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05
Dec.2023
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エンジニアURUによる360 Reality Audio Mixのためのセットアップ解説 ー第3回 360 Reality Audio Mixのエフェクト処理ー

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いくつもの360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ 以下:360RA) Mixを手がけてきたエンジニアURU氏、アヤノハラグチ『Moen』の360RA制作に密着し、そのリアルなワークフローをうかがう連載シリーズ第2回!

今回は360RA Mix用テンプレート後編、オブジェクトの扱いについてです。

★前回までの記事はこちら

20231127_360_i
エンジニアURUによる360 Reality Audio Mixのためのセットアップ解説 ー第2回 オブジェクトの節約術ー

20231114_360_i
エンジニアURUによる360 Reality Audio Mixのためのセットアップ解説  ー第1回 360 Reality Audio Mix用テンプレートー

第3回 360 Reality Audio Mixのエフェクト処理

いくつもの360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ 以下:360RA)Mixを手がけてきたエンジニアURU氏、アヤノハラグチ『Moen』の360RA制作に密着し、そのリアルなワークフローをうかがう連載シリーズ第3回!

今回は360RA Mix特有のエフェクト処理について伺いました。

URU360_09

Rock oN:ボーカルはデュアルモノの音源をモノラルバスに送っていますね。

URU:やはりモノの方が強いので。ステレオをモノに送るからボリュームは少し調整しなきゃいけないかも知れませんが。ボーカルのリバーブとディレイでステレオ6トラックあるので、メインはバシッとモノラルでいればいいんです。

Rock oN:では今回のボーカルでは2Mix用に作ったリバーブやディレイを活用して、360RAミックス用のリバーブなどは新たに使わない方向性ですか?

URU:そうですね。今のところは使わない予定です。
ステムの段階でボーカルにリバーブが混ざってる音源などの場合は上からリバーブを被せます。その時は、後方にも同じリバーブを配置して、広がりを持たせます。

URU360_10

※最終的なメインボーカル素材はこのような配置に。ドライ音源がモノでセンターに置かれ、リバーブ、ディレイのステレオ素材がリスナーを取り囲むように散らされています。

URU:リバーブ類は全部バラバラにオブジェクトにします。ちょっとずつ反対側に広げて置くので。

Rock oN:サラウンドやイマーシブなどのマルチチャンネルリバーブとかは使わないんですか?

URU:使わないです。すごく極端に言うと、全てモノかステレオの音源を配置していけばいいのかなと思っています。

今回は音の取り込みから360RA前提で行っていたので、普通だったらモノでいいキックも別のキックが真ん中にいるならこの音は少し左右に開いて置いてみようかな、と思ってステレオで作ったりもしています。

Rock oN:EQの使い方も360前提で音作りされていますか?

URU:いえ、それは従来通りです。360RAだと音を置く場所によってEQ的な音色変化が起こるので、そこの段階で考えます。あくまで、まずは2chがカッコよくないといけないので。

360RAを意識して制作をする部分もありますが、逆に360RAをやるようになってからモノの重要さがわかってきました。ステレオでセンターに置くのとモノで置くのはやはり違う。モノがあるから360RAが活きる。

Rock oN:楽器の帯域ごとによって置く位置は決めていたりするんですか?

URU:いやいや、置きながら試行錯誤ですよ。一番は耳で聞いてカッコよくなるように。あとは360 WalkMix Creator™(以下:360WMC)の画面を見て、視覚的にここ空いてるな、とか。特に音が変わるのは上下の配置なので、キック、ベース、スネアが縦軸でくっきり良い音で鳴るように心がけてます。

これにて準備完了!

URU:これでProtools側の準備は終わりました。ステレオのAUXトラックはテンプレートの時点で360WMCでのオブジェクト順と同じように並べられていたので、順番を変えずに順々にアサインしていくことで360WMCでの並び替えを行う必要がないようになっています。モノのオブジェクトだけは、一番下にまとめておいていたので手で並びかえる必要がありますが。

山内:これで一旦準備はおわりですか?

URU:そうですね。

山内:ここまでで、ざっくり2時間ですね。

URU:自分のプロジェクトなのでこれくらいの時間ですが、人のものだともっとかかります。

ここからは、360WMCで音を置いていく作業です。置く場所によって音が変わるので、ヘッドフォンで確認しながら置いていきます。

ステレオの幅を変えたり、リバーブを反対側に置いたり、聴きながらいい感じに響くな、というところに置いていく感じです。

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360RA Mixの可能性

山内:もっとクリエイターやミュージシャンなど色んな人に360RAを作ってほしいんですよ。

URU:良いおもちゃだと考えればいいんだけどね。360RAは若い人に聞かせるほど面白がってくれます。変に難しく考えないで、いいんじゃないですかね。

360RAミックスはエンジニアだけではなく、トラックメイカーやクリエイターもやった方がいいと思います。エンジニアさんは音響的に面白いことを考えますが、トラックメイカーはトラックのかっこよさの延長線上で考えるんじゃないですか?そのうち、360WMCで書き出したデータがエンジニアに送られてきたりするかもしれない。

山内:どちらかというと、演出の延長ですもんね。

URU:そう。プロのエンジニアがやるだけでは勿体無いんです。

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全3回に渡ってお送りしてきたURU氏による360RA Mixのためのワークフロー紹介。みなさんの360RA制作のヒントになる情報もたくさん含まれていたのではないでしょうか。

さらに、実際にURU氏、アヤノハラグチ氏、山内氏を迎えてアヤノハラグチ『Moen』における360 Reality Audio制作についてご紹介いただくリアルイベントの開催も決定!

12/7(木)、渋谷LUSH HUBにて行います。イベント後は参加者同士による360RA懇親会も開催予定!

イベント詳細、申し込みは下記フォームから

応募フォームはこちら

イベントサイト
https://www.minet.jp/contents/event/360-reality-audio-seminar-dec-7th-2023/

今回の記事で使用させていただいた実際の楽曲はコチラ!

 
『Moen』
アヤノハラグチ

物語を描くように音楽制作からアートワーク、映像制作までトータルプロデュースし、立体音響を含む独自のアートを追及するアーティスト。

記事内に掲載されている価格は 2023年12月5日 時点での価格となります。

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