昨今の撮影機材には欠かせなくなってきたカメラケージやリグ。多数あるメーカーの中でも非常に存在感のあるメーカー・ZACUTOのブースはさすがに多くの人が興味を持ち足を運んでいた。
展示内容としては、まず、Canon EOS Cには既発売のリグセット、グラフィカルHDに、VTC Pro Baseプレートが組み合わされ、そこから近々に発売されたモデルの、コントロールグリップを概ね自分の好きな位置まで伸ばすことのできるエクステンション・アーム:Rosette Zgrip Triggerが接続されていた。
SonyのFS7 / FS5 はデフォルトでこのスタイルとなっているが、やはり個々でできる限り安定した状態で保持できるようなアームが欲しいという要望があったのであろう、これによって他の多くのカメラで同じスタイルで撮影できるようになったのではないだろうか。
また、写真では若干見辛いが、カメラの後ろ側には同社の外部バッテリー:Gripperバッテリーが接続されている。
REDにはEOSと同じようなセットが組まれていたが、こちらには新商品のコントロール・グリップのセットが装着されていた。新たなコントロール・グリップは、これまでの歯車等により直結されたフォロー・フォーカスと置き換わる製品で、グリップからのコントロール信号を電気接続されたフォロー・フォーカス用のモーター内蔵ギア:Z-Motorをボタン等でコントロールするものである。ボタン類はメタル製であるものグリップ自体は木製のエルゴノミックデザインにとなっているところがZACUTOらしい。
また、その電源にはVマウント/Goldマウント バッテリーを装着できるBackpackが使用され、それぞれの機器への電源供給のほか、Z-MotorとWi-fiで接続し動作コントロールをする役目も持っている。他にもSDIの入出力、USBへの給電ができる等、電力が不足しがちな昨今のリグ・セットには非常に便利なギアとなっている。
今回は試すことができなかったが、アナログ的な直結された感覚的に微調整の効くこれまでのフォロー・フォ−カスとその使用感を比べたいものである。
そして、今回注目の最新プロトタイプモデルであるGH5用リグがお披露目です。DSLR用としては、これまでハーフケージが存在していたものの、ミラーレスカメラのような小型のカメラには大きく、無駄なスペースが生じてしまっていた。今回、GH5用ということではあるものの、小型の簡易的な取材でも使えそうなリグが出てきた事は個人的に非常にうれしく思う。
今回のケージは必須のコネクタ・ロック機構のほか、カメラスタイルでも保持しやすい様に右側にハンド・ストラップ、左側にはハンド・グリップを装着している。また、ローアングルで使える様にトップ・ハンドルも準備、特にこちらはGH5から新たに加わったアクセサリーであるXLRアダプタの「DMW-XLR1」を装着しても干渉しない様に取り付け位置が前側にオフセットしている。なお、ハンド・グリップ、トップ・ハンドルはNATOレールによって位置の調整が可能となっている。このセットの状態ならば、例えば一人での取材も十二分に活用でき、しかも軽快に移動しながら取材できるであろう。また、グリップ等を簡単に外して、これまでのフルセットのリグの中に入れる事も容易であると思われるため、活躍の幅が広いプロダクトになるのではないだろうか。
そして考えうる次の状況としては、ほぼ同じサイズ感、同じ様なXLRアクセサリーを既に発売しているSonyのα7、α7II、そして今回お披露目されたα9への対応だろう。若干のサイズ違いが非常に大きい専用リグだけに、そのまま取り付けられるとは思わないが、GHシリーズともにユーザーが多いであろうミラーレスαシリーズへの対応も是非とも期待したい。
ブース内にはこれまで同様、エミー賞を受賞した際の像とともに、多くの現場で活躍したであろう、これまで〜直近のプロダクトがガラスケースの中で展示されていた。こう見ると、使用者の声を良く取り入れ、緻密で信頼感のあるこれらZACUTOのプロダクトは所有感を非常にそそられるものである。
Writer : Tosihma
記事内に掲載されている価格は 2017年4月28日 時点での価格となります。
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