今年のNAMMの目玉のメーカーと言っても良いでしょう。GPU AUDIOという新しいメーカーの合同ブースです。このメーカーはその名前の通り、GPU= Graphic Processer Unitを使い、Audio Plug-inなどの処理を行おうというアイディを持って立ち上がった新進気鋭のメーカーです。話を聞くと、AudioのGPUプロセスを実現するまでに、なんと8年もの歳月をかけて完成させたのだとか。Audio業界全体にとっても未開の領域であったGPUによるプロセス。ハイパワーなGPUがスーパーコンピューターのプロセッサーとして採用されたりと他の分野では活用が始まっていましたが、なぜかAudioでは使われてこなかった分野に初めて切り込んでいます。
実際にGPUは小さなプロセッサーコアが、多数搭載されています。PC用のプロセッサーだと4〜8個のコア・プロセッサーが搭載されているのが一般的ですが、GPUでは現在販売されているものは、1500~4000個程度のプロセッサーが搭載されています。これは、並列処理が得意だということに言い換えられます。ちょっとした処理を数多く行うAudio Plug-inにはピッタリの技術と言えます。みなさんのミックスデータを思い出してください。プラグインどれくらい刺さってますか? かなりの数のプラグインが挿さっているはずです。
会場で実際にデモとして動いていたのがVLS。Vienna MIR Pro 3Dです。3Dというだけでも新しいんですが、動作が重いことで有名なViennaがLaptop PC上で74Trackも動作し、しかも7.1.4chのイマーシブで再生されています。これは、Viennaを触ったことのある方であればかなり衝撃的な事件ではないでしょうか。
コンサートホールに数多くの音源が配置されていることが、この画面からもわかります。それぞれの楽器の位置がそれぞれ3D空間に設定されています。
そしてこれがGPU Audioの技術! このViennaのプロセスをCPUで行うのか、GPUで行うのかの切り替えボタン。全く新しい技術であることを実感させるGUIですね。
他にもGPU Audioの技術に賛同しているメーカーは多いということです、今後このメーカーの技術を使ったプラグインがどんどん登場するのではないでしょうか。非常に楽しみです。もちろん、自社でのプラグインのリリースあります。近日登場するものが多数。これからの技術であることは間違いありません。ぜひともチェックをお願いします!!
このブースに訪れた際、ライブパフォーマンスが行われていました。なかなか素晴らしいパフォーマンスだったので、動画を取りつつじっくりと楽しんでしまいました。全編ではありませんが、NAMMらしい一幕として、ぜひともこちらのパフォーマンスをお楽しみください。パフォーマーはNao Tokui & Big Yuki(なんと日本人です!)
GPU AUDIO
https://www.gpu.audio/
記事内に掲載されている価格は 2023年4月14日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ