国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!
DX、MOTIFの系譜を継ぐ新たなるフラッグシップシンセサイザーはNAMMレポートでも最大級の注目を集めていました。
SUPERBOOTH16会場ではさらなるアップデートの展開も話されており、音色やエフェクトなど機能面の拡張性にも期待が高まります。なんといってもユーザー領域だけで1.75GBですからね。
NAMMレポートでもお届けしたインタビュー内容を是非今一度ごらんください! >>
ワークステーションを開発する際に、サウンドクオリティ、制作環境、PCとのインテグレートという3要素をキーに掲げてきたYAMAHAシンセサイザー。MONTAGEはそれらの要素を併せ持っており、当初こそMOTIFの後継として捉えた時期もあったとのことですが、1台で楽曲制作する時代は過ぎたと判断。あえてサウンドクオリティと表現力で勝負する英断から発案されています。
YAMAHA『AWM』の歴史は長いものの、PCM音源の上質さはやはり波形メモリに準ずるものがあります。今回MONTAGEでは、10倍となる5.6GBサウンドライブラリを誇り、Motif比倍となる8エレメントで構成された贅沢な1Voiceを基礎としています。しかし、サンプリングノウハウは容量があればいいわけではありません。サンプリングも8エレメントとなると、収録にかける時間も単純に長くなりますが収録するアコースティックピアノのコンディションは1時間で変わってしまいます。それらを膨大な時間をかけ、絶えず繰り返し仕上げたサウンドがAWM2音源なのです。新設計のFSX鍵盤および88ハンマー鍵盤では、演奏と鍵盤の一体感を徹底的に追い込まれています。この丁寧さこそYAMAHAの仕事という感じがしますね。
氏家さんが強調したように、派手なサウンド表現から微細な動きまで、モーションシーケンスが随所に効いています。このMotion Sequenceの1Stepにおけるパターン詳細を伺ったところ、まだ資料はないものの『考えうる全ての動作がほぼ無限に再現できる』とのこと。SuperKnobの派手な演出もいいですが、Padなどのサウンドに命を吹き込むようなわずかな揺らぎも、新しいデジタルシンセサイザーの到達点を感じさせます。8ポリ128音という驚異のFM-Xが生み出すスピード感、そして磨き抜かれたAWM2 PCMのリッチさ(ユーザー領域も1.75GBあり)、それらをシームレスに融合し、命を吹き込む。Motion Control Synthsis Engineの到達点は演奏者の新たなスタンダードと言えるのかもしれません。
Writer : Takemoto
WRITER:R_TSUNEYOSHI
記事内に掲載されている価格は 2016年4月2日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ