日本国内ではあまり知られていないファイルサーバーのメーカーが、こちらのElements。
Rock oNショーレポートでは、何度かご紹介をしていますが、代理店がないということもあり、まだまだ知っている方の少ないメーカーです。が、かなり面白い追加機能を持った製品ですので、ご紹介をしたいと思います。
Elementsは、ファイルサーバを基本として、さまざまな追加機能を提供するエンタープライズサーバー。最速である、Boltと呼ばれる製品は、最大容量600TBで、その速度は70GB/sを超えるということ。NVMEで構築され、従来のSSDの10倍以上の速度を提供するモンスターマシン。それ以外にももちろんSATA HDDのモデルなど幅広いラインナップを持ちます。
ただ、Elementsの魅力はその速度ではなく、数多くの機能。一つずつ上げだすときりがないのですが、簡単にダイジェストでご紹介します。
1つ目は、クラウドストレージとのコラボレーション。これは、On-PremのElements内のデータと同じように、クラウド上に保存されたデータも扱えるというもの。この後紹介するすべての機能が、クラウド上にデータがあったとしても同様に扱えるということです。
2つ目は、非常に高速なMedia Previwと簡易編集機能。サーバーに保存された素材は、ブラウザ上からフルクオリティーでプレビューが可能。言い換えれば、メディアサーバーの機能を持っているということです。
しかもただプレビューするだけではなく、マーカーを打って、コメントを付け、共有している他のユーザーへコメントを送ったりということが可能。更に、カット編集の機能も持っており、簡易編集をブラウザ上から行えます。編集をしたデータは、Adobe Premierで直接開くことが出来、そのまま本編集へと移行することが可能です。Premier以外であれば、Avid Media Compoeser向けのAAFファイルとしての書き出し機能も持っています。
3つ目は、Open AIを活用した音声からのテキスト抽出。Open AIを使っているため、日本語にも対応できるということ。このように最新のテクノロジーをいち早く取り入れているのも同社の特徴。精度に関しては、Open AIの進化でどんどん精度は上がっていくはずとのこと。これは日本語でもしっかりと使い物になりそうですね。
4つ目は、タスクの自動化。トランスコードや、先に上げたOpen AIによる解析。ファイルコピー、バックアップや、アーカイブ等様々なタスクを作って、自動的にバックグラウンドで動作させることが可能です。これまでは、他にバックアップ用のソフトウェアを走らせたり、といったことが必要な複雑なワークフローも設定が可能。Pythonなどのスクリプトを走らせることも可能な柔軟性を持っています。
他にもさまざまな機能を持っていますが、様々な機能をクルドストレージとコラボレーションしながら使うことのできるElementsはかなり便利に活用できるのではないでしょうか。
更にすでに利用中のストレージ(Isilon、StoreNextといったSANも対象)をElementsのストレージとして活用のできるGatewayという製品もリリースされています。まだまだ現役のストレージをお持ちの方も、すべてを入れ替えることなくElementsの保つ機能を提供することが出来ます。
1年に最低3回はメジャーアップデートがあり機能が追加されているというElements。非常に面白いソリューションではないでしょうか?
記事内に掲載されている価格は 2023年9月18日 時点での価格となります。
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