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第1回:ミュージック・ワークステーションの歴史、NAUTILUS概要、ピアノ音源特集
第2回:アナログモデリング音源
第3回:VPM/FM 音源
第4回:エレピ&オルガン音源
第5回:物理モデル&PCM音源
NAUTILUSレビュー第6回:ソロピアノで弾く、4台のピアノを聴く。
NAUTILUSに搭載される4台のピアノ
実践 1:Japanese Small C
Japanese Small C は低音から高音までリッチで美しくありながら癖のない、超優等生なサウンドです。NAUTILUSに搭載された4台のピアノの中で最も汎用性が高く、どんなシーンにもマッチしてくれることでしょう。動画では、最大16個のプログラムをレイヤーしたりスプリットできる COMBINATION (コンビネーション)モードを使用して、柔らかいパッドをピアノと同時に鳴らして更にリッチなサウンドに仕上げています。
実践 2:Japanese Small C
この曲も Japanese Small C で、実践 1と全く同じ音色を使用しています。かなり高い音域まで、芯と音程感のあるサウンドが心地よいです。この曲は低域、中域、高域と、手が3本必要な連弾曲ですが、ピアノは楽器の王様と呼ばれるに相応しい、とても広い音域とダイナミズムでしっかり表現してくれています。
実践 3:Italian F Dark2
艶やかでありながらカラッと乾いたサウンドが特徴的です。低域のボイシングが接近しがちな曲や、音数の多い曲にはこのItalian Fがお勧めです。ソリッドでギュっと詰まった骨太さとクリアーなエッジを持つサウンドで、ポップス曲のギターやベースの中でも埋もれないバッキングを実現してくれます。
実践 4:Japanese Small C Dark
Japanese Small C の少し落ち着いたサウンドで、真空管コンプレッサーを通したかのような質感を持っています。ふくよかで優しく、サウンドの伸びが良く、減衰時間と共に変わる音の表情は白玉やバラードのバッキングにも向いています。グランドピアノでアップライトの雰囲気を少し取り入れるのにちょうど良いサウンドです。
実践 5:German2 D Full s
このGerman2 Dは他の3台とは明らかにサウンドが異なり、メインとなるモノラルサンプルとステレオアンビエンスを組み合わせて音作りを行います。アンビエンスマイクは近めから遠めまで、複数の場所でサンプリングされたデータが用意されており、ルームリバーブを選ぶ感覚でミックスできます。アンビエンスのサウンドにとても臨場感があるので、ソロピアノにGerman2 Dが活躍してくれることでしょう。モデルDを再現した音源は数多く存在しますが、このGerman2 Dにはコルグの個性が感じられます。
実践 6:Japanese UprU Bright 1 s
様々なモデルがあるのと個体にもよりますが、アップライトピアノの傾向として特徴的なのは、弦のウネリと中低域の太さです。この Japanese UprU Bright 1 s のサンプルはピアノ線が放つ表情を忠実にキャプチャーし、たった数音しか鍵盤を押さえなくても、その1音1音に説得力があり聞き入ってしまいます。ゆったりとしたテンポの曲で、移り変わるサウンドのテクスチャをお楽しみ下さい。
KORG NAUTILUS 61鍵、73鍵、88鍵 ラインナップ
記事内に掲載されている価格は 2021年11月5日 時点での価格となります。
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