大阪府立国際会議場にて開催されている「サウンドフェスタ」も二日目!本日はSR卓やラウドネスメーター、スピーカーにダミーヘッドマイクなど、様々な製品をご紹介します!!
●MIDAS
InterBee 2011にてMIDASから発表されたLive Audio System「PRO2/PRO2C」がサウンドフェスタに展示されていました。
PRO2は 118cm x 73cm(写真)、PRO2Cは 88cm x 73cm とコンパクトな筐体ながらもcat5eケーブルで接続するAES50プロトコルのI/Oユニット(Stage I/O: DL251 48 in / 16 out)を接続し、本体の入出力と併せて標準仕様で56in/32outの入出力を可能にする「Live Audio System」です。パネル上にはMIDASの伝統ともいえる視認性の高い操作子が並びダイレクトなコントロールが可能で、15inchのフルカラーTFT液晶パネルの搭載により非常に高い操作性が得られています。
また、PRO2で4,410,000円、PRO2Cで3,517,500円(共にTouring Package/定価)という業務用コンソールとしてはリーズナブルな価格設定ながら 96kHz/40bit froating の内部処理により同社上位機種に比肩する高品位なサウンドを実現しており、世界中のSR現場で培われてきたMIDASアナログコンソールのノウハウと最新のデジタル技術が融合した完成度の高い製品になっています。
同機はiPadアプリ「Mix Tender」に対応。このアプリを使用することによりiPadでのリモートコントロールも可能になります。このiPad画面に映っているのはフェーダーセクションですが、コントロール・センター(本体)上のレイアウトがそのまま反映され、リモートで操作できるようになっているのがお判りいただけると思います。フェーダーやエンコーダーのレイアウトは任意にアサインできるのでコンソール上の操作だけでも十分に柔軟ではありますが、リモート操作を加えることにより従来のオペレーションに縛られない操作が可能になるのではないでしょうか。同時に複数のiPadでの対応も可能(!)なので、モニターセッティング等には重宝しそうですね!
入出力数の異なるオプションのI/Oも用意されており非常に高い拡張性を持つ同機ですが、AES50対応の仕様である事により同プロトコルに対応する製品とのデジタルドメインでの接続ができます。Etherケーブルを使用し、最大156入力 x 166出力までのシステム構築ができますので、多チャンネルのモニターセッティングやマルチレコーディングまでも1台で行う事が可能になります。
●Focal
Focalからは満を持してのリリースとなる同社モニターの最新モデル「SM9」がCMSシリーズや、SM6シリーズと並んでがラインナップ。NAB2012でも注目を集めていた同機は3Wayと2Wayの2つの異なるユニット構成を一つのエンクロージャーに納めた非常にユニークな、そしてオールマイティーなアクティブ・モニターです。そもそもFocalは世界でも数少ないユニット自体を自社生産するスピーカーメーカーでSM9に搭載されるユニットも同社独自のテクノロジーががふんだんに盛り込まれています。
3Wayシステム・モードではベリリウム・ツィーター+ 6.5″ Wウーファー + 8″ Wサブウーファー + 11″ パッシブラジエーター が、2Wayシステム・モードではベリリウム・ツィーター+ 6.5″ Wウーファーが動作し、それぞれのユニット構成を生かしたサウンドが同一のリスニングポイントで得られる事は他の製品では得られない最大の特徴となります。
Focal SM6シリーズでも採用されてきたベリリウム・ツィーターとコンポジット・サンドウィッチ・コーン・ウーファーは高剛性で軽量なユニットで単に広い周波数をカバーするだけでなく、過剰なピークやトランジェント特性を持たずにレスポンスの良いサウンドを再生。加えてパッシブラジエターを搭載する事によりSM9は3Way時には実に30Hz~40kHzというラージモニターに匹敵する周波数特性を獲得しています。
対して2Way時には周波数特性は90Hz~20kHzとなりますが、ユニット間の再生帯域が近づくことにより中域の再生情報はより高密度化し、制作時やミックス等サウンドの変化をモニターする際に最適な特性となります。一台でトラックの製作からミックス、果てはマスタリングまで対応するSM9は製作環境の新しい基準点になるかもしれませんね。
気になる金額はペアで¥750,000とのこと!気になる方は是非Rock oNまでお問い合わせください!
●CANARE
CANAREブースでは注目のLANケーブル「RJC5ES-4P-BS」と「RJC5E-4P-WJ」が展示。共にcat5eケーブルですが最大の特徴はその柔らかさです。上記のMIDASもそうですがデジタルオーディオ環境においてもEther接続の需要は益々高まっていますが、従来のEtherケーブルは固く引き回しにくく、また耐久性にも難が有りました。CANAREからリリースされるこの製品は「移動用LANケーブル」と謳われていますが、正に従来のマイク/ラインケーブルのごとくしなやかで扱いやすいケーブルになっており、スタジオでもSR現場でも最適のケーブルといえます。
「RJC5ES-4P-BS」と「RJC5E-4P-WJ」はシールドの有無ですが、特にシールドタイプの「RJC5ES-4P-BS」はラインケーブルと同様の編組シールドを採用し、耐久性と使いやすさを両立。コネクターはイーサコン NE8 MC-B-1とRJ45 STPプラグ、RJ45 UTPプラグが用意されています。仕様上の最大転送距離は「RJC5ES-4P-BS」が50m、「RJC5E-4P-WJ」が100mとなっていますが、このケーブルなら実際にそれだけの長さになっても取り回しが可能に思えます。こんなLANケーブル、欲しかった方も多いのではないでしょうか?
●TC Electronic
TC Electronicからはラウドネスメーターの中でも抜群のシェアを誇る「LM6」が展示されていました。放送業界では最早必須となり、その他のコンテンツに置いても多大な注目を集めている”ラウドネス規格”。ラウドネスレベルを知るために最も重要な機材は当然ラウドネスメーターになります。
中でも定番となっている「LM6」が先日バージョン1.1にアップデート。複数のオーディオトラックを解析してログを残せる「super-fast off-line measurement 」がAudio-Suiteに追加されたことにより、これまで以上のスピードでプロジェクト全体のラウドネスを把握することが出来るようになりました!
プラグイン・フォーマットはVST、AU、AAX、RTASに対応し、Media ComposerやFinal Cut Pro X、Pro Tools、Nuendo …他主要なホストアプリケーションで使用可能。もちろんMacもWin PCもOKです!
Rock oN では店頭対応はもちろんWEB通販でもラウドネス関連商品をご用意しております。
是非ご利用ください!
隣にはTCグループが取り扱う製品がズラリと並んでいました。Blue MicrophonesのSnowBallやYeti、TC-Heliconの「VoiceTone」シリーズなどおなじみの製品も!楽器エフェクト関連もTCを代表する製品ですね。ギターエフェクトは定番ですが、Voiceエフェクト中心のTC Heliconブランドの製品も注目を集めています。
●サザン音響
サザン音響からは「SAMREC」が展示。
この製品はバイノーラル録音を目的としたダミーヘッドマイクです。バイノーラル録音自体は決して新しい手法ではありませんが、音源の高音質かに伴い様々なステレオ収録方法が試される中、最近再び注目が集まっています。「SAMREC」を始めサザン音響のダミーヘッドマイクは妙にリアルな造形が特徴的ですが、それぞれがIEC国際規格ダミーヘッド作成で培われた多くの音響技術やノウハウを投入して作られた第一級の製品で、今回は研究者の要望に応え『アジア人の耳』を想定した耳介モデルの展示を行っていました。
最近はイヤフォンで音楽を聴くユーザーが増えたため一部では「SAMREC」をレコーディング使うクリエイターも増えているとのこと。構造上人間のリスニングポイントに限りなく近いポイントでの収録はステレオ音像としては究極的な物といえるかもしれません。性能というよりは機能性の方が高い部分も有るかもしれませんが、ダミーヘッドマイクでなければ得られない音像も確かに有ります。
普通のステレオ録音をイヤホンで再生した場合その定位の中心は前方ではなく頭の中心になります。その点バイノーラル録音はイヤフォン再生出の再生でこそ自然な定位が再現できるため現代のリスニングには向いているともいえます。
「SAMREC」は測定用の製品がほとんどを締めるダミーヘッドマイクの中で数少ない、録音用途に向けて作られた製品です。性能面でも20Hz~20kHzの周波数特性を公称値とし、一般的なレコーディング用マイクと遜色ないスペックを誇ります。
ダミーヘッドマイクは一般的なマイクのような近接効果が殆ど発生しないためパワー感はあまり得られませんが、広がりの自然さは特筆もの。臨場感にこだわりたい方は一度試してみると良いかもしれません。
さて、サウンドフェスタレポートも残り僅か!DPA期待の新製品など、魅力的な製品はまだまだ登場しますので、乞うご期待!!
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