Introduction
トラディショナルなスタイルを現代的な技術でネクストレベルへと昇華し、革新的な製品をリリースするSteven Slate。
NAMM 2013 、AES 2013 でのデモンストレーションで話題をさらったマルチタッチDAWコントローラー Slate Pro Audio「RAVEN MTi」がRock oN渋谷店に導入されました!早速その使い勝手を検証してみます!
開封の儀
まず箱は開封の儀。新製品を手にしたときのこのドキドキ感はたまりませんね。
中身は本体とスタンド、マニュアル、ACアダプタ、ACケーブル、DVIケーブル、USBケーブル、パスコードが記載されたハガキ大の紙、そして画面クリーニングのためのクロスと界面活性剤らしきスプレーが。
Install
RAVEN MTiのインストールは通常通りSlate DigitalのアカウントからNew Productの登録を行います。
製品に同封されたパスコードを入れ、メールが来たら記載されているパスワードで再度製品ページにログイン、ダウンロードです。ダウンロードが必要なソフトは以下の4つです。
Ney-Fiは解凍したらアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップするだけです。
設定
次にRaven MTi本体をMacに接続。USBケーブル、ACアダプタ、DVIポートをそれぞれ接続します。現行のMacはMini Displayport – DVIアダプタが別途必要ですのでご注意を。
全て接続してからRaven MTiの電源を入れると、Macが自動的に外部ディスプレイとして認識します。必ずRaven MTiをメインディスプレイに指定してください。ミラーリングはNGです。
初回起動時にシリアルを入力。
これで起動の完了です。Ney-FiとRaven Softwareはドックに入れておきましょう。
次はディスプレイのキャリブレーションを行います。
インストールしたMulti Touch Platoformを起動。
画面左下の「Calibration」をクリック
Ravenのディスプレイに赤い十字が表示されるので1秒以上タッチします。数回繰り返すと画面が元に戻るのでソフトを終了してキャリブレーションは完了です。
今度はPro Tools側の設定です。設定>MIDI>入力装置…をクリック。
MIDIインプット有効化の画面で
にチェックを入れます。
次に 設定>ペリフェラル…をクリック。
#1 タイプ:HUI / 受信元:V-Control / 送信先:V-Control / チャンネル:8
#2 タイプ:HUI / 受信元:V-ControlXT2 / 送信先:V-ControlXT2 / チャンネル:8
#3 タイプ:HUI / 受信元:V-ControlXT3 / 送信先:V-ControlXT3 / チャンネル:8
と設定。すると…
「Pro ToolsはHUIとコミュニケートできません。」というエラーが!しかしご安心を。ここは無視し、「以後表示しない」にチェックを入れてそのままOKです。
さてそれでは使いますか!というところで再度Pro Toolsのミックス画面とのキャリブレーションを行いましょう。
Pro Toolsのミキサー画面に対してRavenのミキサーがオーバーレイのような形で表示されます。これが最初は少しずれているので手動で揃えます。Ravenミキサー側に赤いラインが表示されるのでそれを目安にしましょう。
一旦揃えたらMIXER24ボタンを押してRavenミキサーを22トラック仕様から24トラック仕様に変更します。ここでまたずれるので手動で調整します。
揃ったらまたMIXER22ボタンを押して22トラック仕様に戻します。
またずれてます。もう一回揃えます。
これで揃えば以後は22トラック、24トラックを切り替えても大丈夫です。この状態でPro Toolsを保存しておきましょう。
Let’s Play !
それでは実際に使用してみます。やっぱり気になるマルチタッチですよね。一体何点が同時使用できるのかを試してみました。
両手で3本ずつフェーダーを触って動かしたところ見事に動かせました!もう一人に手伝ってもらい、7本目のフェーダーを触ったところで動かなかったため、どうやら同時に6タッチまでのようです。無論それ以上を同時に動かすならグループを組めばいいですし、そもそも6本の指を別々動かせる人もそういないでしょう(苦笑)。
Mac OSに正式対応したタッチパネルはほとんど存在していませんし、Mac OS自体がマルチタッチに対応していないのでMac上でマルチタッチ可能なのは今のところRavenだけと言えます。
これだけでも価値は高いですね。コントロール部はロケーター、エディット/ミックス画面の切り替え、UNDO/REDO、ショートカットも十分あり、Ravenだけでほぼ操作することができます。当然ファインダーにもタッチでアクセスできるので通常の使用も問題ありません。
プラグインのパラメーターも当然ながらタッチで動かせます。ミックス画面では多くのショートカットが表示され、またズームやスクラブなど可能です。
タッチパネルで実際どこまで動くの?という疑問は正直ありましたが、実際にこうして使ってみると思った以上にスムーズに反応し、かなり快適。
また27インチの大画面を斜めにして目の前に置いてあるだけで視認性は格段に良くなります。もちろんそれだけであれば普通のLCDディスプレイを斜めに設置すればいいだけですが、フィジカルに画面に触れることの利便性はかなりのものです。特に指でオートメーションが描ける、プラグインを直感的に動かせる点などは特筆すべきでしょう。
とはいえ若干問題点も無くはありません。オーバーレイ方式のため、Pro Tools側のビューを固定しておかなければならなく、表示できるものに限りがあります。今のところは自由にカスタマイズ、というわけにはいかないんですね。
例えばミックスビューでインストゥルメント情報を表示すると全体が下にずれてしまい、使用出来ません。ただ、ソフトウェアでありこれからもアップデートはしていくでしょうから、ユーザーのフィードバックを受けてどんどん進化していくことは期待できます。また、まだベータ版ですがLogic Pro Xにも対応していますし今後他のDAWにも対応していくかもしれません。
総括
普段見慣れたPro Toolsの画面にダイレクトにアサインし、操作ができるのでフィジカルコントローラーにありがちな操作子とソフトの連携に慣れるて手間や時間を取られず、短時間でしたがガシガシ思い通りの操作をすることができました。
フェーダー感度に関してはもう少しシビアな精度が欲しいとも思いますが、そこは「FINE FADERS」というボタンが用意されているので問題ありませんし、デリケートな調整はマウスやキーボードで、と住み分けをすれば大幅な作業時間の短縮が見込めますね。この使用感に慣れれば慣れるほど手放せなくなりそうです!
Rock oN 渋谷店では公認Ravenスペシャリストがお待ちしております!お気軽にご来店、お問い合わせください!
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