モニターコントローラー導入のメリット・デメリット
皆さんはモニターコントローラーにどんな印象を持っていますか?恐らく殆どの方がオーディオインターフェイスから直接スピーカーに接続していると思います。では、モニターコントローラーを導入する利点は何でしょうか?
などが上げられますね。ですが実際に導入を検討したとしても迷ってしまう方や導入を諦めてしまう方はにこういう理由が多いのも事実です。
価格が全てではないですが、製品によってはかなり音質が変わってしまい良い結果に繋がらないことが多いのも事実です。しかしそんな方に是非ともオススメしたいのは今注目のAUDIOLINIAR社の「AXIS」です。
この「AXIS」を作っているAUDIOLINIER社の名前は初耳という方が多いかもしれませんが、90年代にNeveにて当時の最新技術を詰め込んだコンソール、Capricornの設計にも携わった素晴らしいキャリアを持つSteve Begg氏が立ち上げた会社なのです。AXISも非常にしっかりとした作りになっており信頼できるメーカーだと言えるでしょう。
ホームスタジオでモニターコントローラーにかけられる予算は10万円前後ぐらいが上限という方も多い中、10万円台で購入できるモニターコントローラーはラインナップが極端に少なく、あまり選択肢がありませんでした。その中でAXISは、10万円弱の価格で非常にクオリティーの高い製品となっているので、これまでモニターコントローラーの導入を悩んでいた方に是非ご検討いただきたいです。
1. 作曲・着想 : 浮かんだアイデアを逃さない!AXISでPC依存からの脱出
今回はちょっと視点を変えてAXISの機能と導入メリットを、クリエイターが楽曲を作る実際のワークフローと照らし合わせながら紹介していきたいと思います。
まずは着想の部分。日頃から鼻歌をボイスメモに保存したり、鍵盤と向き合ってモチーフを作っていったり。作り方は人それぞれだと思います。ただ殆どの方が経験したことがあると思う、「ふとした瞬間にアイデアが浮かぶ時」。
さあ!頭の中になっている音を形にしよう!
↓
PCの電源ON … 起動待ち … 起動待ち … 起動 … DAW起動待ち … あれ?何作ろうとしてたんだっけ?
割と良く聞く話ですね。この状況で一番の問題点はオーディオインターフェイスとスピーカーを直接繋いでしまっていることです。オーディオインターフェイスと直接繋いでいる限りPCを起動しなければスピーカーから音を出すことができません。
(※スタンドアローン対応のインターフェイスでさえ、初回起動時にはPCのアクセスが必要なものは多いです。)
クリエイターならばイメージやアイデアが浮かんだ際すぐに音が出せる環境を準備しておきたいものですが、このAXISなら簡単にその問題が解決できます!
例えば、ワークステーション等をMIDIキーボード(マスターキーボードとして)として使用していた場合。キーボードのアウトプット端子をモニターコントローラーのInputに接続しておけば、PCを起動することなく音を出せます。
ギタリストの方であれば、BIASやKEMPER等を接続してもOKですね。因みにKEMPERの場合はMAIN OUTをAXISヘ。MONITOR OUTPUTをインターフェイスに繋げておけばREC時の繋ぎ変えも不要です。
思いついた時にスグに音を出せる環境がまだ整っていない方は、AXISを導入することでこういうシステムを構築することができます。
2. アレンジ : 制作時の音量調整のアクセスとその必要性
次は浮かんで記録したアイデアをDAW上で仕上げていきます。ここでAXISが活躍する部分としては制作中の音量調整です。当たり前と思われるかもしれませんが、ここではデスクトップモニターコントローラーであるというのが重要です。
最近のソフトウェアシンセはとにかくデフォルトの音量が大きいのです!DAWのフェーダーを0にしても0dbを越え、ソフトによってはピークメーター(over-level indicator)が赤く点灯してしまいます。
この音量が大きい状態からスタートしてしまうと、数トラック足しただけでスグにマスターのメーターが赤い状態が続いてしまいます。やはり音量が大きい方が迫力もあるので創作意欲が上がり一見良いように思えるのですが、この状態で制作を進めていき最終的にDAW内の音量を下げてバランス調整をしてしまうと曲のイメージが変わりすぎてしまう原因になります。そして無駄にトラックを足してしまったりと精神衛生上あまり良くありません。
では、どうすれば良いか?それは…
制作中はDAW外のモニタースピーカーで自分が気持ちよいと思う音量に調整しDAW上のフェーダーは-16dbくらいから始めることです。因みに私は自分のテンプレート時点で既に-16dbで作っています。
それってオーディオインターフェイスで調整すればいいんじゃない?と思われる方もいると思いますが、制作中に音量を変える場面は多々ありますよね。例えばトラックをどんどん足していってピークメーターが赤く点灯した場合は全体のバランスをそのままに全トラックを均等に何dbか下げることはよくあります。ただそのままでは、モニタースピーカーから聴こえている音量も下がってしまうので、そんな時はモニターコントローラーで音量を調整します。(※DAWのMasterフェーダーを持ち上げることは避けましょう。)
特に1枚の液晶モニターで作業されている方や、インターフェイス自体に音量をコントロールするノブがついていない場合はインターフェイスのミキサー画面を立ち上げないといけない為、意外と面倒です。(※間違えてインターフェイスのマスターをダブルクリックしてしまい爆音が…なんてことも。)
私は様々なクリエイターさんとお話しをする機会が多いのですが、「制作時は余計なものは極力排除しておいた方がいい」という方が多くいます。自身がシンプルでアクセスしやすい環境にしておいた方が余計なストレスが無いのでオススメです。手元に必要な物だけがあることが重要です。
AXISは64mmのノブにスイスELMA製の24ポジションのステップド・ボリュームコントローラーを組み合わせた、スムースで質感の高いメインボリュームコントロール・ノブを採用していて作りもしっかりしているのでストレスなく作業ができます。
3. ミックスダウン : モニター切り替え時の音量差よ、サヨウナラ!AXISならTrim付き
モニターコントローラーを導入する一番のメリットはやはり複数のモニタースピーカーをスイッチ1つで切り替えてバランスチェックができることです。ただ、そんな時に必ず問題になるのが接続しているスピーカー達の音量差です。
メインのモニタースピーカーとPCスピーカーやラジカセ等の異なる種類のスピーカー達と聴き比べながらどのスピーカーで聴いてもバランスが取れているように調整をしていきますが、切り替えた際に音量がある程度揃っていないときちんとチェックすることはできません。これは迷う原因にもなってしまいます。
それを解消するのがこのALPS製ポテンションションメーターを搭載したTrimノブです!(-20dB to 0dB)。
やはり実際にスピーカーに信号を届ける最後の部分ですので、信頼が置けるパーツを使用しています。AXISを導入すれば、適切な音量バランスでモニターを瞬時に切り替えられる環境がスグに手に入ります!
クリエイターにベストチョイスなAXIS。しかもパッシブ!電源不要
いかがでしょうか。モニターコントローラーはレコーディングスタジオだけの物ではありません。AXISを導入することで制作環境をより可能性が広がるスタジオに変身させることができます。
またこれだけしっかりとした作りですが、まさかのパッシブ。余計な電源なんて入りません。こう言った点も導入する為のハードルを下げてくれています。
「モニターコントローラーあるある」ですが、スピーカーの電源を入れた状態でモニターコントローラーの電源をオンにしてしまい「ボン!」っと心臓に悪い音がしたりすることはAXISはパッシブなのでありません。
トークバック等の機能はありませんが、ホームスタジオであれば必要無いという方も多いので、自宅で誰かと録音という状況が少ないのであれば、AXISで十分快適なモニター環境を構築できるでしょう。
気になる音質については、音像が狭くなることはなかったので心配は無用です。ですが「音が良いと言われても実際に聴いてみたい!」という方はRock oN 渋谷店にてデモ機をお試しいただけますので是非店頭でスタッフにお声掛けください!
Writter : Tani
記事内に掲載されている価格は 2018年1月25日 時点での価格となります。
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