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東京・恵比寿にあるSONOLOGIC DESIGNのre:voix studioスタジオにて「SONOLOGIC DESIGN × SENNHEISER スタジオ&ヘッドホンHD 480 PRO試聴会」が開催されました。


SONOLOGIC DESIGNはゲームサウンド制作を中心に活躍する会社で、代表取締役である牛島 正人氏にはこれまでRock oNでもインタビュー取材や、LUSH HUBでのセミナーに出演して頂きました。

今回のセミナーでは牛島氏による効果音・音声収録・楽曲制作などゲームに必要なすべての音の制作工程についての解説や、Neumann初のオーディオインターフェイスMT 48や今年4月に発売されたSennheiserの密閉型ヘッドホン「HD 480 PRO」をこちらのre:voix studioスタジオに導入した経緯なども紹介されました。
当日はゲームサウンド・オーディオ業界のクリエイターやエンジニアなどが多数来場し、スタジオ見学やHD 480 PROのヘッドホン試聴会などが行われました。
ゲームのワークフローから生まれた収録スタジオ

牛島氏から、ゲームサウンドについて大きく3つに分けての解説がありました。
・ゲームサウンドがどういう風に作られているのか(制作期間、予算規模など)
・サウンド制作では、どんな工程でどういうステップを組んで作業しているのか
・サウンド制作ではどういったスタジオで作業しているのか
牛島氏「最近のゲームの制作期間は短くても3年、企画からリリースまでだいたい5年くらいが平均なのかなと感じています。その中でサウンドの制作は一人か二人で、弊社のような外注でオーディオ開発をする会社は大体制作のあたりから関わることが多いです。
実は音を作る作業は収録して音を作るのは30%くらいかなと思います。何に時間がかかるというと【実装】や【実機確認】といった部分で、ここでバグを潰していく作業が6割くらいを占めます。ゲームの規模はインディー、中規模、大規模と色々ありますが、求められる音の品質は変わらないです。外注受けをしている以上、外注受けしている我々も音の品質は一定の品質を保つ必要があります。」


こうした現状を踏まえてSONOLOGIC DESIGNではどういったスタジオを持っているのか、という解説がありました。
牛島氏「こちらのre:voix studioでは音声収録を目的として、声優さんのセリフを収録したりボーカルを録ったり、楽器を録ったりしています。 そのために収録した音が何の色付けもなくちゃんとモニタリングができる環境というのを目的として設計しています。 他のスタジオさんでは部屋鳴りだったり残響だったりというのが重視されるケースもありますけれども、 ゲームの音作りに関してはそういった空間演出というのはゲームの中で行われるので、波形データとしてはとにかくドライ音を録りたいというのが大きな理由になっています。
もう一つの横浜にあるse:design studioは、実装してゲームの音を確認したりDolby Atmos対応の7.1.4chの環境で確認するというのを主眼に置いたスタジオです。ここは『デジタルの音をデジタルのまま聞きたい』というコンセプトでスタジオを作っています。これについても理由がありまして、ゲームは今マルチプラットフォーム展開というのが標準になっています。携帯ゲームやPCなどいわゆるハイエンド向けのハードウェアでもリリースするということで、再生環境はヘッドフォンでアプリを使った人もいれば、サウンドバーのようなもので7.1.4chで再生する人もいたりと、アウトプットがバラバラになっています。それをデジタルデータとして自分が意図した正しいものが作れているかというのを確認するのがこちらのスタジオの目的となっています。」
スタジオ環境にMT 48とHD 480 PROを導入

牛島氏「今弊社ではサウンドデザイナーやレコーディングエンジニアを含めて15名いますが、スタジオ環境にはMT 48とHD 480 PROの組み合わせがスタンダードになっています。 メインのオーディオインターフェイスとしてMT 48を各PCや開発機に流して、モニターヘッドフォンとしてHD 480 PROを使用するというような環境です。
こちらのスタジオはコントロールルームが2つしかないので、15人のスタジオ人員に対してスタジオで音声収録をしていたりしてモニタリングできなくても、同じような品質で作業できる環境は構築したいと考えました。」



牛島氏はMT 48を導入した理由を次のように話していました。
牛島氏「MT 48は音質も全く問題がないですが、Dante対応しているというのが一番大きいです。7.1.4chだったり色々なアウトプットへの拡張性も高いですし、 デジタルもLANケーブル1本で対応できますので、そういう点ではコストパフォーマンスが非常に高い製品だと思っています。
例えばここのre:voix studioで作業したデータを横浜にあるスタジオの7.1.4ch環境で再生したいというときも、すぐに再生できるように互換性を持たせているので、 作業環境をスタッフ全員共通にするという意味でも利便性が高いと思っています。」

HD 480 PROを導入した理由については、次のように話していました。
牛島氏「ヘッドホンにHD 480 PROを導入した一番の決め手というのが、コントロールルームでモニタースピーカーで聞く音とほとんど同じ感覚で聞こえることです。私個人的にもここまで同じ感覚で聞こえるヘッドフォンというのはこれまでちょっとなかったですね。これは皆さんも後で実際に聞いていただければわかるのではないかと思っております。やっぱり作業環境とスタジオの品質を出来る限り同じ環境にしたいというのが大きな理由になります。やはりそこがブレてしまうと、特に低域の出方などに相当差があってそれを埋める作業などでやり直しが発生していました。 ただこのHD 480 PROを使って仕込むと、そういった作業はほとんどなくなりました。それぐらい同じ感覚でヘッドフォンも聞こえているというのが、本当に一番の理由になっています。
リファレンスがきっちり揃うということや時間の節約ができること、これらのメリットによって実装して調整してというゲームのサウンド制作のサイクルもどんどん早めていくことができることが、全体的な音作りの品質アップにも繋がっていくかなと考えています。」
スタジオにてHD 480 PRO試聴会も実施


セミナー後、参加者はMT 48経由で実際にHD 480 PROを試聴するスタジオツアーにも参加。SennheiserおよびNeumann製品を活用した制作環境を実際に体験できる機会として、多くの来場者が熱心に耳を傾けていました。スタジオで実際にモニタースピーカーとHD 480 PROとで流されるリファレンス音源を交互に試聴することで、HD 480 PROを体験。参加者の皆さんが様々なジャンルの楽曲を切り替えながら、熱心に聴き比べている様子が印象的でした。
私もHD 480 PROを実際に試聴させて頂きましたが、たしかにモニタースピーカーで再生された音声とかなり近い印象で、音の解像度だけでなくバランスや定位まで確認できたことが驚きでした。密閉型ヘッドホンによくある音の濁りなどは感じず、低域の細かいところまできちんと捉えられる印象でした。
作品の規模に関わらず一定の高い水準を求められるゲームサウンド制作の分野において、SONOLOGIC DESIGNならではのスタジオ作りや機材選定に強いこだわりを感じました。それと同時にHD 480 PROやMT 48といった新しい製品にも全幅の信頼を寄せていることも強く感じました。
大勢が関わるプロジェクトにおいてヘッドホンでの作業とスタジオでのモニター環境を出来る限り近づけたい、同じにしたいという試みはゲームに限らず様々な分野で改善に向けて取り組まれている課題かと思います。今回のセミナーがそうした理想的な制作環境作りの一助になれたらと思いますし、HD 480 PROなどの製品が気になった方は、ぜひRock oNに足を運んで実際に試してみてはいかがでしょうか。
製品紹介
HD 480 PRO
密閉型ヘッドホン

HD 480 PROクローズドバックスタジオヘッドホンは、スタジオでも外出先でも、集中力と自信をもってクリエィティブな仕事に取り組むことを可能に。複数段階のパッシブ遮音構造と卓越した振動減衰システムを特徴とする革新的なクローズドバックデザインは、オーディオ信号の完全性を維持し、真実のみを伝えます。

色付けのない正確な周波数特性で優れたサウンド再生を実現し、継続的に動作する独自の振動減衰システムは歪みを低減。反射音を除去することで、ミックスの最も微妙なニュアンスが確保されるため、複雑なアレンジのバランスをとる場合でも、ローエンド要素を改良する場合でも、自信を持って意思決定を行うことができます。
HD 490 PRO
開放型ヘッドホン

HD 490 PROは、ゼンハイザーの数十年にわたるエンジニアリングと研究開発からドイツで入念に設計され、ルーマニアにてハンドメイドで仕上げられた耐久性の高いデザインを採用。ハニカム構造によって驚くほどの堅牢性と開放感を兼ね備えています。
オープンバック設計により、極めて幅広い立体的な防音スタジオと超高精度サウンドの再現を実現し、オーディオの盲点を排除してあらゆるディテールを完全にコントロールします。
MT 48
デジタルワークフローにNeumannクォリティをもたらす、プレミアムオーディオインターフェイス
MT 48はリファレンスクラスのパーソナルスタジオ向けに完全装備されています。最大78dBゲインを備えた2系統の超低ノイズのマイク/ラインプリアンプ、2系統のライン/インストゥルメント入力、4系統のモニター/ライン出力、2系統の優れたヘッドホン出力、これら全てに最先端のAD/DA コンバーターが搭載されています。
オンボードプロセッシングには、4バンドフルパラメトリックEQ、チャンネル毎の3-wayダイナミクスプロセッサ(ゲート / コンプレッサー / リミッター)、高品質のリバーブが含まれます。これによりミュージシャンは最高のパフォーマンスのための感動的なサウンドを得ることができます。
●主な特徴
・リファレンスクラスの高分解能コンバーター内蔵オーディオインターフェイス
・直感的なタッチスクリーンインターフェイス
・4つの内蔵ミキサー、DSPプロセッシング(EQ、ダイナミクス、リバーブ)
・2系統マイク/ライン入力
・2系統ライン/インスト入力
・4系統アナログ出力(ステレオ)
・ADAT、S/PDIFによる拡張I/O
・トークバック機能を内蔵した4つの独立ミキサー
さらにデジタルワークフローにNeumannクォリティをもたらします。KHシリーズのスタジオモニターおよびNeumannヘッドホンにも最適な、Neumannマイクロホンのフルダイナミックレンジを捉える、クラス初のオーディオインターフェースです。その結果、制約のない理想的なシグナルチェーンが得られますので、マイクロホンのダイアフラムからあなたの耳に到達するまで、妥協のない音質を提供します。
MT 48の接続性はADAT / S/PDIFおよびAES67を介して拡張可能で、MIDIインターフェイスも統合されています。4系統の独立したモニターミックスは、タッチスクリーンを介して本体で直接コントロールできます。
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