本サイトでの Cookie の使用について

閉じるボタン
head-love Created with Sketch. CREATOR
レポート
18
Jan.2020
レポート

NAMM2020 DAY2:IK Multimedia

namm20202_ik_multimedia01

NAMM2020_Rock oN_Report

IK Multimediaからもいくつか新製品の発表があったのですが、特に面白かったものを2つご紹介したいと思います。

T-RackS Sunset Sound Studio Reverb

リバーブと銘打っていますが、Sunset Sound Studioでのレコーディング体験をそのままトレースするためのソフトウェアと言い換えてもいいかもしれません。Led ZeppelinやThe Rolling Stones、Van Halenと言った錚々たるバンドのレコーディングが行われてきたSunset Sound Studioのレコーディングブースやボーカルブース、エコーチャンバー、プレート/スプリングリバーブのインパルスレスポンスを実際にSunsetのマイクとコンソールを通して収録したものがこのSunset Sound Studio Reverbです。運良く別室で実際の音を聴くことが出来たので印象をお伝えしたいと思います。

まず部屋によってダンピングの量が選べたり、マイクポジションが選べるようになっています。狭い場所で録音したドラムにアンビエンスをつけたい、宅録したソロヴァイオリンをバンドアンサンブルに馴染ませたい、なんてことは音楽制作をしていると結構な頻度で起こるかと思うのですが、ブースのIRをかければかなり良い具合にアンビエンス、部屋鳴りを付与することが出来そうです。実際にはリバーブをかけるという行為ではあるのですが、どちらかというとSunsetでのドライな録り音をシミュレートするためのプロセスと言った印象でした。プラグインの中でdry音とwet音の音量を別々に制御出来るため、インサートエフェクトでも気軽に使えると思います。

同様に、例えば宅録のデッドなボーカルのソースが手元に届いた場合であればSunsetのボーカルブースのIRをかけてやれば「Sunsetで録ったドライ音」を生成できるため、ドライなレコーディングを少しだけライブにしてからミキシングを始めることが出来るようになると思います。
trsunsetsound_mac@2x

こうしたIRのリバーブはIRの品質こそが全てと言っても過言では無いのですが、
こうしてスタジオの監修を受けつつ特定の部屋、機材環境の音を再現することにフォーカスを絞ったIRライブラリというのは使用する上で非常に信頼出来ると思います。

現在予約を受付中で、イントロプライスの17,990円で購入できるようです。発売時期は1月中を予定していますが、2月に少しずれこむ可能性もあるとのことです。

製品ページはこちら
https://www.ikmultimedia.com/products/trsunsetsound/

Z-TONE DI/Z-TONE Buffer Boost

Axe I/Oの登場の際「Z-TONEは面白そうだな〜いいな〜」と思ったものですが、IKがなんとその部分を切り出してDI、バッファーにしてしまいました。エレキギター(特にパッシブ)は出力インピーダンスが非常に高い上に回路構成によって個体ごとに値が異なるのですが、受け側(DI、バッファー、オーディオインターフェース)の入力インピーダンスとのマッチ/ミスマッチ具合によって音質に大きな変化が生じます。このZ-TONEはユーザーが連続的に調節可能な可変入力インピーダンスを採用することによって、使用するギターごとに最適な音色を設定出来るようにしてくれるギタリストの救いのようなテクノロジーです。これまではAxe I/Oでしか使えなかったため、他にメインのオーディオインターフェースを持っているギタリストは恩恵を受けるのが難しかったのですが、こうしてDI/バッファーとして切り分けてもらえると非常に気軽に導入出来るので多くのギタリストにとっての福音と言えるのではないでしょうか。残念ながら試奏環境がかなりうるさかったため劇的な変化を体感するには至らなかったので次は静かな環境で試したいなと思うのですが、インピーダンスがギターのトーンにどのような変化をもたらすかを知るという意味でもZ-TONE DI/Buffer Boostは有益なプロダクトだと思います。

ztone_bboost_img@2x

こちらは国内の発売時期、価格については未定とのことです。

製品ページはこちら
https://www.ikmultimedia.com/products/ztonebufferboost/

Writer : 特別寄稿 株式会社ViViX 青木征洋

IK Multimedi メーカーページはこちら
https://www.ikmultimedia.com/

namm20202_ik_multimedia02

記事内に掲載されている価格は 2020年1月18日 時点での価格となります。

最新記事ピックアップ

Inter BEE 2024 : Mix Wave
Mix Waveはレコーディング&ミキシングコンソールAPI 2448をはじめとする各種API製品からアウトボード、スピーカーブランドのAmphion、業界から高い信頼を寄せられているPRISM SOUNDのオーディオイ [……
Inter BEE 2024 : KORG
KORGのブースでは、Live Extremeに関する展示や、マイクロフォンやオーディオインターフェイス、さらにはKORG初となるインテリア雑貨となるBGMプレイヤーなど、多彩な製品を展示! すっかりお馴染みになったコル [……
Inter BEE 2024 : アンブレラカンパニー
アンブレラカンパニーは人気ブランドの新製品を多数展示。 WesAudioの新製品として、500シリーズのマルチバンドコンプレッサー_PANDORAが展示されていました。3つのバンドには独立したVCAコンプレッサーを搭載。 [……
Inter BEE 2024 : Waves
Wavesは、初の一体型ライブミキシングコンソールeMotion LV1 Classicを展示。絶え間なく多くの来場者を集めていて、注目度の高さが伺えます。 eMotion LV1 Classicは、eMotion LV [……
Inter BEE 2024 : Solid State Logic
Solid State LogicはORIGINコンソールや、System T Cloud を含む Production Console System T 最新情報、ストリーミングや音楽制作向けのプロダクトを展開。 ”S [……
Inter BEE 2024 : SENNHEISER
SENNHEISERブースでは世界初のワイドバンドを使用するWMAS(Wireless Multi-channel Audio System)双方向デジタルワイヤレスエコシステム「Spectera」を実機を展示していまし [……
Inter BEE 2024 : iZotope
iZotopeブースでは新製品Aurora & Plasmaプレビューということで、iZotopeアーティストとして動画その他でお馴染みの青木征洋氏によるセミナーを開催! AuroraはExponential [……
Inter BEE 2024 : YAMAHA
YAMAHAはデジタルミキシングコンソールRIVAGE PM Series、DM7シリーズと拡張カード、I/OラックR Series、PAスピーカー、そしてAFC IMAGEを体感できるミニシアタースペースなどを展開。 [……
Inter BEE 2024 : AVID
Avidブースでは、ソリューションごとにセミナーを毎日開催
Inter BEE 2024 : Genelec
Genelecブースではなんと、11月13日に発表されたばかりの UNIO PRM(Personal Reference Monitoring)が体験できます! スピーカー・モニタリングとヘッドホン・モニタリングをシーム [……
Inter BEE 2024 : Nice Company
OPSODIS 1は 鹿島建設が挑む立体音響スピーカー
Inter BEE 2024 : Blackmagic Design
モック展示ですがブラックマジック Apple Immersive Video用の世界初のカメラ Blackmagic URSA Cine Immersiveをディスプレイ
Copyright © Media Integration, Inc. Rock oN Company