製品レビュー、試聴からサポート情報、キャンペーンまで製品別にフォーカス。活用のヒントがここに集結。
さてみなさん、Drum TreeやShakuhachi、KOTOでお馴染みのPREMIER SOUND FACTORY社から待望のピアノ音源が新発売となりました!
音源といえばちょっとエゴもありますが、PD安田がバッチリレビューを述べていきます。店頭や自宅で弾いてみた感想は・・・良かったです!
なぜ良かったのかまとめていきますので、ぜひご参考ください。
こういう音が欲しかったぞ!
先に試聴の音源をUPしてみました。今回の曲構成を先に説明すると、ピアノは当然ながら” PIANO Premier “at first light”をメインに、ドラムは同社のDrum Tree”Jazz Funk”で、ベースはAmple SoundのYing Yangモデルを使用しています。
細かい話ですが、私は打ち込みの際はサスティーンペダルは最初しか使用せず、MIDIのノートの長さでコントロールしております。理由は特にありませんが、最初に引いて打ち込む際にペダルを使用し、そのままサスティーンのオートメーションの微妙な小節ごとのペダルを切るタイミングを編集するのが面倒くさいため、結局サスティーンは全てカットし、MIDIノートの長さをマニュアルで調整しております。
そんなことはさておき、聞いていただければ分かる通り、かなりピアノが”そこで鳴っている!”感が半端ないです。
もっと言えば、余分な残響がなく、非常に使いやすいです。
しかもダイナミクスも細かく、強弱のニュアンスをドライに聞かせられる音源はおそらく他にはないかと思っております。
ちなみに強いていうなら、ステージピアノのいわゆる実機(Roland、YAMAHA、KORG、NORDなど)なら、こういったドライ感のあるサウンドは演出できたりしますが、ソフト音源でとなると…でした。しっかり強弱に対してのピアノの振る舞いがしっかり考えられて作られているだけありますね、素晴らしいです!
なおここまでドライなサウンドを聴いてしまうと、「他のピアノ音源は、なぜか作られている..?」的な感じになります。もちろんそれはそれでいろんなメリットがあるので、使いどころによって分けていきたいと思います。” PIANO Premier “at first light”は基本的なサウンドを演出してくれるので、今後はこれを基準に組み立てをオススメしたいです。ただあまりにもいいサウンドなので、シンセチックなニュアンスが欲しい方は、別の音源がいいかもしれません。
シンプルかつ、わかりやすい表情を演出するサウンド!
続きまして” PIANO Premier “at first light”の概要を説明します。
まずこちらの音源はKOTAKTベースで動かすサンプル音源となっております。KONTAKT 5.7.1以上のバージョンが必要になりますので、あまり古すぎるOS、KONTAKTバージョンをお使いの方は、更新をご検討ください。そしてKONTAKT Playerでは動作せず、少なくともKOMPLETE 9以降の通常版が必須になりますので、ご参考いただければと思います。
今回の” PIANO Premier “at first light”はLibraryから読み込みではなく、Fileから読み取る方式になっております。13GBとそんなにがっつりな重さではないので読み込みも軽めで割とサクッと使用可能です。インターフェースも主にはペダルノイズ(ペダルノイズはちょっと上げておきたい!)を中心にダイナミックレンジの幅、共鳴感の調整(正直デフォルトが使いやすい!)さらにリバーブの調整が可能です。ペダルの音がしっかり入っているなら、積極的にサスティンペダルは使いたいですね。
ピアノ音源は弦の長さや、メーカーの違いなどなどその音のキャラクターはいろんな要素が絡んできており、一概にこんなシンプルでいいのか?と思いがちですが、これぐらいの音がしっかり形作られていれば、エディットは不要なのかもしれません。
そして右上にはCrystal、Vintage、Stageと並んでおります。今回聴かせたデモはCrystalがメインです。なおVintageはその名の通りモノラルで、Stageは客観的な位置付けでのサウンドになっておりますが、Vintageのモノラル感は、今ではなかなかこうな風に気軽に綺麗に使用できないので、これは贅沢かなと思います。
最後に味を加えたいリバーブ機能
あえて最後にレビューしたいこの機能。デモ曲では最後の方で「Space Echo 2」を利用しております。ディレイ感がある感じでなんか使えるかなとおもいつつ。そしてメインの冒頭ではStage Aをほんのり上げております。なお今回も「琴姫かぐや」でお馴染みのLunar Kaguyaというロングリバーブも入っております。エフェクト的に色々加工もしていけば、もっと他にない音が作れそうです。
そしてメーカのページにも書いてある通り、Drum Treeとの相性は確かに抜群で、嫌味のない残響がなく、本当にアンサンブルしている感じが、”特に何もいじらなくても”出てきます。加えてAmplesoundのBass音源を使用しておりますが、ベースのリリースポイントもおかげでシビアに詰めないと、間抜けな感じになってきます。かといってタイトすぎても微妙ですので、これはぜひ試してみて欲しいところです。
また先ほどのサスペンションの件でもそうですが、ピアノもリリースするポイントが、聴かせる上でやはり重要な要素と思います。PIANO Premier “at first light”では、余韻さえも演者の表現を偽りなく再現されてしまいますので、手に入れた方は、ぜひリリースポイントも細かくいじってみてください。
ここまで聞いてみて、本当にありそうでなかったサウンドだと思いました。PREMIER SOUND FACTORY社曰く、「今回はSteinway Q-180ですが…。むむ??」という感じらしいので、是非これからも素敵な音源を期待していきたいと思います。
以上、PD安田令和最初のオススメ音源でした!是非ご検討いただけましたら幸いです。
Writer.PD安田
記事内に掲載されている価格は 2019年12月13日 時点での価格となります。
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