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「コンデンサーマイク」とは何に使うものかご存知でしょうか・・・?また名前は知っていても、実際にどんな原理があってどういった特徴を持つものか、わからない方も多いと思います。
より繊細に音を捉える性質を持つコンデンサータイプのマイクロフォンは、専門的なボーカルや楽器録音、ナレーション収録に使われることが主流でしたが、最近は自宅でのZOOM配信や動画配信でのナレーション収録やゲーム実況といったナレーション収録に、高音質のマイクロフォンを求める方がとても増えています。そうした需要の増加を受けて、各メーカーから手軽に使えてコストパフォーマンスの高いUSB接続型のコンデンサーマイクの新製品も多数発売されています。
今回は「コンデンサーマイク」の基本的な動作原理を紹介した上で、お求めやすい価格帯で自宅でのボーカルやナレーション録音などに使える優れた性能のコンデンサーマイクを幅広くご紹介します。
※2023年度版として新製品を追加したり、価格改定などで値上げした製品などを整理しました。
コンデンサーマイクの動作原理について
そもそもマイクロフォンとはどういう仕組みなのでしょうか・・・?
簡単に言うとマイクロフォンは「空気の振動を電気信号に変える変換器」のことで、マイクロフォンの本体内部に、音をキャッチする振動板(ダイアフラムといいます)が内蔵されていて、この振動板の動きを電気信号に変えています。
主に使われているマイクロフォンの代表的な機種として、ダイナミックマイクとコンデンサーマイク、リボンマイクの3種類があります。主な違いは下記になります。
●3種類の動作原理で得られるマイク特性
3種類の動作原理で得られる音質的な特性をみていきましょう。全ての製品に当てはまる訳ではありませんが、あくまでも動作原理からみた一般的な特性の参考としてご理解ください。
ダイナミックマイク | コンデンサーマイク | リボンマイク | |
---|---|---|---|
機器構造 | ダイヤフラムのコイルの振動、磁石による電磁誘導にて検出 | ダイヤフラムととバックプレートにそれぞれ電極を設置し、その間の静電容量の変化を信号として出力 | コイルの磁界内で金属リボンを振動させた際の電磁誘導による電気出力を検出。 |
耐久性 | シンプルな構造の為、耐久性が高い。 | 非常に薄いダイヤフラムを持つため、慎重な取り扱いが必要 | 構造上リボン部分が重力の影響を受け変形してしまうので、垂直での保管が必須(※1) |
電源供給 | 無し | ファンタム電源供給が必要 | アクティブタイプのみ供給が必要、通常のリボンマイクに供給すると故障しますので注意! |
周波数特性 | 通常 | 広い | 広い |
マイク感度 | 普通 | 高い | 高い |
過渡特性(入力された音声に対して、出力が追従する精度の高さ) | 普通 | 早い | 早い |
音色の特徴 | 一定の周波数帯域にフォーカスしたサウンド | 全体的に広く、自然な音色 | ナチュラルサウンド、リボンマイクならではの質感 |
ダイナミックマイクとは「磁石によって作られた磁界の中でダイアフラムに取り付けられたコイルが振動を受けて動くことで電気を生み出す方式」です。電源を必要とせず、構造的に頑丈なのが特徴です。
リボンマイクは基本的にはダイナミックマイクの動作原理と同じ電磁誘導による信号変換ですが、ダイヤフラム部分の構造が異なります。
ダイナミックマイクのダイヤフラムは薄い振動板が採用される事が多いのに対して、リボンマイクの場合は薄い金属リボン(非常に薄い金属板)をマイクの上部からつり下げたような形状で設計されていて、この非常に薄いリボンが繊細に空気振動に反応できることで、わずかな振動も電気信号に変換する事が可能になります(この電磁誘導により出力される信号は非常に小さいため、リボンマイクでは信号をトランスで増幅するのが一般的です)
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●コンデンサーマイクの仕組み
それに対しコンデンサーマイクは「先に電気を流しておいて、ダイヤフラムに電圧を掛けることで、その動きにより電気の量を変化させる方式」です。
コンデンサーマイクのダイヤフラムはとても薄くて軽い金属膜で、ほんのわずかな音にも敏感に反応しますので、これにより繊細でリアルな音が広域から低域まで広い範囲で録音できます。これによってボーカルやアコースティックギターなどの生楽器が持つ「空気感」まで忠実に録音することが可能です。
このダイヤフラム部分をひとつの電極としてもう一方に固定の電極を設置し、外部から電源を供給することで、その回路内のコンデンサに電荷を蓄えます。そしてダイヤフラムに貼り合わされたバックプレート間の静電容量がお互いの距離の違いから変化するので、それを電気信号として取り出すことができます。
ですのでコンデンサーマイクには外部から電源を供給する「ファンタム電源」と呼ばれる仕組みで、電源をマイクに送る必要があります。
●ダイアフラム(振動板)について
ダイアフラムには、ラージ・ダイアフラムとスモール・ダイアフラムと2種類あります。
ラージ・ダイアフラムは膜の面積が広く張りが柔らかめになるので、振動を捉えやすく感度が良くなります。その反面、膜全体が大きいために均一に振動しないので、細かい振動を捉えるのが苦手で、高域の特性が落ちる傾向があります。
スモール・ダイアフラムは振動膜が小さいので感度が低くなり、細かい振動に反応するため、低域から高域までフラットな周波数特性を持っています。
●電源について
コンデンサーマイクに必要な電源をマイクに送る「ファンタム電源」は、ミキサーやオーディオ・インターフェースに備わっているもので、マイクにつなぐキャノン(XLR)・ケーブルを経由してマイクに電源を供給する仕組みです。
最近ではファンタム電源がオーディオインターフェイスにの入力ジャックに供給されていることが多いので、まずはお使いのインターフェイスに対応されているかをご確認ください。
例えばこちらはSteinbergのオーディオインターフェイスUR22mk2での電源供給の方法です。背面にある[+48V]スイッチをONにすると、正面の+48Vインジケーターが赤く点灯し、これでマイク端子に挿したコンデンサーマイクに電源が供給されることになります、
それとこの電源の入れ方・切り方に注意が必要で、必ず「マイクを挿す→ファンタム電源をON」「ファンタム電源をOFF→マイクを抜く」という順序で行ってください。そうでないとマイクの寿命が縮まったりマイクの特性が変わるだけでなく、破損したりする可能性まであります。
もしオーディオインターフェイスにこうした機能がなければ、外付けの電源やファンタム電源付きのマイクプリアンプが必要になります。
また最近増えているUSB型のコンデンサーマイクは、USBバスパワーによって電源が供給されるタイプのものです。
●注意点(保管方法、扱い方)
コンデンサーマイクは湿気と衝撃が大敵です。その理由は金属の振動板の特性が湿度によって大きく変わってしまうからです。レコーディングスタジオは完璧に湿度管理ができる専用ボックスで保管していますので、個人所有でも専用ボックスに、家庭用の除湿剤を入れて保管をする必要があります。
またコンデンサーマイクはとても繊細な構造をしているので、絶対にぶつけたりしないよう注意が必要です。わずかなショックで特性が変わってしまうことがあるタメです。
●セッティングのポイント
ショックマウント(サスペンション)
コンデンサーマイクは感度が良いので、わずかな音やノイズ、振動も集音できてしまいます。床の振動もマイクスタンドなどを伝ってノイズとして録音されてしまうので、それを回避するために「ショックマウント(サスペンション)」というアクセサリーを取り付けてスタンドに立てます。専用のショックマウントが用意されている製品もありますが、ない場合は、別途市販のショックマウントを用意する必要があります(購入の際はショックマウントの有無をご確認ください)
ウインドスクリーン(ポップシールド)
そしてボーカル録音時にもマイクに直接息がかかり「ボッ」というようなノイズが発生する「フカレ」が生じる場合があります。こうしたブレスノイズを防ぐために「ウインドスクリーン(ポップシールド)」が必要になります。ウインドスクリーンには金属やウレタンなど、様々な種類のものが発売されています。
リフレクションフィルター
自宅でのボーカル録音のコツは反射をいかに抑えるかです。吸音処理をしていない部屋だと響きが多いので、それをいかに減らすかにはリフレクションフィルターが効果的です。このリフレクションフィルターでマイクを囲むことによって部屋の形状がもたらす有害な反射音や、マイクに飛び込んでくるノイズを解消できます。
また外側から来る雑音のガードだけでなく、自分の声がこのリフレクションフィルターで吸音され、部屋に響きにくくするという効果もあります。
★参考動画:「自宅ヴォーカルレコーディング入門&大質問会」
エンジニア/プロデューサー飛澤正人氏が、自宅環境で使える実践的なボーカル録音のノウハウを伝授マイクのセッティングやモニター調整の方法まで幅広くレクチャーしてくれています。
コンデンサーマイク選びのポイント
ここでは用途別にどんな点に注意して選べば良いかをご紹介します。
1. 指向性タイプ
指向性とはマイクを向けた方向に対して、収録する範囲、マイクの感度が良い方向を表したものです。
指向パターンを適切に切り替える事で、よりイメージしたサウンドや必要なサウンドだけをレコーディングする事ができます。
こうした指向性を表示する図に「ポーラパターン」というものがマイクの製品紹介に掲載されていて、これはマイク(中心)がどの方向の音を捉えているのかを表す図になりますので、マイク選びの指標の一つとなります。
では代表的な指向性の3パターンを例にその違いを見てみましょう。
(ポーラパターンは指向性が切り替えられるC414 XLS-Y4を表示しています)
●単一指向
録りたい音源にマイクを向けて使うもので、ポーラパターンがハート型をしているので「Cardioid(カーディオイド)」と呼ばれます。
基本的に楽曲制作などでは、この単一指向のマイクが一番使用用途が多いです。
さらにその範囲を狭める超単一指向(ハイパーカーディオイド)などのマイクも存在します。左右からのかぶりもなく、一つの音源のみピンポイントで狙いたい時に収録することが可能です。
●無指向
マイクの正面、横、後ろなど、向きに関わらずダイアフラムに届いた全ての音を集音します。
レコーディングにおいてはルームサウンドを撮るときに使うことが多いです。
●双方向
マイクの正面に加えて背面の録音も可能なタイプです。二人が向かい合って歌う場合などに使われます。
指向特性を切り替えられるマイクにはメリットもありますが、同じマイクでも切り換えによって周波数特性が変わりますので、最終的にはトライ&エラーでベストな選択を探してください。
無指向 | 単一指向 | 双指向 | |
---|---|---|---|
多用されるシーン | •ボーカルレコーディング •アンビエント収録 |
•ボーカルレコーディング •楽器収録 |
•ボーカルレコーディング •ラジオ収録 •M/S方式のレコーディングなど |
収音する音源位置 | マイクの全方位 | •マイクの正面の音を収録する。 | •マイクの正面と背面の音を集音する |
メリット | •音源の位置が不特定の場合、音質変化が少ない •部屋鳴りなどの環境による音質変化を含めて録りたい場合 |
•部屋の反射音等をなるべく減らしたい場合 •狙った音源に焦点をあててレコーディング |
•向かい合って話す場合等 |
留意点 | 音の収録範囲が広いので、ハウリングがおきやすい | 近接効果 | 近接効果 |
2. マイク感度/センシティビティー
マイクの感度の事です。一定の信号に対する出力レベルを表しています。値が大きいほど、感度が高いと判断されます。
3. 出力インピーダンス
出力端子からみたマイクの交流抵抗値。オーディオ機材は基本的に抵抗値についてローインピーダンス出し、ハイインピーダンス受けが基本とされています。値が低いほどノイズが乗りにくい特徴があります。
4. 等価雑音レベル
マイク自身から発生するノイズレベル。言い換えれば、マイクで録音できる最小の音量レベルといえます。
5. 最大音圧レベル:SPL
入力に耐えうる最大音圧のレベルを表します。マイクは音源の目の前に設置をされることが多いのでこの数値が小さいと大音量のアンプや、キックの収録時にマイク本体で歪が生じてしまいます。また、耐圧の低いマイクは構造上もその音圧に耐えられないことが多いので最悪壊れてしまうことも有りますのでご注意下さい。
6. 周波数特性
マイクで収録可能な周波数の範囲です。
7. ダイナミックレンジ
どのくらい小さい音から大きい音までの収音が可能かを表す指標。
8. S/N比
信号量(signal)と雑音量(noise)のレベル比です。値が大きいほどノイズレベルが低くなります。
★参考記事
マイクの動作原理から考える、こだわりのマイク選び
Rock oNスタッフがホームレコーディングに必要な機材をご紹介!
初心者向けコンデンサーマイク(ラージ・ダイアフラム)のラインナップ
ここでは初心者向けコンデンサーマイクの、代表的な機種をご紹介します。
●USBマイク
LYRA(AKG)
Lyra-Y3は、本格的なレコーディングも可能な優れた音質を備えながらも極めて簡単に扱えるUSBマイクロフォンです。
音響機器に不慣れな方でも質の高いサウンドで収音ができるため、音楽制作はもちろん、ライブや対談の録音、動画制作でも活躍します。さらに指向性が4パターン(FRONT、FRONT & BACK、TIGHT STEREO、WIDE STEREO)切り替えられますので、様々な環境に合わせた収録が可能です。
モダンかつヴィンテージ感のあるデザインも、動画配信で使えばアクセントとして存在感を発揮しそうですね!
EleMentシリーズ(Mackie)
Mackieの次世代USBマイクロフォン「EleMentシリーズ」は、コンテンツ、音楽制作はもちろんのこと、最新のストリーミング配信や今まさに主流になりつつあるオンライミーティングまで高品位サウンドながら誰でも簡単にセットアップが可能で、コストパフォーマンスに優れています。Pro Tools | FirstおよびWaveformプロフェッショナル・ソフトウェアライセンスも同梱。届いたその日からプロフェッショナルレコーディングを楽しむことができます。
EM-91CU:USB B TYPE出力を装備し、誰でも簡単にPCやMacと接続、設定が可能なお手頃価格です。ボリュームやスィッチはあえて装備せず、シンプル設計になっています。
EM-USB:マイク入力GAINとMUTEスイッチ、ヘッドホン出力端子を装備し、アプリを使用せずともマイク感度の調整やヘッドホンボリューム調整など誰でも簡単にセットアップすることが可能です。昨年から値段も下がって、より手軽に導入できるようになりました。
Carbon:5種類の指向性パターンを選択可能なCarbonは、ボーカルレコーディング、複数名のWebミーティング、ステレオ録音、対面インタビューなど用途に合わせて設定変更することが可能です。さらにゲイン、ミュート、ヘッドフォン・ボリュームを実装し、マイクレベル、モニタリングレベルを瞬時に調整することができますので、より多くの用途で使用したい場合おすすめです。
Chromium:スタンド部分に2チャンネルミキサーを内蔵し、ギターやベースなどの楽器とステレオミニAUX入力が可能です!それぞれの入力ゲイン、マイクMUTEスイッチ、ヘッドフォンモニタリング、入出力のレベルメーターメーターとUSB/アナログブレンドコントロールを実装しています。さらに4種類の指向性パターンを選択可能なので、用途に合わせて設定変更することが可能です!
参考記事:Mackieが次世代USBマイクロフォン「EleMentシリーズ」を発売!
Revelator(Presonus)
Revelatorは3種類の指向性切り替え、ハイレゾ対応の24-bitコンバーター、Fat Channel DSPによるプロ・クオリティなサウンド、音声用特殊エフェクト、ループバックとミキサーを搭載した6ch入出力USBオーディオ・インターフェース機能、さらにDAWソフトウェア(Studio One Artist)や豪華なソフトウェア・スイートまでも付属しています。Revelatorには、スタジオ・クオリティのマイク・プリセットが8種類(放送用、ラジオ、ロボット、モンスター、エコー等)用意されています。
付属品も豪華で仕様も切り替えが豊富でお得感があります。ポッドキャスト、配信、ホーム・レコーディング、Meeting、OBSなどに最適ですね!
★参考記事:PreSonusがエフェクト、ミキサー、ループバックを統合した新世代のUSBマイクロフォン“Revelator” 発売!
ICON(Earthworks)
ICONは、単一指向性(カーディオイド)で、USB接続なので余計なソフトウェアなどの設定を必要とせずコンピューターと接続するだけで使用が可能です。本体背面には、マイクのボリューム調整用つまみ、ヘッドフォンやイヤフォン用の端子を装備。専用の卓上マイクスタンドが付属しているため、すぐに使用可能です。
独自の特許技術によって、マイクの正面以外の音声を大幅に減衰することが可能。環境音や、ルームメイト、共演者などの音声は収録せず、必要な音声だけを届けることができます。音楽制作やストリーミングライブ、ビデオ会議において強い味方になることでしょう。
従来のマイクのような味付けを最大限除去することで、同じ空間にいるかのように錯覚するほど正確に音声を収録します。またステンレス製の筐体は、部屋のノイズを減らすために開発され、あらゆる場面をよりエレガントに引き立たせます。
Earthworksは20年以上にわたり、コンサートホールやライブ・パフォーマンス、音楽スタジオのサウンドを作り上げてきた信頼性の高いメーカーですので、USBでも安定した音質が得られるのは嬉しいですね。
HypeMiC(APOGEE)
HypeMiCは、高品位カーディオイド・コンデンサー・マイクカプセルを採用し、最大24-bit/96kHzで録音可能、さらに3段階のスタジオ・クオリティのアナログ・コンプレッションを加えることのできるUSBマイクロフォンです。独自のアナログ・コンプレッションは、他のマイクでは決して真似できない質感をVocal、楽器、ナレーションなどに与え、その魅力を高めてくれます。
またBlend機能によりダイレクト信号(マイクからの入力)とソフトウェア再生(コンピューターからの出力)をミックスを調整し、ゼロ・レイテンシー・モニタリングを実現します。他にも三脚、ポップフィルター、専用ケースが付属しているのも嬉しいですね。地味にMicro-USBからの変換がUSB-C、USB-A、Lightningまで3種付属してるのも気が利いているワンパッケージになっています。
●エントリークラス(1万-5万円)
ここでは6万円までで買えるマイクで、ファンタム電源に接続するタイプをご紹介します。
SE2200(SE Electronics)
sE2200は受賞歴を誇るカーディオイド・コンデンサー・マイクロフォンの最新バージョンで、Amy Winehouse使用モデルの後継機になります。ボーカル、アフレコはもちろん、様々な楽器との相性も良く、その滑らかで洗練されたサウンドは sE Electronicsの評価を決定的なものにしました。ボーカルの存在感を押し出してくれ、オケの中にボーカルが埋もれてしまう事はありません。実力派やプロフェッショナルにはこちらがお勧めです。
ヘビーなエレキギター、パワフルなブラス、重いキックドラム等、音圧の高い楽器を含む幅広いソースへの対応と、音源にギリギリまでマイクを近づけるテクニックを可能にします。ボーカル用、楽器用、と長く使い続けられる信頼の1本としてお勧めです。購入時からショックマウントとポップフィルターが付属しているのもポイントです。
LCT240PRO(LEWITT)
2014年4月に日本市場に本格登場したLEWITT。音楽の都 ウイーンを本拠に、高音質かつ既存のマイクには無い、新しいアイディアが光るコスト・パフォーマンスに優れたマイクを次々と生み出していいます。
LCT240PROは、歌、楽器、ナレーションなど汎用性を極限まで高めたコンデンサー・マイクです。細かなニュアンスまで逃さないクリアーなサウンドが、基本となる用途すべてをカバーします。音質はミドルレンジのマイクに匹敵するパフォーマンスで、白モデルと黒モデルがあり、デザインも洗練されています。
基本となる用途すべてをカバーできてコストパフォーマンスが高く、音質もミドルレンジのマイクに匹敵するパフォーマンスです。ショックマウントが付属した限定パックもあります。
オーストラリアで設計/製造されたRØDE NT1-Aは、大口径ダイアフラム1インチ・カーディオイドコンデンサーマイクです。暖かさ、拡張されたダイナミックレンジ、明瞭さ、そして高いSPL性能を特徴としています。わずか5dBAの自己ノイズレベルは世界で最も静かなスタジオマイクとして広く認められています。この低ノイズにより、ボーカルマイクとして理想的なだけではなくギターとパーカッションの録音にも最適です。
ポップシールドとショックマウント、プレミアムな6mのマイクケーブル、ダストカバーなどが付属しています。
AT4040(Audio-Technica)
AT4040は世界的なロングセラーとなったAT4033aをベースに、最新のテクノロジーを投入して磨き上げた40シリーズの基幹モデルです。リファインされたDCバイアスタイプの大口径ダイアフラムがとらえる音はスピード感にあふれ、鮮烈かつナチュラルです。
低域特性、広いダイナミックレンジや目ざましい耐入力性能で、ボーカルから楽器までカバーし、オールマイティで使えるコストパフォーマンスの高いコンデンサーマイクです。
★参考記事:Audio-Technicaマイク6機種を比較試聴した動画を公開!
mini K87(Rosewell Pro Audio)
Roswell Pro AudioはRecording Hacksという古今東西のマイクのデータベースサイトの運営者であるマット・マクグリン氏の興したメーカーです。「ビンテージトーンのマイクを現代のワークフローに合わせる」ということでマイクを知り尽くしたマエストロが納得出来るベストなマイクを作りたいという思想が込められています。
mini K87はビンテージマイクの名機NEUMANN U87スタイルのカプセルを搭載し、単一指向で1.5インチのラージダイヤフラムを採用し、ナチュラルで色付けの無い音質が特徴です。
U87はレコーディングスタジオでも常設されている普遍的な人気を誇る定番コンデンサーマイクです。価格帯も異なるmini K87がどこまでその音に近づくことができたのか、実際にU87と比較してみた記事もありますので、是非ご参考に!
参考記事:Roswell Pro Audio mini K87と、Neumann U87Aiを徹底比較!
C-80(SONY)
ソニーのマイクロフォンといえばC-800Gなどに代表されるスタジオの定番レコーディング機材として多くのユーザーに愛用されていますが、C-80はそうしたこれまでの技術を受け継いでいます。
まず高音質で定評のあるC-100用マイクカプセルを踏襲。新たにC-80用マイクカプセルを開発し、バックプレートの音響インピーダンスを低減し、高感度化を実現しました。
また音源がマイクに近づくと、近接効果と呼ばれる低音域が強調される現象が発生するのですが、C-80はマイクカプセルの背面側にも振動膜を配置するデュアルダイアフラム構造により、C-100と同等レベルの近接効果抑制を実現しています。
さらにマイクボディにはC-800GとC-100から継承した「防鳴筐(きょう)体構造」を採用し、ボディの鳴きを低減することで濁り音を排除し、クリアな音を実現。
ボーカルや楽器、ボイスコンテンツを自宅で収音するのに適したコンデンサーマイクロフォンです。
参考記事:SONYが自宅録音に適した単一指向性コンデンサーマイクロフォンC-80を発表!
参考記事:ソニー C-80 深掘り秘話 〜ホームレコーディングに最適なマイクロフォンが生まれるまで〜
OC16(Austrian Audio)
Austrian Audioは、70年の歴史を持つAKGの技術・経験といった遺産を引き継ぎ、現代に必要なマイクを一番良い状態で作るというフィロソフィーで2016年にオーストリアで設立されたメーカーです。
OC16は、伝説的なCK12カプセルと同じクリティカル・ディメンションでデザインしたCKR6シングル・セラミック・カプセル、タッチノイズに強いオープン・アコースティック・テクノロジー、2段階のハイパス・フィルターを搭載し、ファースト・コンデンサーにも理想的な単一指向性マイクロフォンです。
ボーカル、アコースティック・ギター、ピアノ、管楽器、弦楽器、ドラムからエレキ・ギターまで、様々なソースに対応できるオールラウンダーに仕上がっており、プロ譲りのクオリティと堅牢性、数々の賞を受賞するAustrian Audioのラージ・ダイアフラム・サウンドをリーズナブルに手に入れることができます。
●ミドルクラス(6万-10万円台)
この価格帯になってくるとモデリングマイクの機能を持つものや、NEUMANNやAKGといった定番ブランドのサウンドを受け継いだり、コピーしたモデルなどがあります。いずれも安定感があり、さらに充実した本格レコーディングが楽しめるマイクロフォンばかりです。
ICON PRO
USB型マイクでも紹介したEarthworksのICONのXLR接続モデルがこちらのICON PROで、こちらはオーディオ・インターフェイスやミキサーと接続して使用するタイプです。
マイクスタンドに取り付けるためのカスタム・アダプターが付属しており、こだわりのボジションに配置することが可能です。
ICON同様、Earthworks独自の特許技術によって、マイクの正面以外の音声を大幅に減衰することが可能となり、高音質と手軽さを両立したスタジオ・クオリティのマイクロフォンです。
ML-1(SLATE DIGITAL)
ML-1はラージダイアフラム・コンデンサー・マイクロフォンですが、なんと言っても付属するVMR(ヴァーチャルミックスラック)用マイクモデリングモジュールと組み合わせ使うことで、クラシックマイクロフォンのサウンドを再現できます!
レコーディングに使用されるヴィンテージ・マイクロフォンの中には1台数十万〜百万という価格が付けられるものもありますが、Virtual Recording Systemではそういったクラシック・マイクロフォンやプリアンプが持つ唯一無二のトーンを再現!
自分に合うマイクロフォンを探したい人、歌以外にドラムやアコギなど様々な楽器のレコーディングに色々とコンデンサーマイクを試したい人にはおすすめです。
※VMR及びML-1用マイクモジュールのご利用にはiLok2/3(別売り)が必要です。
参考記事:Slate DigitalのモデリングマイクロフォンML-1 Matte Blackが25%OFFに!好評につき期間再延長!
AT4050(AKG)
AT4050はスタジオ定番マイクで、1インチ大口径ツイン・ダイアフラムを駆使した可変指向型が特徴です。
無指向性と単一指向性、双指向性をスイッチで簡単に選択できますので、ボーカルはもちろんドラムやアンプの収音にも対応できる幅広く適応できるところが人気の秘密です。フラットなキャラクターは対象の音をそのまま取り込むため、解像度の高いデジタルレコーディング環境では一際その能力を発揮します。さらに80Hzローカットフィルタースイッチや、10dBパッドスイッチまで標準装備しています。
専用ショックマウント付で、あれこれ揃えずにこれ1本で様々な録音に使えるので、コストパフォーマンスの高い一本です。
★参考記事:Audio-Technicaマイク6機種を比較試聴した動画を公開!
C414 XLS-Y4(AKG)
AKGを代表するラージ・ダイアフラム・コンデンサーマイクであるC414シリーズは、NEUMANN U-87などとと並んで定番マイクです。1971年に初代C414の発売以降、数々のレコーディングやライブに携わり、プロフェッショナルの現場で使用されてきました。モデル各種で違いはありますが、あくまでナチュラルな低域や中域を捉えた上で、
最大の特徴であるクリアかつ抜けの良い高域へ繋がるという基本音色があります。
C414 XLS-Y4は、割と最近発売された歴史あるC414シリーズの新モデルで、歴代のC414の中でも最も評価が高い「C414B ULS」の音質を忠実に再現しています。
極めてフラットな特性で、こちらも原音の微細なニュアンスもありのままに収音できます。2枚のダイヤフラムを近接して平行に配置したデュアル・ダイヤフラム構成により、近接効果の影響を最小限に抑制し、全帯域に渡ってクリアな収音が可能。指向性は9段階から選択でき、使用環境に応じた最適な設定が可能なのも便利です。
ポップ・スクリーンやサスペンション付ホルダー、持ち運びや保管に便利なキャリングハードケースが付属しています。
参考記事:AKGが世界標準の高品位コンデンサーマイクロフォンの4年保証モデル「C414 XLS-Y4」「C414 XLⅡ-Y4」発売!
参考記事:AKG Historyから紐解く、定番C414XLS / XLⅡ サウンドのルーツ
SR314(Earthworks)
Earthworks SR 314は、カーディオイド・タイプのスタジオ・クオリティの音ををライブ・サウンドでも活用できる、ボーカリストのためのコンデンサー・マイクです。
Earthworksの独自特許技術による小型ダイアフラム・カプセルでクラスAアンプ回路を搭載。シンガーがオフセンターになった場合も同じ音質を維持し、さらにスチール製の筐体によるタフ仕様でライブ・ツアーなどのタフな使用環境にも耐えられるよう設計されています。
ライブでもレコーディングのようなディテールやニュアンスを再現したい方にはおすすめです!
参考記事:Earthworksのライブ・ボーカルのためのコンデンサー・マイクSR314を販売開始!
TLM102(NEUMANN)
とうとうコンデンサーマイクの人気定番ブランド、NEUMANN製マイクが買えます!コンパクトサイズですが、Neumannデザインを踏襲していています。
TLM102は単一指向性のラージダイアフラムモデルで、(高価に感じる人もいるかもしれませんが)NEUMANNのラインナップではエントリーモデルという位置付けです。定番ブランドの技術が盛り込まれたコストパフォーマンスの高いモデルです。
最大音圧レベルが144dBまで収録可能なので、歌やアコースティックギターなどの収録はもちろん、ギターアンプやドラムも収録可能です。また全体のミックスで声の存在感を際立たせるため周波数特性の6kHz以上をわずかにブーストしているのも特徴です。
グリル内にポップスクリーンが内蔵されていますので、ポップガードなしでも大丈夫で、ブラックとニッケルから選ぶことができ、スタンドマウントが付属しています。
●参考:10万円以上のコンデンサーマイク
レコーディングスタジオで使われているコンデンサーマイクでは、10万以上の価格帯のものも多く、中には100万円を超えるものまであります。NEUMANN U47、U67、U87Ai、AKG C414など、ビンテージと呼ばれ長年レコーディングスタジオで使われている定番モデルも多く、種類も豊富で、また制作時期によって音色感が変わってくるモデルなどもあります。
ビギナーの方がいきなりこのクラスのコンデンサーマイクを買うことはレアなケースですが、代表的な機種とその特性を知っておくことは非常に有効ですし、将来的にレコーディングスタジオで歌などを収録する時、ボーカリストの特性に合わせて何種類かあるマイクロフォンを選ぶ際に特性を知っておくと便利でしょう。
Rock oNではこのクラスのマイクロフォンについて、現役エンジニアやRock oNスタッフに、どういう機材が使われているのか特集記事をしておりますので、プロの現場で使われているコンデンサーマイクにどんな種類があるか、是非参考にしていただければ幸いです。
NEUMANN創立90周年特別企画: 25 Microphone Review with Onkio Haus .Inc
90周年を迎えたNEUMANNマイクロフォン現行主要機種を、音響ハウス様にて一斉収録。
各機種の特徴と活用を同社4名のエンジニア様にコメントいただいた永久保存版NEUMANNライブラリーです!レコーディングに携わる全ての方必見!
ワンランク上の録音はまず入口から、理想のマイクを選ぶためにまず知るべきこと。
Rock oNスタッフ アレシア美奈子がROCK ON PRO パパ洋介に「より良い音を録るためのマイクの選び方」について、直接聞いてみた!
男性ボーカル8本、女性ボーカル9本、計17本の音源を比較!レコーディングエンジニア飛澤正人氏が収録、全てのマイクにコメントをいただきました!
記事内に掲載されている価格は 2023年6月12日 時点での価格となります。
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