クリプトン・フューチャー・メディアは、世界最大規模のサウンド配信サイトSONIC WIREを中心とした展示。InterBEEには放送や映像業界のクリエイターが集うということで、効果音などのニーズにアピールする形です。
マシンのデスクトップにはファンタジー系音源「ERA」やクワイヤ音源「OLYMPUS」などシネマやゲーム制作に重宝されるソフト音源があらかじめ用意されていました。
そしてもう一方では、Audionamix社製品のためだけに用意されたマシンが。Audionamixは完パケの2ミックスから「ボーカル / メロディ」と「伴奏」を分離する“ADX”テクノロジーをコアとした、アイソレーションソフトウェアの草分け的存在。MA/ブロードキャストエンジニアから非常に注目されているブランドです。
なんとこのInterBEE2016に、Audionamix のRick Silva 氏 (COO/Product VIP) と Steve Oliver 氏(Product Specialist)によるワークショップが開かれるというので参加してきました!
Audionamix ワークショップ
このワークショップはセミナー形式で、Audionamixの最初の製品であるVVCの紹介から始まりました。
これがVVCの効果。完パケ2ミックスからボーカル(任意でメロディ楽器も選べる)を検知しオケと分離。ボーカルの音量を上げ下げできるという奇跡のソフトウェア。
続いては、発発売されたばかりのSVC。こちらはスピーチやダイヤログに特化した分離ソフト。映画やドラマなどの中から俳優のセリフのみを検知し、ボリュームを変化させます。音質や雰囲気を壊さない状態で、声を大きくしたりガヤの音量を下げたりすると、参加者からは驚きの声が上がっていました。
こちらは最近 3へバージョンアップしたTRAX PRO。こちらもADXテクノロジーによって、完成した楽曲2ミックスからボーカルを抜き取り別トラックへ書き出すことが可能な、リミキサーの夢のツールです。
打楽器などと区別がつきにくい子音を抜き出すことをサポートする「子音アノテーション・ツール」や抜き出す音のPAN幅を調整できたりと、さらに強力になったスペクトラルエディターでさらに詳細な抜き出しが可能になりました。
AudionamixはこのADXテクノロジーを使って、ボーカル抜き出し業務を受けるビジネスも展開中ということ。ハリウッドを始めとする映画やTV局からのオーダーが絶え間なく続いているとのこと。じつはこのビジネス、SONICWIREのAPS(オーディオ・プロセッシング・サービス)として、日本からでも依頼できるのです。ご存知でしたか?
SONICWIRE APS
http://sonicwire.com/news/special/aps
最後に、Rick Silva 氏は「Audionamixはオーディオ分離という分野のNo.1であり続けたい。そのために努力していく。」と語っていました。新製品はまだ公表できないとしながらも、映画業界からのラブコールに応えて「セリフの分離に特化した製品を作りたい。」と意気揚々でした。
Writer. Tomita
Audionamix
http://audionamix.com/
記事内に掲載されている価格は 2016年11月16日 時点での価格となります。
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