全世界のギタリストの間で注目を集めるNeural DSP初のハードウェア製品Quad Cortexに、会場でも熱い視線が注がれていました。
展示されているものはまだまだ開発段階
展示機で触れたのはアンプ、ストンプ等のモデリング部とキャビネットのセクションのみで、目玉機能の1つであるNeural Captureについては展示機には未実装とのことでした。弾いてみた感触としては、同社のArchetypeシリーズプラグインのような音がそのまま出ている印象で、この時点でアンプモデラーのハードウェアとして相当な実力を持っていることが伺えます。
肝心のNeural Captureについて
普段、iZotopeのDeep Learningを応用したソフトウェアを駆使する人間として一番気になっているNeural Captureの中身について突っ込んだ質問をしてみたのですが、
Q: Neural Captureにはキャビネット、マイクの挙動まで含まれるのか?
A: 含まれる。Kemper同様セットアップ一式をキャプチャー可能。
Q: Neural Captureで学習するキャビネット、マイクの特性はIRと関係があるのか?
A: 全くの別物。
Q: 1回のNeural Captureのプロセスにかかる時間はどれくらいか?
A: 初期バージョンでは9時間ほどかかったが現在では5分以内に短縮されている。
という期待の高まる返答でした。Captureプロセスの時間についてはDeep Neural Networkを用いる以上、それくらいかかってしまうのは仕方ないのかなと思いつつ、そのためにあれだけ強力なプロセッサー(クアッドコアSHARC)を積んでいるんだなと妙に納得した部分もありました。
超軽量コンパクトな設計
これだけのパワーを備えたハードでありながら、1.6kgという超軽量設計で、実際に持ち上げてきてもびっくりするほど軽かったです。ハイエンドなハードウェアギタープロセッサー=5kg前後という常識を覆す軽さは、他のプロセッサーのメーカーにとって大きな脅威となるのではないでしょうか。
1stロットの1,000台は既に予約完売し、現在は2020年11月出荷予定の2ndロットの予約を受け付けているようです。
価格は1,599 €/$。
Neural DSP
https://neuraldsp.com/quad-cortex#pre-order
Writer : 特別寄稿 株式会社ViViX 青木征洋
記事内に掲載されている価格は 2020年1月18日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ