
Hip Hop、R&B系のミュージシャンに絶大な人気を誇るAKAIのMPCシリーズ。そのMPCシリーズに期待のニューフェース「MPC5000」が 今年のNAMM SHOWで発表されてからはや半年経ち、先日、遂に国内での正式発表がありました。従来のMPCユーザーの要望を受け入れて進化した同マシンに期待を抱き つつ、横浜のプロ・オーディオ・ジャパンさんにおじゃましてきました。
【いざ、突入!〜歴代のMPCに感動〜】部屋に入るやいなや、奥の控えスペースに通されましたが、そこで目についたのが歴代のMPCが窓際にズラリと並べられた姿でした。懐かしいMPC60から 始まって、私も所有しているMPC2000X(色が違いますが…)もあり、眺めたりいじったりでちょっと時間を食ってしまいましたが、隣の展示スペースの にぎやかさに吾にかえり(笑)、早速技術の方にご説明願う事にしました。
【伝統を残しつつ、かつ進化した作り】
まずはご対面!一瞬、MPC2500と間違えそうなその筐体は、よく見るとフェーダーのツマミも多く、見やすい大型液晶ディスプレイも付いて、明らかに ニューマシンでした。本体の高さもそんなに厚みが無く、また重量も2500よりは重いはずなのに、そんなに重く感じられませんでした。パッドも叩いた感じ の感触も良く、しっかりとした作りはMPCならではといった感じです。
【ユーザー待望の、今までにないMPC。】
次に問題の中身へ。今回の5000の特徴は、「オールインワン・ワークステーション」と題 して、従来のMPCの機能に、HDレコーダーとシンセサイザーが追加された点です。これは”今までのMPCユーザーの方々から、一番多かった要望にお応え した結果”とのこと。つまりは今まで外部機器に頼らざるをえなかった部分を取り込んでしまい、このマシン一台で楽曲制作が完結してしまうというわけです。 スタジオなどにノートPCとオーディオ・インターフェース、それと接続ケーブルも…などとごちゃごちゃ持っていかなくても、この一台で済んでしまう訳で す。実に素晴らしい!

【DAWソフトいらずの完結型HDレコーダー】
では、そのHDレコーダーの詳細へ。基本的にはシーケンスのソング・モードに、8トラックのレコーダーが付属したという形となっており、同時に2chまで の録音が可能。それは従来のサンプルを録る場合と同じ要領なので、ボタン一つで簡単に録音出来ます。録音後は、サンプルをエディットするように、録音デー タを修正した後、本体左側にあるQ-Linkスライダーを使って、ミキシング。今回、Q-Linkスライダーが4つも付いているので、ミックスやエフェク トの操作も、従来のHDレコーダーの様に直感的に行えるのが便利だと思いました。レコーダー機能が付いて、更に有り難みが感じられる仕様となってます。
【操作が簡単便利の内蔵シンセサイザー】
そしてお次は初内蔵のシンセサイザー!遂にMPCにも音源が内蔵される時がやってきました。僕のMPC2000の時代には予想も付かない事が実現されてお ります。操作方法も至って簡単で、”SYNTH”と書いてあるボタンを押すだけでシンセモードに入り、あとはVCO、VCFなどの各パラメーターを、また あのQ-Linkスライダーとツマミを使ってエディットするだけです。音も思ったより高品位で、それもそのはず、ALESISのシンセサイザー・テクノロ ジーを惜しみなく投入されており、同時発音数も20音、更にすごいのがオルガンやエレピ、ストリングスなども含む271音色ものプリセット音が搭載されて おり、もうまさに単体シンセ音源です。演奏にはやはり外部MIDIキーボード・コントローラーがあった方が便利ですが、簡単なフレーズならパッドでも問題 なさそうでした。
【今回のMPCに触れてみて…】
その他の点としては、シーケンサー部にピアノロール表示対応や分解能960クロックなど、MPC4000のみの機能を搭載。また、今まで別売りオプション だったADAT端子が標準装備。さらに、80GBの内蔵HDDには、あの数々の良質なライブラリーをリリースしているLoopmaster社制作のサウン ド・ライブラリーが650MBも収録!いちいちサンプリングしなくても、買ってきてすぐに曲作りが可能です!色々と便利になった今回のMPC。私的に気に なる点と言えば、様々なバージョン・アップをしているのに対して、メモリの最大容量が意外と少なめ(192MBまで)なのと、USB接続によるPCとのや り取りが、データのバックアップ・管理のみという点でした。個人的にはPC上で波形エディットなど出来ると楽だったりするのですが、今後、そういったソフ トウェアが出てくるかも!?と申しておりました。何はともあれ、今回のMPC、シンセとして使うもよし、スタジオなどでレコーディングしまくるもよし、ラ イブでオケを再生しながら、パッドを叩きまくるもよしと、サンプリング・ドラムマシーンに留まらない新たなMPCの可能性を垣間見た気がしました。
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