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16
Jun.2025
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日本工学院専門学校のNeumannパートナースタジオにて、エンジニア古賀健一氏と長谷川巧氏を招いてDolby Atmos ワークフローセミナーが開催!

先日、日本工学院専門学校蒲田校にてゼンハイザージャパン主催で、エンジニア古賀健一氏と長谷川巧氏を招いて「Dolby Atmos ワークフローセミナー ~ Netflixコンテンツの制作フローを通じて学ぶ、最新のイマーシブオーディオ技術 ~」と題したセミナーが開催されました。


会場となった場所は日本工学院専門学校内に設立されたNeumannのパートナースタジオで、KHシリーズスピーカーによるDolby Atmosのシステムが構築されたばかりということで、Rock oNの記事でもご紹介させて頂いたところになります。

★参考記事

日本工学院専門学校に、Neumannパートナースタジオ設置!
〜KHシリーズによる、Dolby Atmosシステム導入秘話〜

本セミナーではNetflixシリーズ「Tokyo Override」 の制作フローを題材に、業界トップエンジニアが最新のミキシングワークフローを解説するということで、会場には最先端のイマーシブサウンドの構築メソッドを理解しようと大勢のエンジニアやクリエイター、コンポーザーの方々が詰めかけました。

そのイベントの模様をご紹介します。

講師プロフィール

古賀 健一氏 (Xylomania Studio LLC)
福岡県出身のレコーディングエンジニア、Xylomania Studio LLC CEO。
2005年青葉台スタジオに入社、2014年フリーエンジニアとして独立後、Xylomania Studioを設立。最先端の立体音響の制作を手掛け、スタジオ造りやホームシアターのコンサルティングも多数行う。世界有数の11.2.6.4chスピーカー設備を備えたスタジオでDolby AtmosやSony 360 Reality Audioの技術を活用し、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Ado、Official髭男dismなど、多くのアーティストの楽曲に携わる。

また、映画音楽やミュージカル、クラシックの分野でもその技術を発揮している。日本酒と城を愛し、酒蔵巡りを楽しむ一面も。音楽と音響の新たな可能性を追求し続けるエンジニアである。


長谷川 巧氏(Studio Arte)

千葉県出身。東放学園音響専門学校を卒業後、2003年に株式会社サウンドインスタジオに入社。2011年にフリーランスとして独立し、2023年に千葉県で「Studio Arte/スタジオアルテ」をオープン。現在、9.1.6chまで対応する設備を整え、ドラマや映画の音楽を中心に、ステレオからDolby AtmosまでのMixを手がける。主な作品に、大河ドラマ「青天を衝け」や第96回アカデミー賞を受賞した「ゴジラ-1.0」などがある。

「Tokyo Override」 のセッションを題材に、Dolby Atmosミキシングのワークフローを解説

まず今回のスタジオのモニターやルーティングのシステムを紹介。KHシリーズのモニターの7.1.4chシステムで組まれ、NeumannのオーディオインターフェイスMT 48で制御。その上で測定用マイクMA 1で、環境に最適なDSP補正によるモニターアライメントを実施。

「マイクは芸術的表現の一部でクリエイターが音を創造するための一部。それに対してモニタースピーカーは「電気信号の客観的測定値であるべきで、適切なリスニングポジションで正確なサウンドを測定するための道具」というNeumannのポリシーに基づいて作られているということでした。

そして古賀氏と長谷川氏が劇伴音楽と主題歌のDolby Atmos Mixを手がけたアニメーション作品のNetflixシリーズ「Tokyo Override」第1話の冒頭が流れました。100年後の近未来の東京を描いた近未来的な世界観を持つ作品で、3分ほどの間に5、6曲が流れるという豪華な冒頭シーンが迫力あるSEの効果とともに流れると、会場の優れた再生環境と相まって一気に臨場感と緊張感が高まりました。

ここからは会場のスクリーンにProToolsの画面でトラックの構成を見ながらワークフローを解説。


長谷川氏 : 音楽はProtoolsの9.1.6chトラックの固定オブジェクト。最終的に4ステム(64ch)に分けて納品しました。
音は動かしたりもしていますが、オブジェクトは一切動いていないデータです。


古賀氏 : これは最終的に効果(SE)やダイアログ(台詞)などと合わせる映像の方のミキサーさんの作業効率を上げるためにですね。かといってクオリティーが落ちてる訳ではありません。

どちらの音源がブタペストでレコーディング・・?

そして第一部の終わりには2人から簡単なABテストが。

古賀氏 : 今回3話までの弦楽器パートをハンガリーのブタペストでレコーディングされ、残りの4〜6話で使用される足りないパートは日本のアバコスタジオで録音しました。海外レコーディングした演奏をミックスできる貴重な機会に恵まれて、日本でのレコーディングも海外に引けを取らないように工夫しました。映像はOFFにして音だけ流しますので、どちらがブタペストで日本でレコーディングされた演奏でしょうか?

ということで流麗な弦楽器演奏による音源が会場に流れました。(正解は前半が日本で、後半がブタペスト)どちらも素晴らしい演奏とミックスで、参加者も予想しづらくほぼ半々に分かれるという結果に古賀氏も長谷川氏も喜びの様子でした。

Dolby Atmosレコーディング裏話

ここからはアバコスタジオでの「Tokyo Override」Dolby Atmos対応の劇伴レコーディングについての解説が。

古賀氏 : オンマイクは、Neumann U67やU87なんですが、これはお世辞ではなく私はU 89というマイクがすごい好きで、青葉台スタジオには2本あったのでよく使ってました。ラージダイアフラムに見せかけたスモールダイアフラムのマイクで、音が弦に合うので好きなんです。

古賀氏 : (Dolby Atmosシステムのために)レコーディングするときはマイクは本数を(多く)立てておいた方がいいですよね。そしてこれをやる時に1人では無理なんですよ。細かいマイクの位置を監視してレベルを取り、譜面をめくり、進行をアシスタントに指示するというのはかなり大変なので、2人いるとどちらかをカバーできるのですごくいいんですよね。前に360 Reality Audioのレコーディングをやった時は3人でやりましたし、この間もDolby Atmosレコーディング用のマイクを立てるだけにレコーディング現場に行ったりしました。だから今回長谷川さんがいてくれてすごくありがたかったです。

最後の締めの挨拶では、

古賀氏 : すごいいいサウンドチームが今回の『Tokyo Override』ではできたかなと思いますし、音楽エンジニアのコラボができているのも、僕としてもDolby Atmosの新しい可能性の一つかなと感じています。実際こんなに長い時間馴れ馴れしく長谷川さんと喋ってますけど、超先輩ですから(笑)

長谷川氏 : Dolby Atmosは始めてみたら絶対に楽しいし、やりたいことがいっぱいあるので、ぜひ世に広まっていけたらいいと思いますので、今後ともよろしくお願いします!

古賀氏と長谷川氏とのやり取りも軽妙で、現場での経験を踏まえた数々のレコーディングエピソードも面白く、参加者は熱心にお二人の解説を聞き入ってました。

大勢の来場者が、Dolby Atmos試聴体験や懇親会にも参加

当日はメインの会場では入りきらず隣のブースまで入るほど大勢の来場者が集まり、Dolby Atmosミックスの関心の高さを感じました。

セミナー終了後もKHスピーカーによるDolby Atmosシステムで音源を視聴したり、別会場で開催された懇親会で古賀氏や長谷川氏と参加者が交流したりと、終始和やかな雰囲気のセミナーだったのが印象的でした。

今後も日本工学院専門学校のNeumannパートナースタジオでは、様々なイベントの開催が予定されていますので、気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

★Netflixシリーズ「Tokyo Override」独占配信中!


★次回予告

Dolby Atmos 実践で体感!Neumannで学ぶイマーシブMIXスタートアップ講座

Rock oNのイマーシブ講座でおなじみ、バウンス清水が講師を務めたセミナーの模様をお届けします!

●製品情報

・KH 150
驚異の低域性能と卓越の解像度を誇る、DSPコントロールによる2ウェイパワードモニター 1ペア

KH150
KH 150は、パワフルな2ウェイパワードのスタジオモニターで、リファレンスクラスのパフォーマンスを誇ります。バスレフキャビネットに搭載された6.5”ウーファーは、驚異的な低域性能と優れた最大SPL、変わらぬ明瞭度を発揮。DSPコントロールによるエレクトロニクスが優れた線形位相応答を実現するほか、Neumannの革新的なMA 1自動モニターアライメントにより、どんな部屋でも最適なキャリブレーションを実現します。

NEUMANN
KH 150 EU/KR 1ペア
¥550,000
本体価格:¥500,000
8250ポイント還元

・KH 120 II
次世代のモニタリング

KH 120 IIは、高く評価された前モデルと同じコンセプトに基づいていますが、全てのパラメーターにおいて性能を向上させるために完全に再設計されています。より深い低音、より高いSPL能力、より優れた解像度。内部DSPパワーにより、ノイマンの革新的なMA 1 Automatic Alignmentによる位相リニアクロスオーバーと室内適応アライメントが可能です。44Hzから21kHz(±3dB)までの極めてリニアな周波数特性を有していて、位相特性もリニアになります。そのためクリアな中音域と驚異的な透明感、そして時間領域における極めて高い精度、すなわち正確なインパルス再生と繊細なリバーブ再生を実現します。

00000184_main
・KH 80 DSP(1pair)
NEUMANN KHシリーズ初となるDSPを搭載、4インチ+1インチ、120W+70Wの高効率アンプ
・コンピューターモデリングによるキャビネットの設計と低共振材料(LRIM™)の採用
・最適化された指向性コントロールにより、あらゆる環境下でも優れたディテールを採用
・iPad®アプリのNeumann.Control、もしくはMA 1ソフトウェアを採用することでリスニングルームに合わせた音場調整が可能。

KH 80 DSPは、コンパクトなDSP搭載2ウェイパワードニアフィールドモニタースピーカーです。デジタルコアを用いてフィルタリングやルームアジャストメントを自在に行えるため、どんな環境でもリファレンスクラスのサウンドを実現できます。

NEUMANN
KH 80 DSP(1pair)
¥152,460
本体価格:¥138,600
1525ポイント還元

・KH 750 DSP
DSPエンジンが出力を最適化しリファレンスクラスのサウンドを実現。 iPad用コントロールアプリにも対応したNEUMANNサブウーファー
KH750DSP

KH 750 DSPはスタジオ、ブロードキャスト、ポストプロダクションにてトラッキング、ミキシング、マスタリングなどの使用用途を想定しています。コンパクトな設計ですので、ホームレコーディングやブロードキャストスタジオなど限られたスペースには最適です。

・コンパクトなキャビネット
・DSPエンジンが出力を最適化し、リファレンスクラスのサウンドを実現
・システムのセットアップ、調整、操作を行うためのiPad用コントロールアプリ®に対応

NEUMANN
KH 750 DSP D G
¥286,000
本体価格:¥260,000
4290ポイント還元

関連記事


レコーディングエンジニア古賀健一氏が、360 Reality Audioのワークフローを紹介!


ノイジークロークが語る、Neumann KHシリーズ導入秘話
〜ゲームサウンドにおけるDolby Atmosの可能性〜


カプコン・サウンドプロダクションエンジニアが語る、Neumann KH 150の導入効果

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Neumannスピーカーで作るDolby Atmosの可能性
〜エンジニア米津裕二郎インタビュー〜

記事内に掲載されている価格は 2025年6月16日 時点での価格となります。

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