ついに実機を見ました!Behringerが満を持して送り出す12ポリフォニック・アナログ・シンセサイザーDeepMind12!
ぱっと見た第一印象はスライダーやその上のパラメーター表記がRoland Juno-106辺りに、そして全体的な雰囲気がRoland V-Combo VR-09に似ているなという印象を受けました。触った感じは作りがしっかりとしており、その辺も国産シンセに近い質感だなと思いました!
しかし中身は完全に新しく、注目すべき要素が詰め込まれまくってます。アナログシンセという側面、そしてBehringerが開発した強みの側面から、私が気になったスペックを見ていきましょう。
★アナログシンセとして
2基のDCOを搭載(アナログオシレーターをデジタルにより電圧制御)し、12ポリフォニックという余裕のスペックにまず驚きです。またOSC波形は少ないながらもOSCには「TONE」パラメーターもあり、ピッチ以外にもモジュレーションパラメーターを用意することで個性を出しています。製品名に数字を入れてそれがポリ数を表すという「シンセ名前あるある」もしっかり継承していますね。そしてその強力なポリフォニックのポテンシャルを引き出す「polyphonic portamento」を搭載。かなりエキゾチックかつSF感満載のサウンドを奏でることができます。ピッチのグライド具合も細かく設定できそうです。
また、ヴォイス毎にLFOが2基あり、波形が7種類あるというのも良いですね。近年、LFOは処理能力の進歩でRoland AIRA SYSTEMシリーズなど高速化が目立ちましたが、波形が多いところはこだわりを感じます。
そしてエンベロープジェネレーターもよく出来ています。1本のフェーダーでリニア/指数曲線/反転をシームレスに設定できるのです。エンベロープに凝れるシンセは結構あって、表現力に断然差が出るポイントなのですが、例えばKORG KRONOSシリーズなど膨大なパラメーター設定ができるため、リニア/指数の調整も慣れていないと時間が掛かります。その点、モード切り替えはあれど1本のフェーダーで出来るのはかなり良いと思います。
冷却スリットもまさに12ポリフォニックという感じで圧巻です。
★Behringerだから出来た唯一無二のオプション
TC ElectronicとKlark Teknikが開発したデジタルエフェクターが搭載されています。ミキサーにLEXCICONのリバーブ搭載などは聞いたことがありますが、シンセにこの2社のエフェクトが搭載されているなんて聞いたことがありません。MUSIC Groupの総合力が出ていますね。搭載アルゴリズムは30種類以上あり、リバーブやディレイなどはもちろん、マルチバンド・ディストーションなど流石エフェクトメーカーと唸りたくなるような変り種も入っています。
そしてシンセの音作りの要と言えるモジュレーション・マトリックスはソースが19、ディスティネーションが130以上とこちらも強大。しかも8chです。ちなみにNAMM2017で発表となったDSI REV2はディスティネーション:43、そしてフラッグシップにして最強クラスのモジュレーション機能を持つProphet 12はソースが19、ディスティネーションが100以上ということで、DeepMind12の恐るべきポテンシャルが窺えます。
またアナログシンセと銘打ったシンセでiPadからのリモートコントロールに対応しているところも面白いです。これだけの膨大パラメーターを直感的にパネルコントロールだけで使いこなすは難しいので、必然とも言えますが、それをエディターソフトではなくリモートコントロールappを用意するところも洒落ています。このあたりにもBehringerのR&Dに掛ける予算の大きさやパワーを垣間見ることができますね。
日本でもの発売が待たれます!
またブース内にはMIDAS PRO X-CC-IP/TPの姿も。
Writer:Shibuya
Behringerhttp://www.music-group.com/brand/behringer/home
記事内に掲載されている価格は 2017年1月23日 時点での価格となります。
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