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みなさん、こんにちは。シンコーン清水ことASAP清水です。今回紹介するのはEhrlundのEHR-T。噂のトライアングルカプセルが前面と背面に2つ搭載されたデュアル・カプセル・スタイルのスタジオ・コンデンサー・マイクロフォンです。なぜ三角?なぜ2つ? そんな疑問にお答えしていきましょう!
Ehrlund特許 “トライアングル・カプセル・メンブレン”
まず、アーランドというメーカーの成り立ちから見ていきましょう。
スウェーデン発のメーカー Ehrlund (アーランド)。シリヤンスネースという小さな村にあるRESEARCH ELECTRONICSというメーカーが2005年に立ち上げた会社とのことです。音響エンジニアのヨハン・アーランドさんが開発した「トライアングル・カプセル・メンブレン」に合うプリアンプをRESEARCH ELECTRONICSが作るというようなコラボレーション的な形で始まった会社とのことですね。RESEARCH ELECTRONICSという会社は基盤などを作っている会社で工場を持っているため生産能力が高く、トライアングルカプセルを搭載した新しいマイクが続々登場しております!
濁りのないクリアなサウンドを捕らえるための三角形
「トライアングル・カプセル・メンブレン」は三角形のオトシをつけたベースプレートで振動板を挟みこむ構造で,音声を捉える振動面を「トライアングル」にしています。ではなぜトライアングルなのか。それは無駄な振動をなるべく抑えるため。丸いカプセルではゴングのように残響があります。三角のゴングがあったらどうでしょうか、、『カーーーーン』ではなく『カンッ』となるでしょう。
音の空気振動がダイアフラムにあたり、ダイヤフラムが振動し、それが電気信号に変わります。丸いカプセルの場合、振動が収まる前に次の音が来てしまい、ピュアな状態でその音を捉えられなくなります。
それが三角形なら振動がすぐ収まる分、次の音をピュアな状態でキャッチできるわけです。
2つのカプセルで織りなす、様々なポーラー・パターン
なぜ2つのカプセルが搭載されているのでしょうか、、
実はこのEHR-T。付属される5ピン-3ピン×2 XLRケーブルを使って,ミキサー側で位相を反転したり,ゲインを調節することで異なるポーラー・パターンを作成することができるのです!以下にそのパターン例を挙げてみます。これ以外にも楽曲を聴きながら、微妙なレベル調整を行うことで楽曲でのその音の居場所を探ることも可能です。
※オタリテック記事より抜粋
マイクでの色付けをしない。それがカラフルなサウンドの第一歩。
このアーランドというメーカーのマイクの特徴の1番はやはりトライアングルカプセル。トランジェントを的確に
捉えることができる点にあります。さらに周波数範囲に注目!7〜87,000 Hz!!下も上もとんでもない数値です。
このマイクの方向性としては、ずばり音の『そのまま』を電気信号に変えることです。色で言ったら『無色』。
その後マイクプリ、コンプ、EQ等でどういう色をつけるか。その色乗りがいいというメリットがそこにはあるのです!つまりエフェクト乗りもいいです!
昔美術の時間に油絵を描いた時、、最初に色を一色決め(自分は緑を選んだ気がします。)その色で全体像を薄く描いてから色を重ねて、作品を作っていきました。そんな記憶があります。
レコーディングも一緒で、使用するマイク選択によりまず全体的な色付けをして、マイクプリ、コンプ、EQ等で色を重ねて色を作っていく。
マイクの色でその色の方向性はある程度決まってしまいます。まずはアーランドのマイクで薄く色付け、、、
『輪郭だけリアルに捉えましょう!細部は(マイクプリ、コンプ、EQ等で)そのあと塗りますから。』みたいなそんな感じです。塗り絵みたいな、、、伝わりますでしょうか・・笑
Rock oN では“トライアングル・カプセル・メンブレン”マイク EHR-MとEHR-Hを展示しておりますので気になる方はぜひチェックしにきてください〜。
Writer.シンコーン清水
記事内に掲載されている価格は 2019年5月21日 時点での価格となります。
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