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ーーー簡単な自己紹介をお願い致します。
Kakeru Kanieと申します。
レコーディング・ミックスエンジニア、バックDJとして活動しています。
エンジニア業務では、HIP HOP、R&B、POPを中心として様々なジャンルを手掛けています。

ーーーコンピューターのスペックを教えてください。(Win / Mac)
Mac studio M2 Max
・メモリ 64GB
・CPU 12コア
・OS Venura13.4
ーーースタジオのこだわっているポイントを教えてください。

まずこだわっているのは、音の入り口となるマイクです。メインマイクにはSONY C-800Gを使用しています。Hip Hopを中心にレコーディングを行うことが多いのですが、このマイクはジャンルを問わず高い汎用性を持ち、アーティストの細かなニュアンスや空気感まで繊細に捉えてくれます。特に音の立ち上がりの速さは唯一無二で、そのスピード感が楽曲全体のクオリティを大きく引き上げてくれるため、とても気に入っています。

次にこだわっているのが、モニターヘッドホンです。使用しているのはAUDEZE MM-500で、特に気に入っているのはドラムの再現性です。アタックやリリースのレスポンスが非常に速く、ミックス時の微細な変化や音のニュアンスを把握しやすいため、細かな調整を行う際に大きな力を発揮してくれます。
また、音の奥行きや前後感の表現にも優れており、立体的な音像を正確に捉えられる点も魅力です。普段は溝の口にあるスタジオと自宅スタジオの両方で制作していますが、それぞれモニタースピーカーが異なるため、MM-500が共通のリファレンスとして重要な役割を担っています。
唯一のデメリットは、本体の重量が比較的あることです。長時間使用すると人によっては疲れを感じやすいかもしれませんが、それを補って余りあるモニター性能を備えた、信頼できるヘッドホンだと感じています。

最後にこだわっているのが、複数のマイクプリアンプを揃えていることです。スタジオにはShadow Hills Mono GAMA、Crane Song Flamingo、Focusrite RED 8を導入しています。
レコーディングでは、アーティストの声質や楽曲の世界観に合わせてプリアンプを使い分けることで、それぞれの魅力を最大限に引き出せるよう心掛けています。また、レコーディングだけでなく、ミックス時にも素材をプリアンプに通して質感や倍音を加え、より立体感のあるサウンドに仕上げることもあります。
単に機材を揃えるのではなく、音作りの選択肢を広げ、一つひとつの楽曲に最適なサウンドを追求できる環境を整えていることが、このスタジオの大きなこだわりです。

ーーー自分にとって欠かせない機材たちとその理由を教えてください。
私にとって欠かせない機材は、Chandler Limited RS660です。
このコンプレッサーの最大の魅力は、音の太さと、サウンドが自然と前に出てくるような存在感です。ボーカルレコーディングで使用すると、声の重心が少し下がり、無理に持ち上げなくても前に出てくるため、その後のミックスが非常に行いやすくなります。結果として、プラグインによる補正も最小限で済み、より自然なサウンドに仕上げることができます。
また、搭載されているTHDモードも頻繁に使用しています。コンプレッションをかけずに倍音だけを付加できる機能で、ミックス素材に質感や存在感を加えたい場面で活躍しています。アナログならではの豊かなキャラクターを自然にプラスできるため、レコーディングからミックスまで幅広く使用している、私にとって欠かせない一台です。

ーーースタジオでの普段のワークフロー、創作意欲を高める工夫、作業が煮詰まった時の対処法などを教えてください。
創作意欲を高めるために大切にしているのは、自分の好きなジャンルに数多く携わることと、常に興味のある分野へアンテナを張り続けることです。自分自身が「楽しい」と感じられる制作や、自然とテンションが上がるような作品に携わることで、より良いアイデアやサウンドが生まれると考えています。
作業が煮詰まったときは、思い切って一からやり直すこともありますし、一度制作から離れてリフレッシュすることもあります。普段はスタジオにこもって作業する時間が長いため、息抜きにはアウトドアを楽しむことが多く、仲間と山や川へ出かけて自然の中で過ごしています。
また、制作合宿として山のコテージや海の見える一軒家を借り、普段とは違う環境でレコーディングやミックスを行うこともあります。環境を変えることで新しい発想が生まれたり、集中力が高まったりするので、自分にとって大切な制作スタイルの一つになっています。

ーーー将来的にグレードアップしたい事や導入したい機材、あるいは最近導入して良かった機材などがあれば教えてください。
今後グレードアップしたいと考えているのは、スタジオの電源環境です。
先輩エンジニアのスタジオで、Acoustic ReviveやVoltampere製品などを導入し、電源環境まで徹底的にこだわっているのを見たことがきっかけで、自分もより安定した電源環境で制作したいという思いが強くなりました。電源は目立つ部分ではありませんが、機材のポテンシャルを最大限に引き出すためには重要な要素だと考えています。
最近導入して特に良かった機材は、Alpaca Microphonesのリフレクションフィルターです。軽量で持ち運びがしやすく、それでいて不要な反射音や周囲のノイズをしっかり抑えてくれる点が気に入っています。
Hip Hopのレコーディングでは、コントロールルーム内にボーカルマイクを立てて録音することも多いため、エアコンの環境音や外部ノイズの影響を軽減し、よりクリアな録り音を実現できるこのリフレクションフィルターは、現在の制作に欠かせない機材の一つになっています。
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