Astell&Kern AK240 ハンズオン・レビュー! 「持ち運ぶリファレンス環境」を実現する新世代ハイレゾプレイヤーを徹底チェック!


Introduction

2013年は『ハイレゾリューション音源元年』と言ってもいいほどハイレゾ音源が一気にポピュラーになった年でした。

国内ではe-onkyoやmoraなどを筆頭に、コンテンツプロバイダー各社が、国内のメジャーレーベルからも続々とハイレゾ音源の配信を開始。現在、ビクター、ソニー、ユニバーサルなど多くのメーカーがこの市場に参入しており、これまでのハイレゾの定番であったJazzやClassicといったジャンルを超えて、J-POPやアニメなどの幅広いジャンルでリリースタイトルが増えていています。

同時に制作の現場でも最終的なリリース形態がこれまでのCDクオリティである「44.1kHz/16bit」以上を想するようになりました。ハイサンプリングレートのPCM、あるいはDSDでのマスターのアーカイブの必要性が高まりつつあります。

マスターとなるハイレゾ音源を、マスタリングやミックスの前に出先などでチェックする場合には、質の高いポータブルプレイヤーが必要となります。Astell&KernのAK240は、5.6MHz DSD ネイティブ再生まで対応しており、L/RそれぞれのチャンネルにDACを独立して備え、さらにはDSD再生専用CPUを別途搭載するという、徹底的に音質にこだわり抜いた設計となっています。

いつでもどこでも、スタジオレベルの「リファレンス環境を持ち運ぶ」ことが可能なんですね。

素材と工程にこだわり抜いた優雅なアシンメトリー・デザイン

さっそく渋谷店舗に届いたAK240をじっくりと観察してみました。まずすぐに違いを感じたのが、進化したタッチパネル液晶画面です。高精細なAMOLED(アクティブマトリクス式有機ELディスプレイ)を採用しており、黒が引き締まっています。操作系も「静電容量式タッチパネル」を採用、液晶画面の画質向上だけでなく、操作感も確実にアップしています。

写真では100%伝えることが難しいですが、この光と影の組み合わせから生まれたアシンメトリー・デザイン、実機を見てみると、素晴らしい出来映えなんですよね。右側と下側の縁の部分にゆとりをもたせた非対称なデザインで、手に取ったときも思いのほか馴染みます。

また本体裏側はヨーロッパの高級ブランドを思わせる優雅さ。カーボンの幾何学的なパターンが、「光と影」を織りなします。

大きさはiPod Classicに少し厚みを持たせた感じで、不思議と手にフィットする大きさです。純正のプレミアムレザーケースもジャストフィットサイズで、簡単には外れないような寸法となっています。高価な製品ですが、日々持ち歩いても安心です!

リファレス環境を持ち運ぼう

当店でもプッシュしている須山補聴器のFitEarイヤーモニターシリーズも、その遮音性の高さ・再現性の高さ故に「持ち運ぶリファレンス環境」としてたくさんのユーザーから高い評価を得ています。

Astell&KernのAK240も、徹底的にこだわり抜いた一からの再設計により、これまでの限界を超える正確な音の再現を実現しています。FitEarとAK240、この組み合わせは、ある意味最強だと言えるでしょう。

Astell&Kern製品はリスニングユーザーにも広く受け入れられていますが、Rock oNのユーザーの皆様には、ぜひ制作用途の最強のポータブル・サウンドチェック・システムとして、FitEarと併せて導入していただきたいくらいです!

というわけで、さっそく日常使用しているFitEar 335DWで、Astell&Kern AK240の実力を、これでもかという程念入りに徹底解剖します!

まずは、AK240で音源のファイルフォーマットによる音質の違いを比べてみましょう。

比較試聴の音源に選んだのは、ノルウェーのレーベル2Lからリリースされている、HOFF ENSEMBLEの「Quiet Winter Night」という楽曲。この曲は女性ボーカルと、ブラシを含むドラムス、ピアノ、ウッドベース、エレクトリックギターという編成のジャズです。質感、ダイナミクス、奥行きなど総合的に比較しやすいソースです。まずはPCMとDSD、それぞれインプレッションを述べます。

192kHz/24bit(Korg AudioGateにてDSDから変換):

まずは、192kHz/24bitのPCMから。現在、一般には96kHz/24bitもあれば十分ハイレゾと認識され、192kHz/24bitだとかなり高品位な部類に入ります。全体としては、ハイサンプリングレートらしい中高域の再現性の高さ、高品位なDACがもたらすくっきりとした音の輪郭が申し分ないレベルです。

DSD 5.6MHz/1bit:

つぎに、DSD 5.6MHz。先ほどと比べて一気に印象が変わりました。音の立ち上がりと減衰が、極めて精細に表現されています。はっきりとした音像、正確なインパルスレスポンス、全体の印象を一言で言うならば、解像度の高さが段違いに上がった感じです。

低域のボリューム感を感じさせつつ、高域の突き抜けるような伸びやかさは、DSDならではのサウンド・インプレッション。DSDフォーマットで良い状態で録音されたソースがいかに多くの情報量を持っているかを、このポータブルプレイヤーは120%表現しています。

番外編:

最後に番外編です。多くの方は、iPhoneやiPodなどににサードパーティのハードウェアのオプションを追加したり、高品質な音楽再生専用アプリを使用して音楽を聞いているのではないでしょうか。iPhoneとどれくらい違うのか、試してみることにしました!

iPhoneアプリのONKYO「HF Player」に前述のDSDフォーマット(当然PCMへの変換再生)の試聴音源を入れて比較してみました。さすがに、コストが段違いに違うためかその差は歴然ですね。「HF Player」もローコストでハイサンプリングレートの音源を聞けることに満足していましたが、AK240と比較すると、解像度や音の艶、躍動感といった点で、はっきりとした差が出ました。

メーカー各社のハイエンド・ヘッドフォンでAK240に挑む

ここ数年、各メーカーこぞって10万〜20万円クラスのハイエンド・ヘッドフォンを市場に投入してきています。せっかくDSD音源をAK240で聞き比べることができるなら、これらもチェックしない訳にはいきません! というわけで、Ultrasone Edition 12、AKG K812、Focal Spirit Professional、Sony MDR-Z1000を順番に試してみました。


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ポイント還元

Review:

ドライバーの角度にまでこだわったこの機種ならではの、音の立体感、奥行きが明瞭に感じ取ることができました。また楽曲全体を通じて、リズムパートの弾むようなダイナミクスがよく伝わってきます。


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Review:

AKGらしい繊細な音の質感が、まるで強調されているかのごとく(実際は原音に忠実なのでしょう)、はっきりと感じられます。優れたインパルスレスポンスから来る音の本来の姿がリアルに感じられます。


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Review:

優れた定位感と、分離の良さが感じられました。全体的に耳が疲れない暖かくナチュラルなチューニングになっていることが、逆にはっきりと分かります。


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ポイント還元

Review:

印象としてリニアな周波数特性や、コンプレッサーなどのエフェクトの微細なニュアンスが伝わってきます。ボーカルの倍音、またピアノの高域鍵盤のタッチと残響が鋭く耳に響きます。

以上、4機種を聞き比べましたが、ソースが原音に忠実に再現されると、逆にそれぞれの製品の特徴が見て取れることがわかります。このソースはどのような状態で録音されたのだろう、ホールでの実際の収録なのか?コンボリューション系のプラグイン・リバーブなのか?といったところまで見えてくるという、驚くべき結果となりました。

総括

Astell&Kern AK240を導入する一番のメリットは、これまでの常識を超えた高品位な「持ち運べるリファレンス環境」を実現できるということでしょう。

ミックスやマスタリング前のチェックは、さまざまな方向から検証を重ねる必要がありますよね。スタジオで仕上げたハイレゾ音源をいつでもどこでも聴き直すことで、新たな発見があるかもしれません。AK240であれば、Rock oNユーザーのハイレベルなサウンドクオリティの要求に十分応えることが可能です!

Astell&Kern AK240はもちろん、AK100、AK120などの高品位プレイヤー、そしてAK240とぜひセットで使っていただきたいインイヤホンFitEar 335DW含め、Rock oN渋谷店では「持ち運べるモニター環境」をコンセプトに製品を一挙展示中。身近になったハイレゾ音源の新しい活用法を提案します!

製品についてのお問合せはRock oN渋谷店までお気軽に。お待ちしています!

Rock oN Company 渋谷店
ロックオンカンパニー

03-3477-1756
12時〜20時 定休なし

東京都渋谷区神南1-8-18 クオリア神南フラッツ1F

Astell&Kern製品のことをさらに詳しく知るならこちらをClick!

Astell&Kern AK240


DSD128(5.6MHz/1bit)のネイティブ再生をポータブルオーディオプレーヤーで実現


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