第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!
ロックオンカンパニーのメールマガジンにてモジュラーシンセの連載をスタートして以降、こちらLA Graffitiがすっかり開店休業状態になってしまいました(汗)。ひさ〜しぶりの今回はそのモジュラーシンセの話題です。
モジュラーシンセのセミナーは実際の音作りや新しいモジュール、あるいはこのコラムの読者の殆どが日常的にお使いであろうDAWとモジュラーシンセの連携等について書いています。今回こちらのコラムには、そういう実際のTipsとは違うLAでのモジューラーシンセカルチャーについて書こうと思います。「LA」と言っても実際はものすごい広い範囲の事を指しているんですよね。日本でしばしば報道される「ロサンゼルスで山火事が、、、」みたいなニュースって実際には僕が生活しているウエストLAからは車で数時間の場所で、確かにロサンゼルスには違いないのですが、僕や日本からの一般旅行者が訪れる範囲からはかなり離れているんですね。
話が脱線しますが、地下鉄や電車も一部にしかないそんなだだっ広い街でかなりの住人が移動には自家用車を使っています。部分的に片道6車線〜7車線あるLAのフリーウエイはそれでも朝夕は必ず渋滞します。昨年に引き続き、2016年も全米で渋滞ワースト1位の街という冠を戴いてしまいました(涙)。
Analogue Heaven
そんなこの街にモジュラーシンセの専門店が4つあります。そのうち1店舗は車で3時間以上かかるので一度しか行った事がありませんけど(笑)。その中で僕のアパートから一番近いAnalogue Heavenというお店に時々行きますが、いつ行っても壁のようなモジュールラックの組み込みしてるんですよ!毎度「それお客さんの?」って聞くと(まあ、この質問も如何なものかとお思いでしょうがアメリカでは雑談は非常に重要なコミュニケーションの一部なので毎回聞くわけですね!)「そうなんだよ、これからモジューラーシンセを始めるお客さんのラックさ。」と店長のショーンが説明してくれたりするわけです。この壁のようなモジュラーシンセっていったい誰が使うんだろう??と思うんですが、知り合いから聞いた所によるとIT系のすご〜く余裕のある方達が家具のような感覚でお買い求めになられるようです!確かにモジュールシンセの大きいシステムって壮観だし、音を出さずともカッコイイですからね!
MODULAR ON THE SPOT
さてそんなモジュラーシンセユーザーが多いLAですが、今日紹介するのはモジュラーシンセの最先端インディーズシーン、MODULAR ON THE SPOTです。これが屋内ではなくて毎回野外なんですよ。それもLA Riverのほとりと言おうか、なんといおうか、、、開催場所は毎回緯度経度で通知されますので、それをGoogle Mapに入力すれば場所が表示されます。勿論車がないと行けないような場所です。彼等が「SNSでこの活動を広めて欲しいのは確かなんだけど、この場所はすごく大事にしたいので住所を特定できるようなインフォメーションは公開しないで欲しいんだ。」と言っていたので僕もそれを尊重して具体的な住所はここに書きません。会場近くまで来たらこんな目印を探してください(笑)。
暗くなってから場所を特定するのはちょっと難しいと思うので、初めて行く場合は日没前に現地に着くようにした方がよいと思います。日が暮れていく間にモジュラーシンセのみのパフォーマンスをぼんやりと聞き入るわけですね。最近は日が落ちてもそれほど寒くないのでゆったりと楽しめます。それと河原と言ってもコンクリート敷の場所ですが、結構デコボコした場所なので敷物を持参した方がお尻は疲れないと思いますよ。さらに女性は膝掛けがあればバッチリでしょう。
Slyler King’s Playlist
彼等はInstagram等のSNSも使っています。Instagramにて”modularonthespot”で検索すればすぐに見つかります。上記のAnalogue HeavenのスタッフのSkyler Kingもここでプレイしています。
[Instagram/modularonthespot]検索結果>>
彼のサウンドクラウドのプレイリストにModular on the Spotでの音源があるので是非聞いてみてください。こんな感じのパフォーマンスをLA Riverの河原??で繰り広げてるわけです。夕方スタートですぐに真っ暗になってしまうので、僕はSkylerがプレイしている事すら全く知らなかったのですが、お店に行った時に彼とModular on the Spotの話をしてたら彼も出演している事を知った・・・というわけですね。
それで不思議だったのがこんな野外の河原でどこから電源を引っ張ってるのか??という事なんです。ポーターブルな電源用のジェネレーターを廻すと音がしてうるさいだろうし・・・それでSkylerにその事を聞いてみたら、「高圧線から引っ張ってくるんだよ・・・」と小声で教えてくれました(笑)。確かに高圧線というか鉄塔がすぐ近くにあってケーブルはその下から河原まで延びてはいたんですけどね・・・でもよくよく考えてみると、高圧線から電源引っ張れるのかな??・・・と。もしかしてSkylerのジョークだったのかもしれません。次回行ったら確かめてみますね!
会場のすぐ側
Moogfest
Modular on the Spotの活動はこの場所だけはなくて、Moogfestにも参加しています。
このイベントは毎年行われているシンセのイベントですね。僕は残念ながらまだ行った事はありません。でもスケジュールみるとシンセ好きのお祭りですね!
ホテルの屋上で朝の9時のMoga(Moogヨガの略ですね!どんな感じなんでしょうね?)から始まり一日中シンセ絡みの発表やパフォーマンスで一杯の4日間。フジロックが全部シンセみたいな感じなんでしょうかね?今年はノースカロライナと言って東海岸で行われるので行けませんでしたが、いつかは行ってみたいイベントですね。今年はロンドンをベースに活動されている日本人のスズキ・ユリさんも参加されるようですよ。
すぐに暗くなってしまいます。
Dark Modular Cases
最後にもう1つモジュラーシンセネタ。実は日本の仕事のために帰国する際に自分のモジュールを持ち歩きたいプロジェクトがちょくちょくあるので、フライトにちょうど良いケースをずっと探していたんです。それでSkylerに相談したら、LAのパサデナという郊外の街にモジュール用のケースを作ってくれる工房があるよ、と教えてもらいました。
Dark Modularという工房です。Dark Modularページ>>
パサデナはLAの中でも少し東海岸的な香りがする街です。うちの近所のベニス地区とは真逆のLAですね(笑)。ここに頼めば国際線で持ち歩き可能なサイズを作ってもらえるよと言われたので近々尋ねてみようと思っています。電源の組み込みまでしてあるのはやっぱりいいですね。アメリカだとモジュラーシンセ用のパーツは通販であれこれ手に入るのですが、電源周りはやっぱり自作するのは心配なんですよね。この工房もInstagramを使っていますから、darkmodularcases で検索してみて下さい。過去にデリバリーしたケースが見られます。
[Instagram/darkmodularcases]検索結果>>
電源元?
こちらもご覧下さい。
記事内に掲載されている価格は 2016年7月6日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ