ノースカロライナ州のアシュビルにあるユーロラック・モジュラーシンセメーカーMake Noiseから、初となるデスクトップシンセサイザー『0-Coast(ノーコースト)』が発売されました。
これまでユーロラックモジュールで、ユニークなオーシレーターや、電極式タッチセンサーのCV/GATEコントローラーなどの独創的なモジュールを発売していたMake Noiseの製品の中で、0-Coastはスタンドアローンで使用可能。セミモジュラー式のパッチングは、ケーブルを挿さなくても音が出る仕組みなので、最も手頃で身近なシンセサイザーといえるでしょう。
アメリカのシンセサイザーのスタイルとして言われるEAST Coast でも West Coast でもない。独自のスタイルを貫く 0-Coast(ノーコースト)という名前に込められた、その個性と実力の秘密とは?
0-Coast
Make Noise 0-Coast (ノー・コースト*) はユーロラック・モジュラーシンセの世界で確固たる地位を確立した Make Noise による、テーブルトップタイプのセミモジュラー・シンセサイザーです。アメリカ East Coast (東海岸)スタイルのシンセサイザーや West Coast (西海岸) スタイルのシンセサイザーから影響を受けつつも、そのどちらでもない「No Coast」スタイルのシンセサイザーです。
0-Coast は Make Noise が初めて開発したスタンドアローンタイプのシンセサイザーで、付属のパッチケーブルを使用してクラシックなモジュラーシンセの音作りを楽しめます。また各セクションがあらかじめ内部で繋がっている「セミモジュラー」タイプのシンセサイザーなので、パッチケーブルで結線しなくても手軽に音作りを楽しむ事が可能です。
VCO は三角波と矩形波を出力するトライアングルコアのアナログ VCO を搭載しており、ベーシックなサウンドを生成します。VCO で生成したサウンドは、隣の Overtone と Multiply により複雑な波形に変化させユニークなサウンドにできます。VCO と Overtone + Multiply のサウンドは BALANCE セクションでミックスバランスを調整した後、DYNAMICS セクションへ送られます。DYNAMICS は VCF と VCA をひとつにした様な回路で、入力したサウンドの明るさと音量を同時にコントロールします。これは有機的でパーカッシブなサウンドを生み出す「ローパスゲート」と呼ばれる機能で、西海岸スタイルのシンセシスには欠かせない機能の1つです。
SLOPE セクションでは”Rise”と”Fall”2つの時間パラメーターと、Vari-Response により、トリガーを入力すると動作するモジュレーション CV を生成します。CYCLE をオンにするとトリガーに関係無く、LFO の様にループさせる事もできます。Slope は Overtone と Multiply に内部結線されており、パラメーターをモジュレーションさせます。
CONTOUR セクションは”ONSET” “SUSTAIN” “DECAY”3つの時間パラメーターと、Vari-Response により、ゲートを入力すると動作するモジュレーション CV を生成します。CONTOUR は DYNAMICS セクションに内部結線されており、音量をコントロールできます。東海岸スタイルのエンベロープと西海岸スタイルのローパスゲート、0-Coast はどちらのスタイルも併せ持つシンセサイザーです。
モジュラーシンセとの互換性、MIDI 対応でコンピューターを使ったシステムにも。
モジュラーシンセと互換性のある CV/Gate に対応しているので Make Noise のモジュールをはじめ、他社製ユーロラック・モジュールやアナログシンセとも接続して音作りができます。基本的な機能が揃っている 0-Coast は、モジュラーシステムのコアとしても活躍するでしょう。
MIDI にも対応しているので外部のキーボード等で演奏したり、MIDI コントロール・アルペジエーターでアルペジオ演奏ができます。MIDI クロックと同期させる事ができます。MIDI 接続は付属の専用 MIDI ケーブルを使用します。
記事内に掲載されている価格は 2016年8月10日 時点での価格となります。
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