Steinberg WaveLab 9.5が新発売!WaveLab 9.5は音を可視化して補正などの編集を行うスペクトラムエディターを強化し、それと共にレストア機能を充実させました。これまでマスタリングソフトとして名を馳せているWaveLabがよりポスプロ業務やマルチメディアに向けたパワフルさを身につけました。
WaveLab 9.5 の新機能
スペクトログラムの刷新
WaveLab ならではのスペクトラム表示/編集機能が、ver.9.5 では一段と進化しました。まず周波数帯域分布を時間軸ごとに表示するスペクトログラムが徹底的に見直され、視認性、操作性、表示速度が大きく向上。カスタマイズ可能なビュー、プリセット付きカラースキーム、心理音響スケールなど機能も充実し、目的の周波数帯域を素早く見つけて編集することができます。
新しいウェーブレット表示
WaveLab Pro 9.5 ではオーディオファイルに含まれる音楽的なピッチの変動を解析し、音楽的要素をより正確に視覚化できるウェーブレット表示を新搭載しました。ウェーブレットはすべての周波数帯域からエネルギー分布をダイナミックに表し、高い周波数帯域ではより高い時間軸分解能を、低い周波数帯域ではより高い周波数分解能を示します。スペクトログラムと同様ウェーブレットも高度にカスタマイズでき、プリセットの保存も可能です。
先端を行くスペクトラムエディター
WaveLab Pro 9.5 では、刷新された豊富なスペクトラム編集機能にいつでも素早くアクセスできるよう、従来の「スペクトラムエディター」ツールウィンドウに代わって専用の「スペクトラム」タブを搭載しました。
スペクトラムタブではこれまでの標準の長方形選択ツールに加えて、範囲を自由な形で選択できる「なげなわ」、選択箇所を描ける「ブラシ」、周囲の同様のレベルを持ったスペクトラム内容を自動分析して選択できる「自動選択」など、多くの選択ツールオプションが追加されました。自動選択ツールでは選択箇所の基音に対する1つまたは複数の高調波倍音域を選択することも可能です。
さらに、選択ツールが増えただけでなく、スペクトログラムにテキストや画像などのウォーターマークを追加する機能や、ハイレベルなオーディオエンジニアリングのためのファインチューン機能なども完備しています。
オーディオ修復
画像編集ソフトウェアの世界で「インペインティング」「コンテンツに応じる」などと呼ばれる補完修復技術をご存知でしょうか?
WaveLab Pro 9.5 はこれを、オーディオの世界で実現します。
Audio Inpainting は Steinberg の特許出願中のテクノロジーであり、音源に含まれる不要なノイズをこれまでになく的確かつ簡単に除去し、またドロップアウト等で欠落してしまった部分を、周辺のスペクトラム情報の解析によって論理的に再現できる技術です。
最適な結果を得るために、解像度や精度のアルゴリズム、元のスペクトラムの再現性、参照する周辺箇所の範囲などを、「周囲のリージョンを表示」オプションにて詳細に設定することができます。
ホワイトノイズのようなタチの悪いノイズも綺麗に削除することができました。「スペクトラムエディター」で選択した音の倍音も選択可能という驚きの機能も!
エラー修正機能のリニューアル
オーディオ素材に含まれるクリックやエラーなどの検出から修正までのプロセスをより高速化するために、これまで「エラーの修正」ツールウィンドウに搭載されていたエラー修正機能を「修正」タブに変更し、再設計しました。
また、エラー修正機能にもオーディオ修復アルゴリズムを搭載したことにより、必ずしも高度なスペクトラム編集を行わずとも、効果的なエラー除去が可能です。
RestoreRig
WaveLab 9.5 は、旧バージョンでの Sonnox 製レストレーション(整音)用プラグイン3種に変わり、新しいアルゴリズムとモダンなインターフェースを備えた Steinberg オリジナルのプラグインスイート RestoreRig を新搭載しました。
RestoreRig は DeNoiser、DeBuzzer、DeClicker (DePopper / DeCrackler 機能も含む) の3モジュールをシングルインターフェースに統合。ゲイン、レベル、スペクトロメーターの装備により正確かつ柔軟性に富んだ整音を可能にし、不要なノイズをリアルタイムに検出し取り除くことができます。
また、それぞれのモジュールは独立したノイズリスニングモードを搭載し、除去されるノイズ成分だけをモニターすることも可能です。
強化されたプラグイン
MasterRig の改良
WaveLab Pro 9 で搭載された強力なマスタリングツール MasterRig が、ver.9.5 ではさらに進化しました。
Limiter モジュールの Maximizer に Modern モードアルゴリズムと Mix ノブを追加
Equalizer モジュールの最初と最後の EQ バンドに 6 dB/oct と 96 dB/oct のカットスロープ、また各バンドに独立したリニアフェーズモードを追加
ライブスペクトログラム
WaveLab Pro 9.5 の洗練されたスペクトラル機能の極み、スペクトグラムメーターでは、オーディオファイルの再生中にリアルタイムで周波数スペクトラムの遷移を表示することができます。
リアルタイムプラグインエフェクトを適用した場合は、エフェクトによる影響をスペクトログラムで即座に視認することができます。もちろんエフェクトパラメーターの変更による影響も動的に反映します。
メーターセクションにこのメーターが追加されたことにより、リアルタイム処理を行う際にファイルの全周波数帯域を効率良く確認することができます。また、録音中のオーディオの周波数成分のモニタリングにも役立ちます。
Apple Touch Bar 対応
Apple MacBook に搭載される Touch Bar に対応しました。Touch Bar にさまざまなツールや動作を割り当て、指先で瞬時にアクセスすることができます。
記事内に掲載されている価格は 2017年10月25日 時点での価格となります。
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