音作りの段階からローのテイルが見えやすい環境で作る方が、結果的にお互いにとって良い作品になるはずです。
Rock oN : なるほど。低域のマネジメントが制作の初期段階から正確に行えるわけですね。
遠藤 : ええ。それに、自宅作業などで小さい音量で作業を続けると、どうしてもサテライトだけでは低域が聞こえなくなってきます。でも、小さめの音量でもサブウーファーが鳴っていると、トータルでの心地よさが全く違うんですよね。

気になった点とこれからの音楽制作への期待
Rock oN : 逆に、使っていて気になった点や改善してほしい点などはありましたか?
遠藤 :音質や機能は素晴らしいのですが、Bluetoothとリファレンスを切り替えるスイッチが本体の背面にあるため、手元で操作できず、少し不便に感じました。制作中にBluetoothでリファレンス音源を流して確認したい場面は多いので、アプリ上から切り替えられるといいですね。あとはパソコンと繋いで補正をかけるための、付属USBケーブルが少し短かったことです。サブ・ウーファーは足元など見えないところに置くことが多いので、本体を設置したまま調整がしやすいように、もう少し長いケーブルが最初から付属してると、細かな点ですがありがたいです。
Rock oN : 最後に、iLoud Subを検討している方にメッセージをお願いします。
遠藤 : 率直に言って「すごいいい機材だな!」と思いました。低域がしっかりと見えるようになると、キックなどを選ぶのも楽しくなり、音楽を作るのがもっと楽しくなります。「洋楽のようなレンジ感の広い音作り」、「下がしっかり出ているからこそ上が派手に聴こえるような音作り」を目指す方にもぜひ導入してみてほしいですね。
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記事内に掲載されている価格は 2026年6月3日 時点での価格となります。
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