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05
Jul.2023
HOW TO

音楽プロデューサー JUVENILEが語る、Neumann KH 80 DSP + KH 750 DSPの可能性

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これまでエンジニアを中心にNeumann KHシリーズを使って頂いた印象をインタビュー取材してきましたが、今回は現役で活躍しているトラックメイカーで様々なアーティストに楽曲提供やプロデュースをしながら、自らもアーティスト・TALKBOXプレイヤーとして多彩に活動するJUVENILE氏に、Neumann KHシリーズを試して頂きました。

自ら研究好きと称し音に対して並々ならぬこだわりを持つJUVENILE氏は、以前の取材でもDSP補正機能を持つNeumann KHシリーズなどのモニタースピーカーに強い関心を持ち、導入を検討しているということを語っていたのですが、実際使ってみた印象はどのようなものだったのでしょうか。

今回は移転したばかりの新しい制作スタジオでNeumann KH 80 DSPとKH 750 DSPを設置して頂き、さらにはMA 1でのDSP補正も実施して頂いた印象を語って頂きました。

プロフィール

Juvenile

JUVENILE(ジュブナイル)
音楽プロデューサー/アーティスト/トークボックスプレイヤー

「From Tokyo To The World」を掲げJUVENILE Worldともいうべき独自のCity musicを発信し続けるアーティスト、音楽プロデューサー。

2020年、自身名義で「愛」をテーマに様々な分野で活躍するアーティスト陣とFeaturingしたセッションアルバム「INTERWEAVE」プロジェクトを始動。☆Taku Takahashi、藤森慎吾、中尾明慶、小柳ゆき、向井太一をはじめ多数のアーティストとの共演を果たす。

音楽プロデューサーとしてはRADIO FISH「PERFECT HUMAN」の作編曲をはじめ、舞台「ヒプノシスマイク」の楽曲なども担当し、活動の方面は多岐にわたる。アーティスト・サウンドプロデューサー・トークボックスプレイヤーなど、幅広いだけでなく全てが深く、マルチに活動する音楽家。バックトゥーザフューチャーをこよなく愛す。

公式HP

【Twitter】https://twitter.com/juveniletalkbox
【Instagram】https://www.instagram.com/juveniletalkbox/
【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UC0b1SmDZx4erO45vWjdkVzA

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★Rock oNメールマガジンにて、JUVENILE氏がコラム連載をスタート!

毎週水曜日と金曜日に定期配信中のRock oNメールマガジン『Rockon MAILMAN』!にて、JUVENILE氏によるコラム連載が7月7日(金)スタート!

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モニタースピーカーの変遷

Rock oN : JUVENILEさんが初めて買ったモニタースピーカーは何ですか?

JUVENILE 氏 : モニタースピーカーで初めて買ったのはFOSTEXで、そのあとYAMAHAのMSPシリーズやHSシリーズを使っていました。そのあと大学生頃に8020(GENELEC)を導入しました。導入の決め手は中田ヤスタカさんの影響です(笑)。YAMAHAはフラット感じでしたけど、8020は比較的、元気な印象でリスニングにも使える印象でした。

それからはEpic 5(reProducer)をTeddyLoidさんが使ってて、このスピーカーとてもいいよって薦められて導入しました。Epic 5は今どきの音というか視力がパキッと良くなったような感じですね。

Rock oN : 選ぶ際の基準は何ですか?

JUVENILE 氏 : 時代かなと思います。今使っているEpic 5は今の時代にマッチした、パキッと角がある本当に今どきの音って印象ですね。

Rock oN : モニタースピーカーの音場補正ツールがいくつかありますが、どんな印象をお持ちですか??

JUVENILE 氏 : Epic 5単体で使ってから音響補正用ソフトウェアSound ID Reference(Sonarworks)を使用していてそれはそれで効果はあったんですけど、ヘッドホンで確認する時、インターフェイスのヘッドホンアウトから出てくる音はスピーカー、つまりEpic 5が補正された音をモニターすることになってしまうために毎回補正された音を切らないといけないので、それが面倒でしたね。

Neumann KHシリーズ + MA 1を使ってみて

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Rock oN : Neumann KHシリーズに興味を持った経緯を教えて頂ければと思います。

JUVENILE 氏 : それまで使っていた補正プラグインの経験もあって、インターフェイスの音まではヘッドホンと一緒で、スピーカーに設定を記憶して最後のモニタースピーカーから出る音だけが変わるというのが理想だったので、まさにこれだ!という感じですね。

Rock oN : 実際に使ってみた印象はどうでしたか?

JUVENILE 氏 : 正直4インチというスピーカーの大きさの差もあるかと思いますが、高域部分の再生能力はEpic 5よりもパワーが落ちる印象でした。ただ補正をしていないEpic 5よりはKH 80 DSPの方が断然いいですね。下から上まで綺麗に出ている感じで、何よりヘッドホンで聞いた音と差がないのが驚きでした。これまでは全体のバランスはスピーカーでチェックするして、ハイとかローが出ているのを確認するのはヘッドホンの方がわかりやすかったのですが、そういった脳内変換しないでモニターチェックできるのがいいですね。

今スタジオに使っているこの部屋が12畳なので、それを考えると若干パワー不足を感じますが、性能としては十分です。ウーファーが4インチの大きさのスピーカーの中では抜群にいいいんじゃないですかね。

Rock oN : MA 1についてはいかがでしたか?

JUVENILE 氏 : 最初はやり方がわからなくて意外と難しかったですね。測定自体は回数も7箇所と少なくて簡単でしたが、測定に至るまでが難しかったです。

研究好きな性格もあって、自分が出したいボリュームに合わせてローがどれくらいまで部屋が耐えられるか、って感じで、ローエンドのバランスがいいと感じる数字はほんと探りましたね。

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部屋の大きさが変わって6畳から12畳に広くなったので、壁とスピーカーの距離も50cm空けたりしてこれで音量が上げられると思ったんですが、今度は部屋の響きが加わってきてしまうのでそこまで音量を上げられないんですよね。

そう考えると意外とベッドルームスタジオってよくできてるんだなって思いました。狭いけどベッドや本棚があって吸音がしっかり出来ているから、そこで補正ソフトウェアでローとかハイを調整すればいいだけなので。

★MA 1による補正結果

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驚きのサブウーファー・KH 750 DSP

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Rock oN : それではサブウーファーKH 750 DSPを使ってみた印象はいかがでしたでしたか?

JUVENILE 氏 : これはもうローが出過ぎるほどですね、よくわからず最初いきなり音量が上がっていたので、部屋が揺れるほどで怖くなりました(笑)。KH 80 DSPとのバランスを考えると、80Hzから下は-8dBくらい下げないと鳴らせなくてとにかくローを削るしかない感じだったので、中域から高域を聴きたいバランスに合わせることで、ちょうどよい音量バランスになった感じです。

でもKH 80 DSPとKH 750 DSPの組み合わせでMA 1を使った際の、部屋に合わせて補正されている感じはすごいなって思いましたね。サブウーファーのデメリットとして音の出る場所が違うと良くないと言われますけど、今回はほとんどそれを感じることはありませんでした。KH 750 DSPをガンガン鳴らせるような、広くて設備のしっかりしたスタジオであれば導入するのがいいかなって思いました。

今回12畳のスタジオへの移転があってそのタイミングでNeumannのスピーカーシステムを試してみたので、試行錯誤して難しさも感じながら色々と勉強になりましたね。前の6畳のスタジオの広さでは厳しかったと思います。

おすすめのユーザーは?

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Rock oN : 最後に今回のKHシリーズやMA 1をどんなユーザーにおすすめしますか?

JUVENILE 氏 : KH 80 DSPのような4インチサイズだと6畳くらいのワンルームとか自宅で作業している人に向いてますよね。衣装ラックとか本とかで吸音されるので、そこでMA 1を使ってDSP補正するシステムは中級者にはマストかなと思います。

KH 750 DSPとも組み合わせて色々とリファレンス音源を聴いてみたのですが、そこで感じたのはK-POPとかヒップホップとか以外だと、下まで使い切っている音楽って少ないなって思いました。ローが重要なジャンルにはKH 80 DSPだけだと物足りないかなとも思いますので、ダンスミュージックを作りたい方はサブウーファーまであれば完璧ですね。組み合わせて使ってみてもレイテンシーも全く感じないですし、これからの時代は必要になってくるでしょうね。

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●製品情報

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・KH 80 DSP(1pair)
NEUMANN KHシリーズ初となるDSPを搭載、4インチ+1インチ、120W+70Wの高効率アンプ
・コンピューターモデリングによるキャビネットの設計と低共振材料(LRIM™)の採用
・最適化された指向性コントロールにより、あらゆる環境下でも優れたディテールを採用
・iPad®アプリのNeumann.Control、もしくはMA 1ソフトウェアを採用することでリスニングルームに合わせた音場調整が可能。

KH 80 DSPは、コンパクトなDSP搭載2ウェイパワードニアフィールドモニタースピーカーです。デジタルコアを用いてフィルタリングやルームアジャストメントを自在に行えるため、どんな環境でもリファレンスクラスのサウンドを実現できます。

NEUMANN
KH 80 DSP(1pair)
¥139,600
本体価格:¥126,909
1396ポイント還元

・KH 750 DSP
DSPエンジンが出力を最適化しリファレンスクラスのサウンドを実現。 iPad用コントロールアプリにも対応したNEUMANNサブウーファー
KH750DSP

KH 750 DSPはスタジオ、ブロードキャスト、ポストプロダクションにてトラッキング、ミキシング、マスタリングなどの使用用途を想定しています。コンパクトな設計ですので、ホームレコーディングやブロードキャストスタジオなど限られたスペースには最適です。

・コンパクトなキャビネット
・DSPエンジンが出力を最適化し、リファレンスクラスのサウンドを実現
・システムのセットアップ、調整、操作を行うためのiPad用コントロールアプリ®に対応

NEUMANN
KH 750 DSP D G
¥286,000
本体価格:¥260,000
0ポイント還元

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・MA 1
MA 1は個別に調整されたノイマンの測定用マイクと、それに対応するMacおよびPC用のソフトウェアで構成されています。NEUMANNのオートモニターアライメントは、KHシリーズのすべてのDSP制御ステレオシステムで利用可能です。世界有数のオーディオ信号処理研究所であるフラウンホーファー研究機構(IIS)と共同で開発されたキャリブレーション・アルゴリズムを採用し、測定用マイクを使用してスタジオの音響特性をガイド付きのプロセスで分析。その結果をもとにスピーカーの音響特性を補正し、あらゆる環境で可能な限り最高のモニタリング品質を実現します。

NEUMANN
MA 1
¥41,580
本体価格:¥37,800
1247ポイント還元

メーカーHP

NEUMANN
https://www.neumann.com/ja-jp/products/monitors/kh-80-dsp-a-g/

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記事内に掲載されている価格は 2023年7月5日 時点での価格となります。

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