NAB Show 2026にてAVIDがPro Tools 2026.4のリリース予定を発表!
3月までは昨年のv2025.12のマイナーアップを行い、安定版を着実にリリースしてきたAvid。今年初のメジャーアップデートが案内され会場が賑わう。
主な新機能はこちら!
1.Exported Pro Tools sessions from Media Composer
2.Forte fPost
3.Speech to Text:Transcription Lane view per Track
4.Track Pinning
5.ARA2:VoiceWunder
NAB Show 2026におけるAvid Technologyブースでは、Pro Toolsの最新機能を中心としたオーディオポストプロダクション向けセッションがAVIDのGil氏、Daniel氏、Jeff氏によって実施された。
1.Exported Pro Tools sessions from Media Composer
まず最初に取り上げられたのが、Media ComposerからエクスポートされたPro Toolsセッションファイル(.ptx)の受け取り、連携強化である。編集上がりのMedia Composerがミックスダウンした映像ファイルがPro Toolsに渡り、これに元のカット点情報を持つタイムラインマーカーとしてビデオカットトラックが新たに編集画面に展開できるようになる。
リコンフォーム作業や素材の再リンクといった従来の手動工程を、Cue ProやMatchbox 2などでオートメーションしやすくなった。既存のInterplayワークフローにおけるサテライトトラックをグローバルに置き換えるヒントがありそうだ。ルーティングフォルダ関連のエクスポート機能も目新しい。

2.Forte fPost
続いて紹介された「Forte fPost」は、大規模ポスプロ環境におけるセッション管理および処理効率の最適化を目的としたソリューション。fPostインターフェース内でAAFまたはptxセッションを表示し、インカミングトラックを既存のPro Toolsテンプレートにマッピングすることで、AI処理でルーティングを自動的に設定できる。
3.Speech to Text:Transcription Lane view per Track
(Pro Tools Ultimate限定の対応)AI関連機能として注目を集めたのが、Speech to Textの進化である。新たに実装された「Transcription Lane」は、各トラック単位で音声の文字起こし結果をタイムライン上に直接表示する機能。ダイアログ編集のワークフローを大きく変革する。これにより、波形だけでは把握しづらいセリフ内容を視覚的に確認しながら編集できるため、セリフ差し替えやNGテイクの特定、ADR作業の効率化が飛躍的に向上する。また多言語対応も強化されており、国際共同制作やドキュメンタリー制作における実用性が高い点も強調されていた。日本語もサポートとのこと。トラックごとに独立した文字起こしレーンビューがあり、例えばダイアログトラックのみを表示/非表示にできる。クリップメニューから「話者ごと」「単語ごと」「文ごと」にクリップを分離できる。

4.Track Pinning
トラックに対し、新たに「Pin」および「Pin & Replace」メニューが設けられ、編集画面の直感的な固定操作が可能となることが紹介された。重要なトラックをPro Toolsの編集ウィンドウの上部に固定できる。ガイドトラック、音楽ダッキング用のダイアログ、プリントマスターやRECトラック、視覚的な参照用のビデオトラックなどをピン留めするユースケースが紹介されている。ピン留めエリアのスペース割り当てを管理するための初期設定(Preferences)が追加されているとのこと。Pro Toolsの選択トラックなどをGroupでピン留めすることも可能。

5.ARA2:VoiceWunder
最後に大きな注目を集めたのが、ARA2(Audio Random Access)対応プラグインとして統合されたVoiceWunderである。本ツールはクラウドベースのAI処理を活用し、音声に対する高度な加工を非破壊で実行できる点が特徴である。具体的には、テキスト入力から音声を生成するText-to-Speech、既存音声を別の声質に変換するSpeech-to-Speech、さらにはノイズを自動除去しダイアログを抽出する高度な解析機能が実演された。特に「Wonder」機能による環境ノイズ除去は、従来のノイズリダクションを超える精度を示しており、ロケ収録素材の品質改善において大きな可能性を感じさせる内容であった。 また、30秒以上の音声サンプルから特定話者の声を学習し再現する「Voice Clone」や、年齢・性別・感情などをパラメータ化し新規音声として生成する「Voice Design」機能も紹介され、ポストプロダクションにおける創造的表現の幅を拡張するツールとして位置付けられていた。音声利用に関する契約管理や使用回数のトラッキングといった仕組みも組み込まれており、AI音声活用におけるUSの権利処理への配慮がなされている点も特徴的である。国内ではどうかAVIDへ確認を入れていきたい。

総じて本セミナーは、Pro Toolsが単なるDAWの枠を超え、クラウド・AI・映像制作との統合を前提とした「次世代オーディオポスト基盤」へ進化していることを明確に示した。特に、編集効率の向上だけでなく、制作プロセスそのものを再設計するレベルでの機能拡張が進んでおり、映画・放送・配信といったあらゆるコンテンツ制作現場において、今後の標準的なワークフローを担う重要なアップデートであった。

AVID / Pro Tools
https://www.avid.com/pro-tools
記事内に掲載されている価格は 2026年4月23日 時点での価格となります。
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