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まず初めにDolby Atmos用のモニタースピーカーを選ぶ際に7.1.4chの場合はモニタースピーカーはすべて同じモデル、サイズ、パワーが推奨されています。全てのモニタースピーカーを統一することで、スピーカーとの距離や出力レベルの調整が揃えやすく理想的な環境が整え易いからです。ですが、恐らくこの記事をお読みの皆様の中には既にステレオ用のモニタースピーカーを持っていらっしゃる方が多いかと思います。ステレオ環境と、Dolby Atmos環境とで使い分けをされるという方もいらっしゃると思いますので、あくまで推奨は全モデル揃えることですが、ステレオ用に1ペア、Dolby Atmos用に1セットとしてご検討頂いても良いかと思います。
それでは実際にモニタースピーカーをピックアップして、組み合わせと、そのメリット、デメリットをご紹介していきましょう!
YAMAHA MSP3A /「MSP3」の後継機種/ 2way バスレフ型パワードスピーカー
まず小型で且つコスト的にも魅力なYAMAHA MSP3で11chの構成を練ってみます。前回のスタンド編で述べましたが、クランプやアームにモニタースピーカーを設定する場合専用の取り付けブラケットが必要な機種がありますが、このMSP3はまさにそれです。YAMAHA BMS-10A というブラケットが必要になります。MSP3の取付場所は底面に2点のねじ穴があり、そこにYAMAHA BMS-10Aを取り付け、クランプ(に着けたスピゴットの先の3/8インチネジ)と接続します。なおスピーカー自体の機能は非常にスタンダードです。EQ補正、ディレイやレベル調整は対応しているI/OやDolby Renderのアプリ上で行う必要があります。
コスト的に魅力的で且つサイズもコンパクト、安心できるサウンドクオリティなので、最初のチョイスとして良いと思います。
メリット:低コスト、コンパクト
デメリット:専用のブラケットを選ぶ必要がある
Focal Alpha Evo 50 / 汎用性と高性能を提供するアクティブ 2ウェイ・ニアフィールド・モニター・スピーカー
ややサイズが大きくなり、本体の重量もあるので、クランプでの取り付けは注意が必要になります。ですがサイズが大きくなる分、中域、低域の再生レンジも広がり、低価格ながらも充実した環境を構築することができるかと思います。なお本製品の注意点は、ネジの取り付けが背面にあります。その為スタンドや、パイプでの取り付けの際は、スピーカー本体がスタンド当たってしまうことがあり、やや工夫して取り付けをしないと角度も自由にできないのが難点です。(底面にネジ止めできる方が、設置位置の自由が効く、しかし重さによる負担も大きくなるので、強固なクランプが必要)また本体サイズが大きくなる分、部屋の天井高さなどもしっかり考慮しなければならないので、これも注意点が必要になります。
メリット:低コストながらもレンジは広い
デメリット:設置位置に工夫が必要、部屋の寸法を測っておく必要がある
Focal SHAPE 40 / 二つのラジエーター、新開発のウーファー/ツイーターを搭載
先ほどのAlpha Evoに続いて、同ブランドのSHAPE40は上品なサウンドに加えて、非常にコンパクトなサイズ感が魅力的です。SHAPEシリーズは底面にブラケットの取り付けが可能になり、設置面でも専用のスタンド編で紹介した9.SOLUTIONS セイバークランプ with ソケットとGINICHI GB0069があれば本体に直接取り付け可能。非常にフレキシブルに取り付けができるのがSHAPE40の魅力的な要素かと思います。また底面の取り付けだけでなく、背面にもブラケット取り付けのねじ穴がありますので、トラスやスタンド以外の壁への取り付けも検討することが可能です。臨機応変に設置位置が決められるのは大きなポイントかなと思います。
メリット:小型で取り付けが容易に行える、必要パーツが少ない
デメリット:
・ややスピーカー重量あるため、設置にはご注意ください。
・背面のEQ調整はクリック式ではないため、基本フラットに固定するのがオススメ
IK Multimedia iLoud MTM / 付属のARC測定マイクによる自動音場補正が可能な高解像度のコンパクト・リファレンス・モニター
コンパクトだけれどもレンジは広い、そしてで今シブセットとして渋谷店に展示中のNEUMANN KH80 DSPや前述のFocal Shape40と同じく底面にマイクネジがあるので取付けも簡単。非常にフレキシブルに設置が可能なモデルになっております。しかも本体の重量もあまりないので、天井への設置も気軽にできるのではないでしょうか。さらにiLoud MTMは専用のARCマイクを使用し、スピーカーの補正も可能。また本体の背面で、ハイパスフィルターも搭載しているので、サブウーファーとのクロスオーバー設定なども行える点は魅力的です。価格は11本揃えると70万弱ぐらいと少しお値段が張りますが、使い勝手面で考慮すれば非常にメリットの多いモニターではないかなと思います。
メリット:
・小型で取り付けが容易に行える
・必要パーツが少ない
デメリット:マイクでの補正機能はあるが、サラウンド対応になっていないため、1本日行う必要がある。(サラウンドシステムでの設定は非対応)
GENELEC 8320APM / SAMシステムにより、モニターの精度が飛躍的に向上する、今最も最先端を行く柔軟なモニタリング・ソリューション
小型でかつパワーもあるモニターといえばGENELEC 8320シリーズ。本製品は小型ながらも取り付けも容易で、底面にマイクネジ径で、いわゆる通常のマイクスタンドなどでも設置が可能です。もちろん壁や天井に取り付けがさらに83xxシリーズはDSPが内蔵されており、GLMによるモニターの補正もアプリケーションにて制御が可能です。そして何よりGLMのアプリでも11ch + サブウーファーもLANでカスケード(LAN HUBは使用NG)していくことで、全て認識され、しっかりと1本ずつ測定をすることが可能です。かなり理想的なイマーシブ環境を整えれるのは非常に魅力的ではないでしょうか。お値段は少々張りますが、理想的で且つパワフルな今シブ環境を組み立てれるでしょう!ちなみにグレー、LAWカラー塗装無しのシルバー色、ブラック、ホワイトとカラーバリュエーションもありますので、お部屋の色合いにも合わせてオーダー可能です
メリット:
・小型で取り付けが容易に行える
・必要パーツが少ない
・GLMに対応したサブウーファーのラインナップもあるため揃えやすい
デメリット:お値段少々張ります
NEUMANN KH80 DSP / KHシリーズ初となるDSPを搭載、4インチ+1インチ、120W+70Wの高効率アンプ
こちらも小型ながらもパワフルで且つワイドレンジなサウンドが特徴です。当店でもサウンドに関しては評価も高く、音楽用途に限らず、MAや効果音系などで活躍されている方でも愛用されているモニタースピーカーとなっております。取り付けも専用ブラケットを駆使すれば、比較的フレキシブルに取り付けも可能で、設置に困ることも少ないかと思います。なお本製品にはDSPが内蔵しており、NEUMANNから出ている補正用のマイク「MA-1」を導入すれば、スピーカーの測定、調整が可能です。ただし、現時点では複数スピーカーの認証が行えず、ステレオでの補正のみになっているので、今後のアップデートが待ち遠しいです。
メリット:
・小型で取り付けが容易に行える
・必要パーツが少ない
・GLMに対応したサブウーファーのラインナップもあるため揃えやすい
デメリット:お値段少々張ります
サブウーファーについて
サブウーファーにはNEUMANN KH750 DSPやGENELEC 7350APMスマートサブウーハーなどのトータルソリューションで展開されているものと、他のスピーカーとも組み合わせられる汎用性の高いものがあります。同一ブランド/同シリーズが望ましいとされていますが、再生させる周波数帯域が狭いためモニタースピーカーほどサウンドの違いは出ないため、まずはご予算と用途に合ったものを選ばれると良いと思います。Rock oNでは相性など含めトータルでご提案しますので、ぜひご相談ください!