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製品名がSHOGUNやNINJAと名付けられているなど日本人として親近感を覚えてしまうメーカー、ATOMOS。
今年もひときわ大きなブースで既発売製品、新製品を各メーカーのカメラとともに組み合わせ使用感や機材の連携等の確認ができるよう展示されていた。
今回のNABでの新登場となったモニター一体型レコーダーのSHOGUN INFERNO。これまでの機種からプロセッサを一新・性能向上を図ったことにより4K/60p収録に対応した、SHOGUNシリーズの最上位機種になる。基本的な性能は先に発売されたSHOGUN FLAMEと同等だが、入出力に関してグレードアップされており、HDMI2.0、12G-SDI入力、3D SDIを4系統使って4K60p収録に対応するクワッドリンクSDI入力、さらにSONY PMW-F55やPanasonic VARICAM35、RED EPIC等のクワッドリンクSDI出力を装備。映像表示部においては来比約4倍となる高輝度1,500nitの7型S-IPS液晶ディスプレイを備え、パナソニック、RED、ソニー等のLogガンマ映像をSHOGUN INFERNOの画面に最適化することでLogガンマ収録時に適正露出のおおまかな確認ができる機能「AtomHDR」等を搭載している。4K/60pに対応した部分も非常にありがたいが、AtomHDRなどは撮影時に非常に役立つ機能であると思う。
同じく、その横に展示されたSHOGUN FLAMEも3月に発売されたばかりのモデルである。SHOGUN INFERNOから4K/60p記録、とクワッドリンクSDI関連の機能を取ったようなモデルであるが、初代SHOGUNと比べると、バッテリースロットが2つになり、長時間撮影&撮影したままバッテリー交換が可能になっている上、一回りほど大きくなったかわりに、四つ角、および枠にバンパーがついたことで堅牢性もあがっている。実際、初代SHOGUNを使用する際には、別売りのケージ等を使用しつつも非常に丁寧に扱っていた印象がある。
その他、ずらりと並んだシリーズを簡単に解説するとNINJA FLAMEはSHGUN FLAMEと同時発売したモデルであり、入出力をHDMIのみにしたモデルである。NINJA ASSASINも同じくSHOGUNからSDI関連が取り除かれ、HDMIのみに対応したモデルとなっている。DSLRの録画などはHDMIでの出力がほとんどの為、これらの内でしか使わないというのであれば、NINJA FLAME / NINJA ASSASINは通常よりも安価に導入できる製品である。
HDまでの録画で構わないという人にはSAMURAI / NINJAシリーズがオススメだ。SAMURAI BLADE / NINJA BLADEは5インチ液晶を積んだ1080/60pまで対応したモデルで、その違いはSAMURAIは入出力にSDIを用意したモデル、NINJAはHDMIに対応したモデルとなる。また、これらの外部レコーダーとしてATOMOS・初期のモデルにして、ATOMOSの名を轟かせるきっかけとなったNINJA 2も同じく併売しており、こちらは、4.3インチ液晶にHDMIのみ1080/60p対応となっている。ここまで紹介したモデルは全て2.5インチHDD/SSDのキャリーが付属しており、記録媒体も2.5インチHDD/SSDとなる。
HDDを使用した際にはかなりの発熱となる為、近年安価になったSSDを使用するのが主流である。
ATOMOSでは、自社でHDD/SSDをテストしチェック結果をWEBサイトに掲載しているので、安心して好きなSSDを選ぶことができる。レコーダーとして最後となるのはNINJA STAR。こちらはモニタを廃止し、記録メディアもCFastに変更した上、最も軽く作られたモデルである。一時期、DJI Fantomの脚にくくりつけてGoProの録画の補助に使用するといったような使い方をされていた。常にカメラと一緒にカバンに忍ばせておき、急遽クオリティが必要な撮影になった際に取り出し使用したいモデルである。
最後に電源周りのサポートをするPowerStation。PHOTOモデルとVIDEOモデルがあり、違いは動画向けのカプラーの有無とバッテリー容量の違いである。PHOTOモデルにはSONY α7シリーズに使えるカプラーとPanasonic GH4で使えるカプラーと2600mA/hのバッテリーが2個、VIDEOモデルにはSONY NP-Fシリーズのカプラー、NIKON D810で使えるカプラー、Canon 5D MKIIIで使えるカプラーが追加され、バッテリーは7800mA/hのものが2個となっている。
電源共有はカプラー以外にUSB2系統、また付属のコネクタを使えば、SHOGUNシリーズに直接供給が可能である。バッテリーを2個積める為、どちらか片方のバッテリーがなくなったとしても、撮影を止めることなくバッテリーを交換することが可能であり、DSLRのバッテリーよりはるかに大容量なので、長時間の撮影の際にはとても重宝する機材である。
テストシュートブースではボルダリングのウォールの前に様々なカメラでのデモが行われていたが、Canon EOS C300 MKIIとはSDIケーブル1本でSHOGUN FLAMEが接続されていた。モニターにはピーキング、ゼブラ、波形モニター等様々な情報が表示可能である。
一見すると見逃し気味だが、日本未発売のCONNECT-ACや汎用バッテリーを電源としたCONNECTが展示されていた。
それぞれSDIとHDMIの変換機であるが、他のブランドと比べた時非常にコンパクトな筐体であったため、興味がかき立てられた。
ボルダリングウォールとは別のところにも、さらにテストシュートブースがあり、こちらは背景にプロジェクター映像、手前にバイクとモデルが立ち、通常ならば輝度差によってどちらか明るく、もしくは暗く映ってしまう状況でのHDRの有用性が体験できるような展示を展開していた。
これまで撮影現場でのベーシック機材として信頼性を得、現場で必要なニーズへの対応と的確な開発、発売してきたATOMOS。一般からプロまで映像クオリティの向上をサポートし続ける同社の今後が非常に楽しみである。
Writer. Toshima
記事内に掲載されている価格は 2016年4月22日 時点での価格となります。
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