ドイツの研究機関であるFraunhoferはMP3、AACの開発元としても我々の身近な存在です。そのFraunhofer IISが現在注力して開発を進めているのがMPEG-H。すでに韓国では採用が決まり、昨年より、4K放送と同時に運用が開始されています。
韓国国内でMPEG-Hデコーダー搭載のテレビで、という現状ではありますがストリーミングなど各方面での活用の期待されている技術。それを手軽に楽しめるサウンドバーのリファレンスモデルが展示されていました。
このテレビの手前のサウンドバーがMPEG-H対応のリファレンスモデルと言うことでじっくりと視聴させてもらいました。様々な技術を用い、3Dサラウンドを実現しているということ。そして、出来る限りスイートスポットを広くとれるように設計が行われているそうです。
実際に聞かせてもらうと真後ろとまでは活きませんが上空、左右からリッチなサラウンドサウンドを体感することが出来ました。単純に反射だけではなく様々な工夫が行われているということでした。
こちらはリファレンス・デザイン・モデルで、そのままの形での販売は予定していないそうです。こちらをベースに各社が製品を開発し、すでにゼンハイザーがプロトタイプを制作。こちらは、残念ながら、ドイツからの輸送中に壊れてしまい、グリルが外され、スピーカーの位置がわかりました。正面向きにフルレンジ6本、正面向きLCRの位置にツイーターが3本、左右の側面に各1本、そして、両サイドの上部に1本という設置でした。
放送向けの製品としてはJunger Audioのハードウェアがメタデータの生成用プロセッサーとして展示され、Production向きはこちらのSpatial Audio Designerのプラグインが紹介されていました。どちらも同じメタデータが出力できる為、LIVEでもプロダクションでも共通のフォーマットで運用が可能ということです。
今後のこの技術、どれだけの局が4K放送と共に採用をしていくのでしょうか?すでにATSC 3.0、DVBといった放送基準にもMPEG-Hの記述は採用されているので、今後の展開から目の話せないフォーマットの一つと言えるでしょう。
Writer. Yosuke
記事内に掲載されている価格は 2018年4月12日 時点での価格となります。
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