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IBC2016初日に早くも最大級の衝撃Pro Tools12.6発表! メジャーバージョンアップ級の機能進化に加え、『HDX/HD Nativeコア・バンドル』が新登場! これによりユーザーのお好きなサードパーティI/O(ApogeeやPrism、Digigrid等々)と組み合わせて初期導入いただくことが可能となります。ユーザーにとって大きな選択肢の拡張ですね!
では早速12.6の主な特徴を見ていきましょう!
Pro Tools 12.6
主な追加機能
・クリップ・エフェクト機能搭載 ※Pro Tools |HD ソフトウェアのみ
・レイヤーエディットモードの追加
・プレイリスト機能の強化
・In Box Dubber ワークフローの強化
クリップ・エフェクト機能搭載
※Pro Tools |HD ソフトウェアのみ
この機能は今回のアップデートで一番大きな変化ではないでしょうか?クリップごとにインプット・トリム、フェーズ、EQ、Dynamicsのエフェクトがかけられるようになります。アニメのアフレコのように、1本のマイクで入れ替わり立ち代り複数の人が喋る場合などはとても便利な機能で、クリップごとにEQやDynamicsを設定することが可能です。ただEQやDynamicsをかけるだけであれば、AudioSuiteで十分ですが、クリップエフェクトの利点は後で修正ができること。他トラックの編集後でもクリップを増やすことなく編集ができるのはメリットですね。
さらにクリップエフェクトには5つのプリセット機能が搭載されています。12.3でフェード機能が強化された際に、フェードプリセットが搭載されましたが、その機能と同じようです。ですので、先ほどのアフレコのような時に、それぞれのEQ・Dynをプリセット登録して即座に反映させる、なんてことも簡単にできてしまいますね。クリップエフェクトのON/OFFはクリップ上にマークとして現れます。エラスティック編集の有無のようにクリップを見ただけでわかるので、判別しやすいです。なお、この機能はプラグインインサートの前段で処理されます。
今までPro Toolsでは、クリップがオーバーラップした際に編集画面上ではどちらが上なのか判別が付きにくい、という経験はあったのではないでしょうか?表示メニューとしてクリップのカテゴリで「オーバーラップ」の機能はあるものの、表示が小さかったり、セッションのバグで見えなかったり、、様々でした。
今回追加されたレイヤーエディットモードとは、クリップ同士の前後関係がはっきりと確認できるようにGUIを変化させたものです。前面にいるクリップの境界線に影が現れるようになり、前面側のクリップが浮き出て見えるようになりますので、トリムやクリップ移動などに有効になりますね。そしてこの機能は「従来のGUIのほうがいい」という方にも対応できるようにON/OFFで切り替えられるとのこと!! 波形編集時にはON、ミックスダウン時にはOFFなど使い分けることもできますね。
プレイリスト機能の強化
レイヤーエディットモードの追加を受けて、プレイリスト機能もさらに強化されました。今までは時間の短いクリップの上に長いクリップをオーバーラップさせると、背面になったクリップはタイムライン上から消えてしまいました。この動作は、編集画面上で表示されていないクリップがオーバーラップされた際にも動作してしまい、知らない間にクリップを消していた、というようなケースや、録音を始めたトラックに実は消えて欲しくないクリップがあった時など、様々なオペレートミスを招くことも稀にあります。今回搭載された機能は、このようにオペレートミスによってクリップが消えてしまいそうな時、画面上で赤く表示され警告を促してくれます。
強化された機能はこれだけではありません。上記のように、クリップのオーバーラップにより消えてしまうクリップを自動的にプレイリストへ送る機能が搭載されました。この機能にもON/OFF設定があるようで、「レコーディング時」と「エディット時」それぞれで切り替えが可能になるそうです。
In Box Dubber ワークフローの強化〜自動ロー・レーテンシー・モードの搭載 ※Pro Tools |HDXのみ
映画のようにDialog・Music・FXと音声をそれぞれ別マシンで編集された音声は、ステム用としてPro Toolsで5.1chの他に、ステレオにエンコードされたソースのプリントが必要な場合、Pro Tools内部でエンコーダープラグインをかけて処理をしているケースがほとんどだと思います。このような場合、部分差替えが発生するとディストラクティブ編集で作業をしていましたが、ディストラクティブパンチの際に各ソースはプラグイン処理のレイテンシーによるズレが生じて追いました。
今回新機能として搭載される自動ロー・レーテンシー機能によって、ディストラクティブパンチのズレが防止されます。Pro Tools HDXのみの機能で、AAX DSPに対応したプラグインが必要になりますが、実に有効なアップデートですね。
このように機能一つ一つを追ってみると、なぜメジャーバージョンアップにしなかったのか不思議なくらい、Pro Tools12.6では多彩な機能が搭載されました。リリースは9月末〜10月初旬を予定ということで、今から楽しみでなりませんね。これらの機能はPro ToolsのStandard Supportが有効なユーザーであればアカウントからダウンロードが可能になります。今からStandard Support Renewalを準備して待ちたいところです!
『HDX/HD Nativeコア・バンドル』によりサードパーティI/Oでの導入が可能に!
12.6と同等の衝撃! HD導入検討されている方にとって最も大きい変化とも言えるのが『HDX/HD Nativeコア・バンドル』のリリースでしょう!
今後の価格情報に期待が高まりますが、APOGEE SYMPHONYやDiGiGrid、PRISM SOUNDなど、よりユーザースタイルにフィットしたI/Oのチョイスが可能となります。現在DigiLink非対応のメーカーもこの期に参入を検討するのではないでしょうか。
今回12.6以降からDigiLinkベースのI/Oを使用する為のDigiLinkライセンスも登場となります。Pro Tools | HDX 並びにHD Nativeシステム上で Pro Tools|HD 12.6ソフトウエアを使い、Avid及びサードパーティーI/Oを接続する際に必要。
今後このDigiLink I/OライセンスはPro Tools HD 12.6 リリース時下記に含まれます。
・Pro Tools | HD 12.6リリース時に有効なアップグレード・プランをお持ちの既存Pro Tools | HD ユーザー
・アップグレード・プラン再加入
・Avid Pro Tools HD シリーズI/O
・HDハードウエア・エクスチェンジ
12.6リリース以降、Pro Tools | HD シリーズI/O 以外を選択されたPro Tools | HDX またはHD Native新規ユーザーは、$299にてDigiLink I/Oライセンスを購入可能。(DigiLink I/Oライセンスは、shop.avid.comのみでの販売)
Pro Tools | HDX 及びHD Native の「コア・バンドル」形態での国内出荷開始時期は、9月末~10月初旬を予定、価格は「オープン・プライスとのこと。さらなる情報は続報届き次第公開いたします! お楽しみに!
Writer. Akao
記事内に掲載されている価格は 2016年9月10日 時点での価格となります。
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