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21
Apr.2023
HOW TO

SPRING SESSION -今更聞けないRAID運用編-

20230421_SpringSession_RAID_1390_856

こんにちは!Rock oN Umeda ファジー日下部です!

今回は今更聞けないRAID運用ということで日下部も一緒にRAID構成に挑戦してまいります!

①RAIDって何?

RAIDとはRedundant Array of Inexpensive Disks(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)のことで、複数台のHDDやSSDを1台のディスクとしてパソコンに認識させ、読み書きの速度向上やバックアップシステムの構築などを実現する方法です。RAIDでは1台のディスクで読み書きするのではなく複数台のディスクに並行して読み書きを行う為データの転送速度などが可能になります。

② おすすめRAID構成

・RAID0

RAID0は複数本のディスクへ同時に分散して書き込む為、データの読み書き速度が格段に向上します。つまりディスクの数が多い程読み書き速度が向上します!一方でバックアップファイルは保存されていない為、複数台の内の1本でもディスクが破損した場合データが全て消し飛ぶことになります。

RAID資料.001

◇メリット◇
書き込み共に速度が早くなる!
◆デメリット◆
バックアップはないので要注意!

・RAID1

RAID1は2本のディスクに並行してバックアップ用のデータを保存する方式となっておりどちらかが故障した際にも安心です。書き込み速度に関しては変化は無いものの、読み込み速度はそれぞれから並行して読み込む為向上します。

RAID資料.002

◇メリット◇
常にバックアップが出来ているのでデータが飛ぶ心配が少なく安心!
読み込み速度は各ディスクから読み込むの早くなる。
◆デメリット◆
書き込み速度向上はあまり見込めない。

・RAID5

RAID5は3本以上のディスクを使用し構成するシステムで、各ディスクにParity(パリティ)という補正データを格納していく為どのディスクが故障しても故障したディスクを入れ替えて復元可能です。速度と安全性が共に備わった構築となります。読み書き速度はディスクの使用本数 -1本分の速度が出ます。

RAID資料.003

◇メリット◇
速度と冗長性のバランスが取れている!
◆デメリット◆
構築がディスク3本以上からでありSoftRAIDが必要になる為RIAD0,1に比べ最低必要費用が高くなる

③梅田店セットアップ事例

さてそれでは早速RAIDを組んでいきましょう!!

今回はOWCシャーシ(ThunderBay 4 mini)とSamsung 870 QVO 2TB×4を使用してRAID構築していきます!

OWC / ThunderBay 4 mini
ThunderBay 4 miniは2.5インチの HDD/SSDを4つマウント出来るシャーシです。
接続はThunderbolt3で、Thunderbolt/Thunderbolt2への互換性もあります。(別途変換アダプタが必要)最大64TBまで構築可能でRAID5でRAID構築を行いたい方にはSoftRAID XT付きのバンドルもご用意がございます!

また最大5台までのデイジーチェーンも対応しているのでポート圧迫を気にせずご利用いただけます。

OWC
OWC ThunderBay 4 (ケースのみ、Softraid XT付き)
¥104,240
本体価格:¥94,764
0ポイント還元

Samsung / 870 QVO
870 QVOは、最大560MB/sの読み出し速度と最大530 MB/sの書き込み速度を実現し、従来の860 QVOと比べて向上したランダム速度により、安定したパフォーマンスが持続します。

RAID04

さてこれらを使って組み上げていきます。

まずThunderbolt Bay 4 mini のフロントパネルを付属の鍵で開けると2.5インチのディスクをマウントが出来る枠組みが4つ刺さっております。

RAID05

こちらに今回はSamsung 870 QVO をネジ留めしてマウントしていきます!

RAID07
RAID06

それを4つ作ったらシャーシに差し込みます。

RAID09

全て奥まで差し込んだら再びフロントパネルをはめて鍵を閉め準備はオッケー!
電源アダプタ、Thunderbolt3ケーブルを差し込んでMacに接続します!

接続したら新品のSSDであれば「読み込めないけど何これ!どうする!?」ってMacが聞いてきますがとりあえず無視か初期化でOKです。

RAID08

それではまずAppleのRAIDアシスタントでRAIDを組んでいきましょう!

次にMacのディスクユーティリティからファイル>RAIDアシスタントを開きます。

10

RAID0を選択し[次へ]

11

ボリュームの名前を入力し、フォーマットやチャンクサイズを指定して[次へ]をクリック!
今回はMacでしか使用しないのでAPFSを使用します。Windowsとの併用の場合はexFatを選択して下さい。
※チャンクサイズは先ほどのRAID図説でいう[A][B][C]などの各ブロックのサイズだと思って下さい。大体デフォルトで使用されることの多い16~64KiBなどで良いです。

12

するとあら簡単!RAIDが組めました。
RAIDを解除したい時は、マウントを解除した状態で右下の[RAIDを削除]ボタンを押し、それぞれ個別の4本のディスクに戻し組み替えることが出来ます。
※その際は保存されているデータは削除されますのでバックアップを忘れずに!

13

次にSoftRAIDを使用した組み方をご説明します!
まず初めにOWCのHPからSoftRAID XTをダウンロードインストールして下さい。
このSoftRAID XTは14日間は試用版でご利用いただけますが後の管理などのことも考慮するとSoftRAID XT付きのOWCシャーシのご購入をお勧めします。

開くと左側に接続されているディスクが表示されますので、キーボードのShiftキーを押しながら1つ目と4つ目のディスクをクリックして選択します。
選択出来たら右クリックをし[初期化中…]をクリック。

14

初期化が完了したらエラーなしと表示されるので再び右クリックをし[新規ボリューム…]をクリックします。

15

こちらも同様にボリュームの名前を入力し、[ボリュームタイプ][ファイルシステム(フォーマット)]などを選択します。

SoftRAID XTではAppleのRAIDアシスタントより詳細な設定が可能です。
また[次に合わせて]のプルダウンでワークステーションやサーバー、デジタルビデオ、デジタルオーディオなどの格納するデータに合わせたオススメ設定が出てくるので親切です。
諸々設定が出来たら[作成]をクリック!

16

最後にストライプユニットサイズを選択し[OK]をクリックするとRAID。

17

RAIDを解除する際は右側のボリュームを右クリックし[セーフガードを無効化][搭載解除]を行ってから[削除]でRAID解除が出来ます。

SoftRAID及びApple RAIDアシスタントのそれぞれで組んだRAIDはそれぞれのシステムでしか解除出来ないのでご注意下さい。

18

④実践

それではRAID組めましたので各RAIDによりどれくらいの速度の差があるのか見ていきましょう!

・Blackmagic Desk Test
Samsun / 870 QVO(単体)

19

Apple RAID アシスタント
RAID0

20

RAID1

21

SoftRAID XT
RAID0

22

RAID1

23

RAID5
24

AmorphousDiskMark
Samsun / 870 QVO(単体)
25

Apple RAID アシスタント
RAID0

26

RAID1
27

SoftRAID XT
RAID0

28

RAID1

29
RAID5

30

まずMacStudioの内臓SSDを圧迫していたNativeInstrumentsのライブラリデータを移動してみます!
フルデータではありませんが約1.2TB移動した結果が以下の通りです。

RAID0(4本) 計8TB
約25分
RAID5(4本) 計6TB
約30分

やはり長時間のデータ転送をしていると速度が下がってくるのでさっきのスピードテストの数値そのままの速さとはいきませんが、はじめの300GBくらいまでは5分程でサクサクコピー出来てました。すごいです。

ちなみにApple RAID アシスタントよりSoftRAID XTでRAIDを組んだ方が速くなるという噂を小耳に挟んだのですが、今回MacStudio(M1 Max/Monterey)で検証した結果はそこまで大きな違いはありませんでした。

尚、移動したNativeInstrumentsのライブラリについては再ロケーションが必要となります。

右上の[Relocate All]をクリック。

31

Choose another locationで移動した先のフォルダを選択して[Confirm]をクリックしたら完了です。

32

●結果

やはりRAID0が速いですね!

ただRAID0とRAID5を比べても数GB程度のファイルを移動した程度であれば体感1~5秒程度しか変わらない為、今回のNativeInstrumentsのライブラリデータなどのように数TBの移動をしない限りは大きな差はないかと思われます。NativeInstrumentsのライブラリデータについても大量にあって1~2TBというだけで1つのファイルが1TBとかではないので音源データを扱うだけであればRAID5の方が冗長性も備えており良いかと思います!

長時間の4K8Kなどの映像データを扱う場合はRAID0の方が早いかもしれませんね。その場合はRAID5の使用するディスクの本数を増やすか、RAID0+1(RAID0をミラーリングで組む方式)で迎え撃ちましょう!

恐れ知らずのスピードスター日下部はRAID0に決めました!RAID0の速度で、より多くの音源を素早くお客様に店頭にて体験いただこうかと思います!

Thunderbolt Bay 4 miniがスペック上で最大1556MB/sの為、870 QVO*4台のRAID0が速度としては天井になるかなと思いますがもっと速くもっと多く繋ぎたいぜ!って方にはThunderBay 8(最大2,586MB/s , 8台マウント可)もございますのでそちらをご購入ください!

OWC
OWC ThunderBay 8 (ケースのみ、Softraid XT付き)
¥161,101
本体価格:¥146,455
1626ポイント還元

⑤総評

RAIDはHDD/SSDの数が多ければ多いほど早い!

RAIDを組むことにより、大容量の1本や複数台に分けて運用するより速度や冗長性に優れたストレージ管理を可能に!

今回梅田店では速度のみを見てRAID0で組むことになりましたが、皆さんは速度と冗長性のバランスが取れたRAID5をご利用頂くのがオススメです!

Mac内蔵のSSDを大きいサイズにカスタムするとかなりの予算アップとなります。
RAIDでお得に大容量ボリュームとストレスフリーな制作ライフを手に入れよう!!

補足
今回はSSDでRAID構築しましたが、HDDで組む場合はThunderBay 8を使用し8台以上で組む方が速度も快適にご利用いただけるかと!

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記事内に掲載されている価格は 2023年4月21日 時点での価格となります。

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