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名器VT-1がキャラクターを一新してAIRAシリーズで復活。声でフロアを沸かせるアグレッシブマシン!
〜AIRA Rock oN Lab.所長ACID渋谷による徹底レビュー!〜
テクニカル動画でサウンドをチェック!
1:96kHz/32bit内部演算で「聞き取れる」
大胆なサウンド加工で人気を博したVOICE TRANSFORMER BOSS VT-1がVT-3として復活。今回新たに「オーディオインターフェース」「キャラクター」「スキャッター」といった大規模な機能追加が行われ、凄まじい進化を遂げている。
AIRAラインナップにこのVTシリーズが入っている事を最初に知った時、意外な感じを覚えたがハイレゾによって実現したエフェクトサウンドの圧倒的解像度を聴いた時、「これはAIRA」だと感じた。
VT-1のサウンドはとにかく「エフェクティブ」で、ピッチとフォルマントの設定によっては、何を言っているか聞き取れない事が多々あった。リバーブについても深く掛けて一気に戻すと消え際が特徴的でゲートリバーブの様な雰囲気があった。
しかし今回VT-3では「ピッチ」「フォルマント」をどんな設定にしても聞き取れ、変化率もとても滑らか。中央にはクリックがあり、戻す時も安心。
またリバーブも1フェーダーながら複数のパラメーターを同時に制御しているので掛かり方や消え際がとにかくスムーズ。S/Nの良さも特筆すべき点だ。AIRAシリーズ全てに言える事だが、フェーダーのトルクやラバーコーティングなど、手触りが抜群に良い。96kHz/32bit内部演算を生かしたサウンドに相応しい操作感が味わえる。
2:精度の高いピッチ補正とVP-330譲りのヴォコーダー。
VT-1との最も大きな違いの一つが「キャラクター」だ。ピッチ補正やヴォコーダーなど今のシーンを見据えたエフェクトと入力信号をシンセに置き換える「SYNTH」や「BASS」など、パフォーマンスに使える機能が凝縮されている。中央にあるツマミで9種のモード(DIRECTはキャラクターオフを意味する)を選択する。ツマミ自体はロータリーエンコーダーだが、スタートがDIRECTで終わりがSCATTERに固定されているため、素早くストレス無く選択出来る。
VT-3にはMIDI IN端子が無く、MIDI情報を受け付けません。AUTO PITCHにしろSYNTHにしろ入力信号のピッチを検出して、一番近いところに自動で吸い付けます。キーボードでのピッチ操作が出来ませんが、そこはパフォーマンス用として割り切った仕様。そのかわりレイテンシーは驚くほど短く、タイミングを気にせず「ケロり」を楽しめる。マイク一本で歌えるシンプルさはライブで重宝するだろう。
またBASSは303系ではなく派手目なサウンド。ピッチを少し落とし、フォルマントを上下させれば強烈なワブルベース風サウンドを声で操る事ができる。DJプレイ中にやったらかな〜り目立つ。実際フォルマントもバンドパスフィルターのポイントを急激に変えるようなサウンド変化なので、シンセ系サウンドには相性抜群だ。
LEADはギラギラなサウンド予想してびっくり!なんとテルミン。本機のピッチ検出能力の高さにより、芯のあるテルミンサウンドが楽しめる。
また特質すべきはVOCORDER。AIRAシリーズのなかで唯一ACBではないVT-3ですが、実はVOCORDER部分だけはACB技術が使われている。モデリング元は勿論VP-330だろう。サウンドを聴けば一目瞭然の質感はまさにクラッシックヴォコーダー。この機能だけでもVT-3を手にする価値はあると思う。
3:プラグインマイク端子とオーディオインターフェース機能
VT-3のマイク入力端子は3系統。フロントにプラグインマイクがあるのは、Ustreamなどを視野に入れた設計だろう。
オーディオインターフェースとしてPC/Macのサウンドの録音、再生ができる。録音時はエフェクトサウンドとバイパスサウンドがそれぞれUSB経由で出力される。96kHz32bit演算処理で生成されたサウンドを直接PCに取り込めるのは、放送系でおおいに活躍の場があるだろう。
※2014年3月4日加筆修正。内部演算は96kHz/32bit、オーディオインターフェースは96kHz/24bitです。
またループバックレコーディングに対応しており、PC/Macで再生した音声をVT-3でマイクの音声とミックスし、またパソコンに送り返す事ができる。ループバックはしないように設定することも勿論可能だ。TOKIO!
記事内に掲載されている価格は 2014年2月27日 時点での価格となります。
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