制作、LIVE双方に求められるすべてを全く新しいコンセプトで統合し、発売前から注目を集めていたKORG「Zero」シリーズ。
「制作、LIVE双方においてユーザーを選ばない」=「固定観念を持たない」=「Zero」の全貌を渋谷で行われた発表会での体験をもとに、スティービー竹本がレポートします。
何故「Zero8」が新しいのか、インテリジェントな融合。では、何を融合!したのか・・
★ 高品位内部処理32bitデジタルミキサーfsは、192khzまで対応
★16ch IN OUTFW接続のマルチオーディオインターフェース
★自由にChアサイン可能な次世代KAOSSエフェクト
★ギター、ボーカル、ターンテーブル、レコーディングソースを選ばない多彩なデジタル効果(ビンテージモデルまで)
★ノブやロータリーエンコーダーで操作する、最高197種のMIDI CCを送るモンスターコントローラー
★トータルアナログVUメーター
★プレイを満足させる、充実のパフォーマンス高品位高耐久性フェーダー&クロスフェーダー
その全ての要素が各ユーザー毎の用途に応じてバランスを取り変化し融合し合い、制作だろうとLIVEだろうと柔軟に対応出来る全く新しいコンセプトのデジタルミキサー、それがKORG「Zero」なのです。
「Zero」Concept.A 『ブルーとオレンジで示すAudioとMidiのフリーチャンネルコンセプト』
昨今、ミキサーとオーディオインターフェースにDAWコントローラーを合体させたような製品は数多く見受けられますが、その取捨選択はユーザーに とって常に受動的で仕様比較のみに走りがちな面白味のないものでした。しかしZeroはその既成概念を壊します。1〜8ステレオチャンネルの上部に配置さ れたノブはユーザーがどのようにミキサーを使いたいのか自由に選択させてくれます。例えばこのノブが左端から3時方向までの時はチャンネルのEQやPAN のノブ等全てがオレンジ色に点灯し記載通りに機能します。しかし右いっぱいに回すと(GAIN以外の)全てのノブが美しいブルーライトへ切り替わり、完全 なるMIDIコントローラーノブへと変化します。もちろんチャンネルのEQとPANのみを残し、それ以外のノブはMIDIコントロールノブ(ブルーライ ト)など器用な設定もOK。ユーザーの用途に応じて最大197種のMIDI CCを発する巨大MIDIコントローラーにも成り得ます。しかしロータリーノブではないためMIDIコントローラーから突如Audioに切り替えるとEQ 等はノブの位置で反応してしまうようです。これについては開発の方から基本的にLIVEでも制作でもAudioからMidiコントローラーへコロコロと切 り替えるのではなく自分好みの設定で使っていただくケースがほとんどだろうとの見解。これに起因して1点だけ危惧されるのはLIVE中での不本意なタッチ による設定の変化でしょう。Holdスイッチを付けては?の意見には、設定画面からHoldスイッチを加えるよう検討しますとの前向きなお答えを頂きまし た。
「Zero」Concept.B 『パフォーマンス、レコーディング に彩りを添えるフリーエフェクトコンセプト』
上記コンセプトAの写真中央にも見られるEQ SELECTORの文字。 A〜Kまでの11種類と1チャンネルのEQとしては考えられないパターン数ですが、それらも自由な設定が可能です。音楽的で傾斜の緩いEQからアイレー ター、そしてZeroのために新開発された開発担当者イチオシのトリッキーサウンドZero EQなど、写真右のようにチャンネルごとに豊富な音楽性を持たせる事が出来ます。またディスプレイ部はXYタッチパッドになっており、KORG社の Kaoss Pad宜しく指先でのエフェクトコントロールが可能です。同日発売のKAOSS MIXERがKaossPad-MINIを内蔵したのに対して、Zeroはどんなトリッキーなビートエフェクトが飛び出すのかと思いきや、なんと Kaoss Padに内蔵されていたシンセやリズムマシンを無くした分、純粋に音作りに特化したコンプレッサー系のエフェクト等を強化。レコーディング用のTube Compから、低域を締めるFat Compなど様々。開発者曰く、KAOSS MIXERはLIVEパフォーマンスのみを考えた仕様になっているがZeroはDAWソフトとの連動も兼ねたパフォーマンスやレコーディングを視野にエ フェクトを開発したとの事。納得です。
「Zero」Concept.C 『TRIDENT制作スタッフによるこだわりの設計コンセプト』
TRIDENT そしてMackieコンソールの中心的開発者のイニシャルをVUメーター下部に刻印。Zeroのプリアンプからマスターアウトに至るまで設計に大きく携 わっている証拠でもあります。フルデジタルミキサーながらもDJパフォーマンス及びレコーディングに耐えうる音質を確保し、プリアンプのゲインカーブにも 熟練の開発者ならではの表現力のあるカーブを描いてくれます。そして軽視されがちかも知れませんがチャンネル毎のレベルメーターとは別にVUメーターが搭 載されていることが最も大きなポイントです。レベルピークだけではなく音圧の調整等にもVUメーターは重宝するため、クラブなどでミキサーと別にVUメー ターを用意しているDJの方を見かけた事があるかと思います。Zero8ではマスターアウトのみがVUへ送られる仕様となっています。また春先に発表され ていたモデルとはクロスフェーダーの仕様が若干変更、より軽くスムースな動きに加え、クロスフェーダーを動かしながら指先でタッチパッドをなぞるなど 「Zero8」ならではのパフォーマンスも可能です。
「Zero」Concept.D 『専用機さえ凌駕するモンスターDAWコントローラー』
ブルーに輝く8基のノブ、実はスイッチ式になっており押し込む事で回したときとは別のCCを送ることができます。A〜DのBANKは即座に呼び出し可能で すのでLIVEテンプレートとして保存しておくのが便利でしょう。合計64のMIDI CCを縦横無尽に操るのもユーザー次第。「Zero」のシステムに規制はないのです。またXY PADもエフェクトだけでなくMIDIコントローラーとして使用可能なんです。X軸、Y軸で二系統?と考えるのはこれまでのコンセプト。「Zero8」は タッチのon/offに対してもMIDIのCCが送れるので、タッチした瞬間にエフェクトのDRY/WETが切り替わったり、ableton LIVEならば押した瞬間に再生され話すと停止するサンプルセルがあるなんてのも面白いかも知れません。DAWと連携すれば従来の常識を覆す「Zero」 ならではのパフォーマンスもすぐに生み出されることでしょう。コンセプトAで御紹介したチャンネルノブももちろんアサイン可能ですので、2in2outで 十分事足りるプロジェクト等にはZero8のパネルをコントロールブルーに染め上げてしまいましょう。
「Zero」Concept.E 『万全のクオリティーオーディオインターフェース』
FW400接続によるAudio I/F機能は、mono16ch Stereo8chのマルチ入出力を誇ります。192Fs24Bit処理まで対応する本体とともにアプリケーションに最高のサウンドを提供出来そうです。 ハード的には、さまざまな国でのライブに対応できるユニバーサル電源ユニットを採用(90V-260V)に対応して、不安定な環境でも安定して動作しま す。
『総評』
HipHopのための2Mixでも、リズムマシンやシンセを加えたMixでも、純粋なボーカルレコーディングとDAWコ ントロールにも、ユーザーが必要とする用途に応じて姿を変化させられる、それが「Zero」コンセプトなのです。このコンセプトが面倒な階層設定等ではな く、オレンジとブルーによる美しくかつユーザーフレンドリーな製品に仕上がった事が最も賞賛に値する所でしょう。今回の短い時間テストの中で、入力セレク トで変化する機能(Midi,Audio)ゆえに、デジタルセットアップされたレベルやEQのセッティング(ルーティングは保持)を安全に保持出来るモー ドがあると便利ではないかと感じました。DJパフォーマンスに必要な要素を全て備えながらも、パフォーマンスのみではなく制作を視野に入れ、それでいてど ちらかが犠牲になることがないユーザー毎の「Zero」コンセプトを是非様々な音楽シーンで目にしたいものです。
製品のお問い合わせは、ROCK ON スティービー竹本03-3477-1756までぜひ! 現在ご予約を開始しています。
詳細情報は、KORGサイト
http://www.korg.co.jp/Product/Dance/ZERO/movie.html
販売価格 Zero8 ¥167,500(税込), Zero4 ¥117,500(税込)
ご予約は03-3477-1756 Rock oNまで
販売開始予定 2007年8月24日
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