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24
Jan.2020
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Rock oN AWARD 2020 座談会

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各賞決定が発表されたRock oN AWARD 2020!今年もゲストノミネーターにご協力頂き、栄えあるBest Product of the Yearを含む各賞がついに決定! そして選考会の後に結果を振り返る毎年恒例「Rocko N AWARD 座談会」。Rock oNスタッフが2019年新製品のあれこれを語ります。

AWARD受賞にならなかった製品たちも、座談会で評価され盛り上がっているその裏側をぜひご覧ください!!

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Rock oN AWARD 2020 座談会に参加した選考委員

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恒吉 : Rock oN AWARD 2020 のベストプロダクト「Product Of The Year」は iZotope Ozone 9 Advanced に決定しました!去年の RX7 Advanced に引き続き iZotope 製品の2年連続受賞となりましたが、ユーザーから高い支持を受けた理由は何だと思いますか?

PD安田 : iZotope製品はOzoneだけに限らない話なんですが、ユーザーが欲しいと思う機能への目の付け所がいつも良くて、しかも誰でも簡単に操作できるように設計されているのが人気の理由だと思います。音をグラフィカルに見せてくれて初心者にも分かりやすい。

スティービー竹本 : Master Rebalance 機能で、例えば納品された2mixデータに問題があっても再調整出来るようになった点はエンジニアから特に絶賛されていました。

PD安田 : セールス面でもiZotopeプロダクトはブラックフライデーキャンペーンの盛り上がりがとにかく凄かったですよね!

ACID渋谷 : あれはもう祭りでした。ブラックフライデー後に開催したiZotope黒金祭アフターフォローイベントも大盛況でした。

記事:#iZotope黒金祭After “Road to 2020” (2019年12月13,14日 開催)

恒吉 : Ozone 9以外で印象に残った製品はありますか?

パパ洋介 : Neutron 3 ですね。AIミックスアシスタントの登場はとても驚きました。進化の度合いで比較すれば Ozone 9よりも Neutron 3の方が大きかったと思います。

Dialogue Matchも画期的でしたね。リバーブを解析して付け足す技術は、別録りした音源との残響のマッチング処理に苦労してきたポスプロ業界にとって衝撃的な製品でした。これまでのノイズリダクション=引き算の発想から足し算の発想に、大きなターニングポイントになる製品かもしれませんね。

RED先生 : 私の周りでも Dialogue Match への反響が大きかったです。RX7が出た時 De-reverb に関心を示す人が多かったのですが、今回のDialogue Matchは更に待望の機能が登場したという感じですね。

記事:iZotope Dialogue Matchとは!?触ってみて新しい可能性を考えてみる

恒吉 : iZotope製品全体が盛り上がりを見せた2019年でしたが、マスタリング初心者からプロのエンジニアまで幅広い層から支持を得て、投票数やレビュー数も非常に多かった Ozone9 Advanced が横綱級の強さを見せつけた結果になりました。


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パパ洋介 : iZotope の Dialogue Matchも技術的に新しかったと思いますけど、Tech AWARDノミネートの中で一際インパクトがあったのが McDSP APB-16 ですね。見た目はデジタル機器っぽいけど中には本物のアナログ回路で構成されていて、それをAAXプラグインとして使えるという世界初の製品です。コンプやリミッター、アナログミキサーまで様々なアナログアウトボードががプラグインとして扱えるのは画期的です。

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マエストロ佐々木 : アナログアウトボードにオーディオIFから音を送って、処理された音をオーディオIFで録音する「行って来い」をやるという意味では同じですけど、ハードウェアのアウトボードはケーブル類の引き回しがあったりするので、アナログの引き回しが筐体内だけになるAPB-16はS/N的にも有利です。Thunderbolt 接続するだけで何台ものアナログアウトボードが使えるようになって、しかもトータルリコール可能という夢のシステム。スタジオワークでは複数プロジェクトが同時進行するので、アナログ機材でありながら設定が保存できるというのは大きいですね。ニラジさんのスタジオで実際に APB-16 の音を聞いたんですけど、アナログ回路でしか出せないサウンド、深みのあるダイナミクス処理ときめ細やかなサウンドに驚きました。

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パパ洋介 : パソコン内でミックスやマスタリングを完結させるスタイルが増えて来ましたけど、それでもやはりアナログの質感が欲しくて、通すだけで各トラックに立体感が出たり2mixにまとまりが出るサミングミキサーを導入する人が多いです。APB-16用 アナログミキサープラグイン Moo X Mixer が発表されましたので、これはかなりサミングの本命になるんじゃないかと期待しています。

記事:McDSPがAPB-16用プラグインMoo X Mixerを発表!!

マエストロ佐々木 : アナログアウトボード導入を検討している人によく話すんですけど、それなりの価格帯の機材でないと、かえって音痩せしたりノイズが増えてしまうので、ダイナミクス系からサミングまで数種類のハイエンド機材を導入するのであれば APB-16 を1台買う方が遥かにお得ですよね。1Uサイズなので場所も取らないですし。


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恒吉 : Instruments Software AWARDは IK MultimediaのMODO DRUM と xlnaudio の XO が争いましたが、得票数とレビュー数の差で MODO DRUM が受賞となりました。

PD安田 : MODO DRUM はユニークなポイントがいくつかあるんですけど、スティックの種類を変えたり、ビーターを変えたり、打点の位置を変えるといった事が物理モデリングで出来るのが新しいですね。

マエストロ佐々木 : シンバル系に関してはPCM方式なんですが、物理モデリングとPCMが共存したハイブリッド方式なんだね。

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PD安田 : 物理モデリングは今までのソフトドラム音源にはなかったんです。私が行ったレビュー動画が注目を集め、結構再生されたんですよ。

記事:IK MultimediaのMODO DRUMを触ってみたぞ!

ACID渋谷 : 次点だったxlnaudio XOですが、これは画期的なサンプル管理ツールでした。SPACEというまるで宇宙のような空間に大量のワンショットサンプルが分布されており、視覚的にサウンドをチョイスできます。サンプルの分布や表示される色も合理的でXY空間に音の傾向に沿って配置されています。また絞り込みも便利でキックやスネアといった分類だけでなく、ディケイの長さなど、サンプルの持つパラメーターを元に体系的に表示させる事が出来るんです。ユーザーサンプルの取り込み&解析も一瞬で行えるため、バラバラに買い漁ったサンプルの整理に役立ちます。そしてもちろんパターンの選択やEDITによって素早いビートメイクもできます。xlnaudioはAddictive Drumなど生楽器のスタンダードな製品のイメージが強かったのですがXOの登場でイメージが変わりました。

記事:サウンドの宇宙を探検!画期的なビートメイクツール XLN Audio XO

恒吉 : UJAM の VIRTUAL DRUMMERS BUNDLE 2 と VIRTUAL GUITARIST – CARBON も多くの票を獲得しましたけど、皆さんの印象はどうでしたか?

スティービー竹本 : UJAMのジャネさんもPRを盛り上げましたね。2019年は特に日本に浸透した年になったと思います。

ファンキー松本 : 楽器が弾けない人でも簡単にフレーズを並べて組み上げられるソフトは、リズム系の音源では色々と製品があったんですけど、ギターやベースといったウワモノでも同じスタイルで制作が出来るようになったというのがポイントですね。

PD安田 : UJAM はシンプルインターフェースで使いやすいですね。店頭で試聴を希望されるお客様も結構多かったです。

ファンキー松本 : 個人的にはベース音源の Prominy SR5 を評価しています。世界で一番サンプル数を使っているベース音源なんです。Prominy は日本のメーカーなんですけど「世界で一番リアルな音源を作る」という信念の元に作られたベース音源で、まさにその通りの製品だと思います。

記事:Prominy SR5 Rock Bass 2 新たに収録されたサンプルにより更にリアルなロックベースサウンドに進化!

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ACID渋谷 : Instruments Hardware AWARDは Behringer POLY Dが受賞しましたが、2019年はシンセ界にBehringer旋風が巻き起こりました。高いクオリティで多数の製品をリリースし常に世界中で話題に上がっていました。Behringer製クローンシンセとオリジナルの聞き比べをやったんですけど、一昔前のクローンとは比較にならないクオリティで、なおかつあのプライス設定ですから。10代のクリエーターにBehringerのシンセを紹介する機会があったのですが、当然オリジナルを知らないし、Behringer自体も知らないのですが、事前知識がない状態で弾いて「何これ!カッコいい!プラグインと全然違う音がする!」と凄く気に入ってくれました。Behringerは下の世代にも我々世代にも、どちらからも受け入れられるシンセブランドになりつつあると感じています。

スティービー竹本 : Behringer は SUPERBOOTH17 (記事はこちら) でアナログシンセサイザーを初めて発表し、たった2年足らずでシンセファンの心を掴んだ感じですね。

ACID渋谷 : Behringerの復刻アナログシンセ作りには、ある強みがあります。Curtis Electromusic Specialties(カーティス)製CEM3340チップの完全クローンを自分のグループ会社で作れるんです。このチップは、Roland SH-101 や Sequential Circuits Prophet-5 などに使われたICで、これまでのクローンはCEM3340の特許が切れる前だったのでチップを完全に再現出来なかったのですが、現在特許が切れ、 Music Tribeのグループ会社 Cool Audio が完全に同じものを作れるようになり、それが Music Tribe のグループ会社であるBehringer製シンセに搭載されている訳です。そういった強みがあり、音もオリジナルと近く、ストーリー的にも相当な説得力があります。

マエストロ佐々木 : Behringer のシンセは数多くリリースされる予定だけど、特に話題なのが POLY DとRD-8かな。

ACID渋谷 : POLY Dは少し触りましたが、良かったです。ポリフォニックというか厳密には動作的にはパラフォニックなのですが、それがまたオシレーターの設定ごとに和音構成音を変えられるので楽しかったです。MOOG製のMODEL Dとはやはり音は同じではないですが、存在感やモーギーな感じは全く違和感ありませんでしたね。ドライブできるのも良いしシーケンサーも付いてて正解だと思いました。

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behringer POLY D
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behringer RD-8

恒吉 : 国内のシンセメーカーはどうでした?

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ACID渋谷 : 各ブランドが自社のヒット商品にさらに磨きをかけた印象がありました。KORG minilogueが、求めやすい値段で4ポリを出して大ヒットしたのは皆さん覚えていると思うんですけど、minilogue XDも痒いところに手が届いて良かったです。デジタルマルチエンジンを加えた事で音色の幅が広がったのと、マイクロチューニングを搭載して平均律以外の音も出せるようになり、サウンドデザイナー系の人にも広く受け入れられました。そしてそんなminilogue XDのデジタルオシレーターがガジェットプロダクトのNTS-1にそのまま入っちゃったのも驚きでした。あんなに小さい組み立て式シンセでも実用的な音がする。さすがKORGと思いました。

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ACID渋谷 : RolandはAIRAシリーズの待望の新製品が出て、いくつかのプロダクトラインが復活しました。個人的にグッと来たのはMCシリーズでしたね。私もかつてMC-909の熱心なユーザーでしたので、どんな機能がついたのかと思って見てみたらシーケンサーがabletonのようなクリップベースになっていて、そう来たかと。あれはパターンシーケンサーの正統進化だと思います。またJupiter-XmはRolandのコンパクトシンセとしては15万前後という新しい価格設定ですが、メタル筐体、さらに新しいAI的なアルペジエイターとJunoの音も搭載していてバランスが良く、かなりいいなと思いました。Rolandはここ2~3年、Boutiqueシリーズ中心でセルフリバイバルをやっていた印象だったので、Behringerが破竹の勢いでプロダクトを連発する今どう出るかと思ってみていましたが、意欲的な商品が出てきたので嬉しかったですね。


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FANTOMシリーズ

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マエストロ佐々木 : 1010musicのBlackboxは、「久々にサンプラーが出て来たな!」と思いました。

1010music Blackbox

ACID渋谷 : 1010musicはモジュラーシンセのメーカーなんですが、同社のモジュールの機能を少しずつ足した初のデスクトップタイプとしてblackboxをリリースしました。モジュラーシンセは相変わらず面白いモジュールが年に数百単位で出ている一方、日本ではデスクトップタイプの人気がとても根強いと感じます。特にサンプラーは歴史も深く特別な位置付けですよね。このサイズのサンプラーって、全盛期には激戦区だったんですけど、今はこういったプロダクトが少なく、blackboxはすごく人気が出ました。

マエストロ佐々木 : あとは、Moog Oneですね。メーカー同士で刺激し合っている感じがあった年だったと思います。

記事:究極のmoogシンセサイザー「Moog One」


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マエストロ佐々木 : 受賞したTelefunkenのAlchemyシリーズのTF47は評判いいですよ。

PD安田 : Alchemyシリーズは、その前に”R-F-T”という旧型番があったんですが、今回、カプセルをはじめ、設計から新しくなった製品です。

パパ洋介 : R-F-Tシリーズはサウンドのキャラクターが強いんだけど、その音が欲しいっていう人にはドンピシャにハマる音でした。

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スティービー竹本 : Alchemyシリーズになってサウンドのキャクターは大分変わりました。以前別件のインタビューで代理店のMIDさんから伺いましたが、工場を変え、金型から作り直し、クオリティと生産状況が安定したというのも売れている理由なのかなと思います。あと、マイクではAntelopeのEdge Goも印象に残りました。CPU負荷をかけずにリアルタイムのピッチ補正やエフェクトが可能、Auto-Tune Synergyも使えます。ヒップホップのボーカルプロダクションには最適ですね。

記事:CUTTING EDGE 2019:USBマイク史上初モデリングを採用したAntelope Audio Edge Go!

ファンキー松本 : ヘッドフォンですが、Sony MDR-M1STが話題になり、セールス的にも目立っていましたね。

RED先生 : 定番であるSONY CD-900STユーザーの声を聞くと、後継モデルという感じではないという意見もあります。

マエストロ佐々木 : 音質は後継機とは言えないくらい違いがありますよ。

ファンキー松本 : CD-900STは、どちらかと言うとレコーディング時のモニター用というイメージが大きかったと思いますが、MDR-M1STはミックス用途も見据えた、低域も多い今っぽい音になっていると思います。それを好感触に受け取る人が多い印象です。Rock oNスタッフにも意見を聞いて回りましたが、みな高評価だったですね。

記事:モニターヘッドホンSONY MDR-M1ST の試聴レビュー!Rock oNスタッフが聴いてみました


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パパ洋介 : 受賞したDrum Gateは久々のSonnoxの新作ですね。ユーザーにとって「かゆい所に手が届く」製品を作って来たなと思いました。多くの人が欲しかった商品ですね。

スティービー竹本 : Drum Gate以外だと、Apogee Clearmountain’s Domainは、忘れてはいけないと思います。これはボブクリの「あの音」になるという(笑)好きな人はハマる製品ですね。

動画:Apogee Bob Clearmountain’s Domain in AES 2019 by Rock oN

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RED先生 : あとはfab filterのEQプタグイン Pro-Q3は、視覚的に色々な情報をアシスタント的に出してくれ話題になりましたね。頂いたユーザーレビューでも絶賛のコメントが並んでいて熱狂的なファンが多い印象です。ここ最近指名買いが多いですよ。Q1、Q2、Q3と進化を重ね反応速度が良くなりました。Q3を買うと過去のバージョンのQ1とQ2のライセンスも付いてくるので、データをやりとりする際や過去のプロジェクトを開く時に問題ないのも魅力です。

スティービー竹本 : Leapwing Audioも話題になりましたね。サウンドの奥行きやステレオイメージに新しい世界観をもたらしました。

記事:新世代ミックス&マスタリング プラグイン:LEAPWING AUDIO


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マエストロ佐々木 : SSL SiXが受賞しました。コンパクトミキサーで、Mackieよりちょっと上のレンジのプロダクトが少なくなっている状態なんですが、良いポジションを突いて来たと思います。マイクプリやモニターコントローラーも欲しいという人には、各製品をバラバラに買うより、SiXの方がコンパクトだし予算も抑えられ、今の音楽制作にマッチした製品だと思います。純アナログでクオリティーの高い製品はどんな時代でも重宝しますね。

恒吉 : オーディオインターフェースはどうでしたか?

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マエストロ佐々木 : Universal Audio ApolloはXシリーズになり、ブラッシュアップされたAD/DAの評判が良く、コンパクトサイズで音の良いプロダクトはRME Babyface Pro 一択でしたが、Apollo TwinXも提案出来るようになった感じです。

記事:Universal AudioがオーディオインターフェイスApollo x4、Apollo Twin Xを発売!

スティービー竹本 : Antelope Discrete8もかなり売れました。現行モデルのDiscrete 8 Synergy CoreではD/Aの大幅な性能向上やプラグインの処理速度も上がり、これから更に面白いエフェクトも登場予定と期待が高まります。

パパ洋介 : Blackmagic Fairlight Consoleがついにリリースになった事は、押さえておきたいトピックですね。

記事:これは必見!! Rock oN渋谷店頭にFairlight Console 登場!!


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恒吉 : 今回の Accessory AWARDは映像関連機材やドローンといった、新しい時代を反映したバラエティに富んだラインナップになりました。映像系の機材は、急遽、新設した Video Equipments AWARD で取り上げる事にしまして、その他で印象に残った製品はありますか?

ファンキー松本 : ドローンの DJI / Mavic Mini – The Everyday FlyCam が異色で目立っていますが、ご存知の通り、すでに世間ですごく売れている商品ですよね。Rock oNでも店頭展開を開始しました。

パパ洋介 : ISOVOX 2 は Rock oN のリファレンススタジオに展示していますが、そのルックスから存在感がありました。これを見たお客様はもれなく試してみたくなるという(笑)。しばらく生産が止まっていたんですけど、ブラックカラーバリエーションを追加して流通も復活しました。

マエストロ佐々木 : Avid S1 は店頭展示を始めたばかりですけど、店頭で試されるお客様も多く、Pro Toolsユーザー以外の人も関心を持っている感じがしますね。

記事:Avid S1ついに発売開始!! 待望のコンパクトサーフェスが登場!!

RED先生 : Avid S1は本体だけだとAvid Artist Mixと同等のフィジカルサーフェスとして動作しますが、無料で使えるタブレット(iPad、Android) 用の Avid Control アプリと使用する事で Avid S6 スタイルのモニタリング・コントロールが可能になります。メーター表示がタブレットの大きなスクリーンで確認できるというのも非常に優れたポイントです。Pro Tools|Dockにタブレットを縦置きにすればもう S6 そっくりな情報量で、ほぼ8割くらい表示が一緒になるんです。

パパ洋介 : S1は4台まで連結できるから最大32チャンネルまで対応できて、さらにPro Tools|Dockと連結すればフェーダー数的にはS3やS4を凌ぐようなシステムを組み上げることも可能です。プロジェクトの規模に合わせて自由自在にカスタマイズできるのが実用的ですね。ちなみに、連結はマグネットを使っているので、工具などを使わずに、増設できるのもポイントです。

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RED先生 : Avid Control アプリは単品でも使えるのですが、本当によく出来ていて、本当に無料でいいのかと思っちゃいましたよ。

パパ洋介 : 無料の Avid Control アプリで十分という人もいると思いますけど、フィジカルサーフェスの利点はミックスのワークフローを直感的にし、効率をあげてくれる事と、操作のミスを防ぐ利点もあります。タブレット画面の意図しない場所に触ってしまう「うっかりミス」を防げるのと、フェーダー、ツマミ、ボタンが物体として並んでいるので、配置に慣れてしまえば手の感覚で操作できます。S1は Avid Control アプリの視認性とフィジカルサーフェスの操作性が合体した、いいとこ取りの次世代機ですね。


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恒吉 : 2019年は映像機材のノミネートが多かった事で、急遽、「Video Equipments AWARD」が新設しました。

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ファンキー松本 : 今年から映像系の機材もRock oNで取り扱い始めました。受賞したBlack Magic DesignのPocket Cinema Camera 6Kは、店頭でもかなり目立っていましたね。

記事:Blackmagic Designが6Kモデルの次世代カメラPocket Cinema Camera 6Kを発表!

product_168145パパ洋介 : GoProの進化も凄いです。GoPro HERO8 BLACKの電子式画像安定化機能 HyperSmooth 2.0はリアルタイムで全部スムーシングし、どんなにカメラを動かしても水平がキープされます。「手ブレ補正って何でしたっけ?」くらいのすごいレベルのクオリティです。

RED先生 : 運動会を撮影する親御さんのマストアイテムですね(笑)。

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ファンキー松本 : Blackmagic Designのライブプロダクションスイッチャー ATEM Miniもこれから普及していく製品ですね。Youtuberがこぞって使い出すと思います。

RED先生 : あと、映像系の話で言えば、MacOS catalinaに対応したProToolsがですが、ビデオ関連機能がまだという現状でVideo Slave ProがAvid公認の救世主になっていますね。

記事:ビデオ再生の最新ソリューション Video Slave 4 Pro へアップグレード


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そして2020年、レコーディング機器のトレンドは? そのヒントが1月17日から開催された NAMM Show 2020 で登場した、たくさんの新製品動向からみてとれます。

まずは「レガシー」というキーワード。KORGがアナウンスしたARP 2600 FS、MS-20 FS、wavestateは過去の名機を、再度、市場に問う意欲作。飽和感を若干感じるソフトシンセ市場のカウンターとして、ハードウェアやアナログを「再発見」する若い世代のクリエーターを刺激するかもしれません。特に、今年からのKORGの新たな動きは、どこか新たなシフトチェンジを切り開いていく予感がしてとても楽しみです。

また、引き続き継続して進むであろうキーワードが「AI」化。Product of the Yearを獲得したiZotopeの製品に見られるように、ディープラーニングの技術が制作スタイルに浸透しつつありますが、今年はさらにこの傾向が発展し、精度の向上、対応範囲の拡大が行われ、現状から1段階ステップアップした局面を迎えるかもしれません。さらに多くのメーカーから、「AI」を特徴にした製品が登場することを期待しましょう!

この度の審査にあたり、投票やレビューで参加してくださったユーザーの皆さまと、ゲストノミネーターのクリエイターの皆さま。そのほか関係者の皆さまへ感謝の言葉を述べ、Rock oN AWARD 2020 座談会を終了いたします。ありがとうございました。

記事内に掲載されている価格は 2020年1月24日 時点での価格となります。

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