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未知の可能性を秘めた新製品
“エレクトロオーガニック・パーカッション”と銘打って、打楽器の伝統的な奏法にも対応した画期的な新製品ATV aFrame。その仕組みを理解し、自らの音作りに活かしてもらうためのセミナーが、梯郁夫氏をゲストに迎えて開催されました。
試聴ガイド(YouTube上の解説テキストより、クリックで各項目解説に移動可能です)
・3:50〜 aFrameデモ演奏
・6:20〜 aFrameの音の仕組み
・14:30〜 基本的な音作りの方法
・28:50〜 圧力センサーによる効果について
・34:50〜 搭載エフェクト解説
・47:20〜 音のバリエーションについて
・1:03:45〜 質疑応答
会場には幅広い年齢層のセミナー受講者が集まり、熱い視線を注ぐ中、梯郁夫氏がaFrameを抱えて登場!実物のaFrameを間近で見ると、ダイヤモンドのような五角形のフォルムがとても独特な外観です。それはまるで映画『2001年宇宙の旅』に出てくる「モノリス」のように、さながら未知の可能性を秘めた謎の石板のような印象を受けました。
多彩な音を生み出す、様々な要素
音の構造についての解説では梯氏が難しくなりがちな話を、時折ユーモアを交えながら丁寧に解説してくれました。aFrameは独自に開発された「Adaptive Timbre Technology」によって、従来のサンプリング技術によるデジタルパーカッションでは不可能だったパーカッション本来の 「叩く」 「押す」 「擦る」 という奏法で発音、音色変化、エフェクトコントロールなどを表現することができるというものです。
具体的には真ん中と端にピエゾ・マイクが2個内蔵されており、“Timbre EQ”で入力音の倍音構成を変化させるというもので、イメージとしては叩いたり擦ったりした音をデジタルフィルターで加工するという、とてもシンプルな構造です。ティンバーと呼ばれる音の部品はメイン、サブ、エクストラ・ドライといった4つまで重ねることができます。倍音構成をそれぞれ32倍音まで足すことで作られる音は実に多彩で、梯氏はカホンやブラシといったパーカッションらしい音から和太鼓、鼓といった和楽器、金属的な響きを持つタンバリンやマリンバ、ジャーマン系のインダストリアルやボディミュージックで一斉を風靡したハンマービートのような重たい音まで、幅広い音を披露してくれました!
他にもティンバーの割り当てを変えることで、バスドラムとスネアの音の組み合わせで一人ドラム演奏が出来たり、和太鼓と金属楽器の組み合わせで一人夏祭りのような演奏も可能になるということで、これだけ多彩な音が作れると、バンドのライブやクラブイベントのパフォーマンスに加えたりできそうです。
音だけでなく搭載されているエフェクターも実に多彩です。リバーブはロングリバーブや、80年代に流行したゲートリバーブのような効果を生み出すことも実現可能です。ディレイはさらにショート、ロング、音が左右に飛び交うパンニング・ディレイといった多彩な設定が可能で、サウンド・オン・サウンドのような効果を出したいときにもこのディレイが活躍しそうです。他にもフェイザー、フランジャー、ワウ、オーバードライブといった多彩なエフェクターが搭載されており、音響系アーティストの方もアイディア次第で無限の音作りが楽しめそうです。
梯氏によって披露されたデモ演奏では、「叩く」「押す」「擦る」といった演奏から繰り出されるパーカッシブな電子音が、一つ一つ新鮮な響きの音楽を奏でていました。さらに足元に繋がれたルーパーのエフェクターをONにすると、より一層音が重なり合うことでより幻想的な雰囲気を生んでいき、たった一人で演奏しているとは思えないほどカラフルな世界に、会場の誰もが引き込まれていきました。
シンプルで美しく、手で触れた感覚をそのまま音に
仕様は打面が黒のポリカーボネート製、それを囲む外周にはFUJIGEN製竹フレームというものです。外観は竹の質感のせいか、どこか日本の伝統工芸品に近い印象を受けます。力の加減や手の当たる位置で違う音が流れ、手で触れた感覚をそのまま音に反映できるようにしています。実際触れてみるとわかると思いますが、aFrameは驚くほど軽くてさわり心地も良いです。ただいまRock oN Companyでは店頭でaFrameの実機を展示中ですので、ぜひ確かめてみて下さい。
演奏スタイルも抱えたりスタンドに置いたり、ストラップをつけて首から掛けたりと多彩な演奏が実現可能です。バッテリー電源駆動可能で音声出力をワイヤレス機器に接続することでケーブルレスとなるので、これにより演奏者に合わせた柔軟なステージパフォーマンスが実現出来そうです!
無限の可能性を感じた画期的な電子楽器
セミナー終了後、実際にaFrameを試奏する時間になると、セミナー受講者の皆さんは興味津々で直接梯氏から使い方を教えてもらうなど、終始和やかな雰囲気でした。そこでは皆さん初めて新しい楽器に触れた子供の頃のように、眼を輝かせていたのが印象的でした。
パーカッショニストの方が、新しい自分の音とリズムを探求してオリジナルパフォーマンスに磨きをかけるもよし、パーカッション未経験の方でも新しい自分の表現の可能性を試してみるのもよし、子供から大人まで十分楽しめるような、まさに『打てば響く』楽器です。
演奏者の固定観念に囚われない多彩なイマジネーションと表現力で、聴き手をどこまでも新しい世界へと連れて行ってくれそうなaFrame、近未来の伝統工芸を彷彿させる画期的な電子楽器の登場に、新しい可能性を感じたセミナーでした。
Writer.Miyazaki
記事内に掲載されている価格は 2017年2月15日 時点での価格となります。
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