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音楽制作を始めたばかりのビギナーの方から、制作システムや機材についてのお悩みを募集して、その相談に答えていくというこのコーナー。
募集をしたところ、多くの方から取材希望&お悩み相談を頂き、多数のご応募、誠にありがとうございます!
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「70人でのオンラインセッション!?その驚愕の方法とは」
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スケール:今日はなんと都内の音大に通う、現役音大生が登場です!
さぶ:いやあ…なんか苦手だなあ。
スケール:ん、どうした、さぶ?
さぶ:学歴コンプレックスのあっしは、音大の人ってなんか理論バリバリで、難しい質問されそうで。
スケール:はい、問題発言。私から訂正してお詫びします。そのような事実はございません。さぶ、今日でお前は降板だ。次回からムンさんに来てもらおう。タイトルはそうだな、お昼の番組っぽく『ムン&スケール ビギナンデス!』にしよう。
さぶ:ひいいぃぃぃぃ!!!!
スケール:では気を取り直して・・今回リモートで取材させて頂ける方はこの方です!
スケール:今回はなんと音大生!だけどDTMはまだ初心者という、実に将来有望な若者にお越し頂きました。
さぶ:これは我々も責任重大でやんすよ、ついに音大生にアドバイスなんて…いつも以上に気合を入れていかないと。
スケール:現在も学校に通われているんですよね?
山本さん:今は作曲科なのでオリジナルの曲を書くのが主流です。ただ今年はコロナの影響でZOOMのオンライン配信での授業が多いです。ただ実技系は休講になってしまって、学びたいことが学べていません。将来的にはゲーム会社の音楽に就職したいとも考えているため、DTMにもっと強い人間になりたいと思っています。
さぶ:そうですか、コロナの影響がここにも・・・。
スケール:普通に大学に通っていた頃は授業で曲を作ったりとか演奏したりとか、交流が色々あったんですよね?
山本さん:はい、周りにバイオリンとかヴィオラとか演奏できる友人がいるので、自分で弦楽四重奏の曲を書いたら、友人に演奏してもらったのを録音したりしていました。一応簡易なスタジオがあったりするのですが、録音するにもオーディオインターフェイスとかではなくスマホでやってました。
さぶ:いいですね〜!プレゼン用に自分が作った自信曲には主旋律だけでもバイオリンで友人に弾いてってお願いできるのは心強いでやんすよ。
スケール:オケは打ち込みで作っても、主旋律だけでも生演奏を入れるとグレードが上がって聞こえますからね。そうした友人は大切にしたら良いと思いますよ。
●作曲家を志すきっかけは?
スケール:そもそも、音大で音楽を学ぼうと思ったきっかけは何ですか?
山本さん:7歳くらいから近所にピアノを習い始めてたんですが、小学生の頃からゲームが好きでゲーム音楽ってすごいなあって思っていて。中学生くらいから耳コピを始めて、徐々に自分でもゲーム音楽の曲を作ってみたいと思うようになりました。
さぶ:なるほど、音楽へのめりこむきっかけがゲームなんですね!
山本さん:高校生になってより本格的に学んでみたいと思い、音大のオープンキャンパスに行ったり夏期講習に行って大学教授からレッスンを受けたりするようになりました。作曲についてよくわからないまま自分の作った音源を持って行ってたので、そのレッスンではまず理論を勉強するようにと言われまして(笑)。高2の夏から先生を紹介してもらって作曲の勉強を習いに行って、和声とかソルフュージュとかを学んで今の大学に入った感じです。
スケール:やりたいことに向かって一直線に進んでいる感じですね。ちなみに感銘を受けたゲームって何ですか?
山本さん:曲を作りたいと思ったのは「CLANNAD」や「リトルバスターズ」を見て感銘を受けたのがきっかけです。
さぶ:なんと!世に言う美少女ゲーム系ってやつですね。
スケール:ん・・・美少女ゲームとは!?
さぶ:恋愛アドベンチャーゲームというジャンルがありまして、可愛い女の子がいっぱい出てきたりします。特にKeyさんのゲームは綺麗な音楽が印象的だったりするでやんす。
山本さん:それから王道の『ファイナルファンタジー』とか『ドラゴンクエスト』といったRPGをやるようになって、そこでゲームっていろんな編成の音楽があるクラシカルなものからロック調のものまで幅広いんだなあって思いました。
スケール:たしかに日本のゲーム音楽はもはや一つのジャンルとして人気ですね。ゲーム音楽を作りたい方は今とても多いですが、音楽性も多様で一言では言えないジャンルになってきています。
さぶ:アニメの劇伴作家志望の方も昔より多いですよね。
ストリングス音源でおすすめは?
さぶ:オーケストラ系の音源だと、今持っているのがEast WestのHollywoodシリーズですよね。どちらかというと結構ゴージャスで派手なイメージですが。
山本さん:はい、East Westの音源だと残響音が元から音源に入ってたりしているので、普通のポップスにも使える音源としてドライな音が収録されたVIENNA WOODWINDS 1とか欲しいなって思ってます。
スケール:たしかにViennaはドライでマイクに近い感じですからね、小編成であればVienna Special Editionとかいいんじゃないでしょうか。音の芯がしっかりしているので、ポップスの中でもドラムやギターなど埋もれずに聞こえてきますよ。
山本さん:Viennaの音源はアカデミック版で買いたいと思っています。
スケール:それは賢い!せっかく学生なのでそれを利用しない手はないですよ。
さぶ:うらやましい話でやんすよ〜〜!
スケール:ストリングス系はSpitfire Audioも大人気なんですよ。ViennaとEast Westの中間のような、音源の持つ空気感が楽曲に馴染みやすくて、絶妙のリアリティが加わります。ストリングス音源もメーカーごとに特色があるので、楽曲によって使い分けたり混ぜるというのも効果的です。LA Scoringは微妙にピッチが違うのでチューニングに注意が必要ですが、一つの音源で完結するよりもいくつか混ぜるとサウンドがレベルアップします。コード感を出したいパートとフレーズを聞かせたいパートを使い分けたり、マイクが遠いストリングスを重ねて馴染みを良くするとか、プロのアレンジャーさんも複数の音源を使っていますよ。
山本さん:なるほど!どれか1種類ではなく、曲に合わせて使い分けたり、混ぜて使うといいんですね!
さぶ:音色の傾向とかもこちらの記事でわかったりするので、参考にしてみてください!
ストリングス音源比較「HEAR THE REAL TONE 2017 ~ Strings編 ~」
記事はこちら
ストリングス以外にゲーム音楽制作で重宝するものは?
スケール:その他の音源はKomplete12があれば十分かなとも思いますが、Omnisphere2にもシネマティックな系統で使える音源が結構入ってるんで、持っていてもいいかもですね。
さぶ:Omnisphere2は音色も豊富で、ゲーム系・アニメ系の作家の方はよく使ってますね。
スケール:それと音源を聞かせてもらって今後の課題かなと思うのは、戦闘系の音楽とかでドラムとかベースのアレンジかなって思うんです。苦手であれば、EZ BASSとEZ Drummerなんか良いですよね。
このあいだの記事でも話が出ましたが、EZ BASSはドラムやピアノに合わせてベースラインを自動作成してくれるし、EZ Drummerはリズムパターンが色々入ってて、苦手な人はこういうところで補うのも良いです。
山本さん:はい、たしかに今はクラシカル系な曲ばかりなので、これからはドラムとかベースの音が入った楽曲とかも幅広く作れるなりたいなって思います。
さぶ:ゲームはさっきも言ったように幅広いジャンルに精通して曲作りが出来ることが理想ですが、それって難しいことに感じるんですが、どうなんでしょう?
スケール:たしかに、ゲーム音楽は近年、音楽性も多様化していますから、まずは自分の好きなジャンルや得意分野を持っておくのが良いのではないでしょうか。そこから幅広いジャンルに対応できるように、音源のライブラリを増やしたり、アレンジの仕方を覚えておくということで。
さぶ:まあ大学で学んだ音楽の基礎はあるわけでやんすからね。ミックスの話で行くと、プラグインはNeutron 3やOzone 9も持っているんでやんすね。
山本さん:はい、どちらも今年になって買ったばかりです。それまでは譜面に書いて友人に弾いてもらって満足だったのをミックスとかマスタリングとかを自分でもやりたいと思って。正しいやり方を真似るためにNeutron 3のミックスアシスタント機能とかOzone 9のマスターアシスタント機能を使って、少しずつ勉強している段階です。
スケール:それが正しい学び方だと思いますよ。プリセットでどういう使われ方をしているか把握するのが1番の近道だったりしますから。
さぶ:あとはiZotopeの公式動画とかを参考にするといいですよ。iZotope公式アーティストで、ゲーム音楽もたくさん作っていらっしゃる青木征洋さんの解説は絶品でやんすから!」
スケール:我々Rock oNスタッフのレビュー記事もぜひ参考に!
iZotopeのAIアシスタントにミックスとマスタリングをお任せしてみたVIDEO!!
記事はこちら
iZotope Neutron 3 製品レビュー!「ミキシングは、新しい時代へ!」
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iZotope Ozone 9を触ってみた!Rock oNスタッフによる最速動画レビュー!
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さぶ:ゲーム音楽の作曲家になりたいということですが、具体的な進路を考えていたりするんでしょうか?
山本さん:友人にはゲーム会社に就職したり卒業生の方では劇伴の仕事についた方もいるので、私としても将来的には何かしら音に関わる仕事につけたらいいなあって思います。
スケール:できればゲーム会社のサウンドチームなんかに入ったりできると理想ですかね。
さぶ:卒業まであと一年半ですか、長いようであっという間ですからね。夢の実現に向けて焦らず自分の理想を形にしていってほしいでやんす!
スケール:コロナ渦でなかなか人に会ったり学校に通ったりできない時期ですが、自分を磨く大切な時間かと思うので、ぜひ学んだことを生かした楽曲制作に励んでもらえればと思います!
山本さん:はい、色々とありがとうございます!頂いた意見を参考に頑張ります!
さぶ・スケール:頑張ってください!
後日談
さぶ:大変でやんす!なんとあの山本さん、劇伴作家さんの事務所にアシスタントとして採用されたそうです!
スケール:何だって!?すごいじゃないか。作家事務所のアシスタントなんて狭き門なのに。
さぶ:夢って、信じていれば叶うんですね・・・
スケール:いやそういうものよ。
さぶ:若い人たちが明日へと羽ばたいていく・・なんか、いいですね。
スケール:いつの時代もすがすがしいものよ・・
さぶ:いや!これは我々の指導力に満ちたアドバイスが背中を押したってことでやんすね。もう来年我々のフェスは決まりじゃないですかね。『さぶ&スケールビギナーフェス Rookies-夢にときめけ!-』!!!」
スケール:いや、、、プレゼント発送だろう。
さぶ:ひぃぃぃぃ!!!
つづく
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