まだまだ現役続行のシンセレジェンドの一人、Tom Oberheim。昨年はDave Smith Instrumentsとの共同開発OB-6で会場を沸かせましたが、今回は同社の原点とも言えるSEMやTwo Voice Proをじっくりと紹介していました。
昨年OB-6が話題になった時、Prophet-6と同タイプの筐体ながら、そのフィルターが注目されていたのは記憶に新しいですよね。
「SEMインスパイア」のステイト・ヴァリアブル・フィルターとして大きな話題になりましたが、そもそもSEMって何の事なのかご存知無い方に、簡単に説明をば。
こちらはSEM PRO。SEM with MIDI to CVに21のパッチ・ポイントを搭載することでMIDI/CV/GATE機器との接続を可能とした最強バージョン。Tom Oberheim氏による直筆サイン入りです。
こちらはセミ・モジュラーとして拡張性のあるSEM with Patch Panel。
はい、SYNTHESIZER EXPANDER MODULEの略称です。ではその”シンセ拡張モジュール”とは何か?時代はさかのぼり、moog minimoogとArp Odysseyがシンセサイザーの2台巨頭だった頃の話になります。簡単に言うとSEMはこの2台のアナログシンセのサウンドバリエーション面を補う為の音源拡張モジュールだったのです。そしてなぜそのSEMのフィルター部分が注目されているかと言えば、当時、シンセのVCFと言えば-24dB/Octが基本で、あまりフィルターによるサウンドバリエーションがありませんでした。そこでSEMはせっかく拡張するなら、違うサウンドをという事で-12dB/Octで、しかもマルチモードフィルターを搭載していたというワケです。
このあたりの話は以前ブログで紹介しておりますので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
そして今回会場でこんなレアグッズを発見!
この左のマシンはMAESTROというエフェクターブランドの製品で、Tom Oberheimが開発したフェイズシフター「PS-1」です。トップパネルのパラメーターはSLOW/MEDIUM/FASTの三つです。よくイタロハウスやディスコでシュワーっていってるやつです。中古相場で滅多にみないマニア垂涎の一品。音も滲みまくりでアナログサウンドのファンにはたまらないですね。右のマシンは同じくMAESTROのRing Modulator RM-1の特別なエディット品と思われます。昔のOberheimのロゴはやっぱりかわいい!
Writer:Shibuya
記事内に掲載されている価格は 2017年1月23日 時点での価格となります。
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