昨今のIKEAやBaiduとのコラボレーションの話題で、実は企業として大きな規模であることを明かしているTeenage Engineering。もはやギークな知る人ぞ知るというメーカーではなく世界で認められた名ブランドの一つとなっています。
しかし、いくら有名なったからといってその遊び心が変わることはありません。SUPERBOOTH18ではあのOP-Zが実働展示されていました。
「もっとも楽しいシンセ」とも言われた名機OP-1の約半分ほどのシンプルなボディ。OP-Zは「ビジュアルをコントロールすることもできるドラムマシン、シーケンサー付きのシンセサイザー」です。
OP-Zの魅力の概要をTeenage Engineering マーケティングのGrant Smithさんに教えてもらいましょう。
いかがでしょうか。おさらいするとOP-Zの音源はシンセ(4tr)とドラムマシン(4tr)。全てのトラックが独立した最大16ステップシーケンサーはステップ・コンポーネントと呼ばれレイヤー化されていて、それぞれにノート情報やそのほかパラメーターの変化を記録できます。最大14ものコンポーネントを重ねることができるため、たった1つのシーケンスに様々な効果や時間的な変化を残すことができます。
そしてOP-1で好評のテープエフェクトはテープ型コントローラーでフィジカルに音を出したり止めたりして有機的な演出が可能。パンチインエフェクトはボタンを押した時のみかかる直感型エフェクトでライブの際に強力なアクセントとなります。
1つのフレーズからコード進行のある曲を作る際に便利なスケーラブルなトランスフォームはとっても便利ですね。ループ系の楽器は苦手という人も注目!
そしてここからがOP-Zがこれまでの楽器と全く違うところ。ビジュアルを自身で操作/シーケンスすることができるのです!
OP-Zは照明や舞台装置における世界基準のコントロールプロトコル『DMX』を操作/シーケンス可能です。DMXは電子楽器でいうとMIDIのようなものなので、末端機器の様々な機能を使うことができます。会場側と話をつけておけばライブの際に照明やレーザーを自分で操ったり、フォグマシンで煙を出す演出も可能。なんと夢がひろがるのでしょう!
そしてモニター画面にヴィジュアルを映し出すモーションという機能がいさらにおもしろい!
モーションには2つのモードがあります。
PCやスマホの中からあらかじめ設定しておいた画像をシーケンスして映すことができます。
ユニティ3D
OP-Zの各パラメーターを反映して様々なCGを動かすことができる、VJCGに似た機能。動画の中ではOP-ZのパラメーターをVR風宇宙船コクピットのCGで見ることができていましたが、それだけではないのです。
この機能にはゲームエンジンのUnityが使われていて、開発には生みの親 Unity Technologies社と、同社の関係者でもあるVJ keijiro takahashi氏が大きく関与しています。OP-Zはまだプロト段階なのでこの機能についてこれ以上の言及はできませんが、ここまでくるとOP-Zは楽器というよりも、音楽を包括したアートのための電子ツールと言えるかもしれません。特にVJの方には注目してほしいものです。
モーション機能やパンチインエフェクトなどOP-Zが映し出す画像は、PC経由でモニタ画面に表示する以外に専用Appをインストールしたスマホにも表示することができます。大掛かりなセットがなかったとしても、ホームパーティーなどで楽しむこともできるのです。
OP-Zの発売時期と価格はわかり次第Rock oN WebサイトやTwitterでお知らせします。どうぞお楽しみに。
OP-Z
https://www.teenageengineering.com/products/op-z_preview
こちらも新製品。インテリア性の高いパワードスピーカーOD-11のイエローバージョン。限定生産の特別モデルです。
OD-11はスウェーデンの音響デザイナー 故ティーグ・カールソン氏の代表作、OD-11オルソ指向性ラウドスピーカーをTeenage Engineeringの技術で復刻させたものです。
Teenage Engineering謹製のOP-1 & POシリーズのモバイルキット。もちろんワンオフのハンドメイド。
電源/ミキサーモジュールと共にAPI500ラックに収まっているのがプロ仕様です。これ、かっこいいなあ。
いつも楽器を超えた楽器を提案してくれるTeenage Engineering。OP-Zの発売はアートの世界に刺激をもたらすかもしれませんね。これからもとても楽しみです。
Writer.Tomita
記事内に掲載されている価格は 2018年5月6日 時点での価格となります。
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