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ここ数年スマホでの音楽リスニングが主流になり、それに伴いイヤフォン/インイヤーモニターの需要が大きくなっています。
今回はレコーディングやライブでイヤフォンを使用されているエンジニア・山﨑しんや氏に、機種セレクトのポイントや導入メリット、さらには愛用しているSennheiser IE 400 PRO/IE 100 PROの使い勝手などについて、お話を伺いました。
★目次★
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イヤフォン/インイヤーモニターに求めること
Rock oN : エンジニアとして使う場合、山﨑さんがイヤフォン/インイヤーモニターに求めることは何ですか?
山﨑 氏 : エンジニアとして使いやすいイヤフォンの前提としては、まず変なEQがされていないことですね。リスニングで使うものではローが出ているものでもいいと思いますし、自分も普段リスニングで聞く時はレンジが広めでフラットよりもドンシャリくらいのサウンドが好みです。例えばヒップホップが好きな人なら低音が強調されたものが聞いていて気持ちがいいと思うし、アイドル系が好きな方なら歌がよく聞こえるものを選んだ方が楽しいと思います。
Rock oN : これまでに色々なイヤーモニターを使って来られてきたと思いますが、参考までに、機種名/その印象を置きかせください。
山﨑 氏 : PhilipsのSHE9700というのをずっと使ってました。これはTVでコスパ最強のイヤフォンだと紹介されていたのを見て購入したんです。見た目は普通のイヤフォンで価格も比較的リーズナブルだったんですけど、試しに買ってみたらバランスがとても良くて、リスニング用として重宝していました。
Rock oN : イヤーモニター導入のメリットはどんなことがありますか?
山﨑 氏 : 自宅でのミックスがメインなので、大きな音量で流せない時間帯にミックスの仕込みで使うのに重宝しています。ただ、音の速さ、空気感はイヤフォンとスピーカーでは違うので、いくら良いバランスがとれていても絶対にスピーカーでの確認はしますね。
あとマニピュレーターを担当する時にもヘッドホンよりイヤフォンを使うことが多いです。ステージパフォーマーもイヤーモニターを使う方も多いですし、ヘッドホンだとスピーカーからの音が聞こえてしまい、実際の細かいところまで聞けないというのも関係してると思います。イヤフォンは現場への持ち運びも便利ですし、最近の製品は音の解像度が上がったというのも大きいですね。
IE 400 PROを使ってみて
Rock oN : IE 400 PROを導入したきっかけは何ですか?
山﨑 氏 : SNSでIE 400 PROの評判を頻繁に目にするようになって、ずっと気になっていたんです。それで試しに使ってみたところ、自分が理想とするちょっとドンシャリなサウンドをするところが良かったです。フラットなところからローエンドがきちんと出ていて、音量を上げても全然歪まないのもよかったですね。
Rock oN : IE 400 PROを実際使ってみた使用感はどうですか?
山﨑 氏 : ミックスしていて音がそんなに固くないし、ジャンル関係なく使えるのがいいですね。耳に直接はめているから音が近いかなと感じると思うんですけど、ちゃんとスピード感とか奥行き、距離感も把握できるのがいいですね。ただ遮音性が高いので自宅でミックスしていると、話しかけられても全く聞こえない時があります(笑)。
それと自分の耳にもピッタリハマるフィット感もいいですね。ワイヤーもきつすぎず余裕があるので、ずっとつけていても疲れたり痛くなることはないです。最近はライブのモニター用として使うことも多いのですが、音量を上げなくても十分に聞こえるので、長時間のライブでも耳が疲れないのは大きなメリットです。
IE 100 PROとIE 400 PROを併用!その使い分けとは?
Rock oN : IE 100 PROもお使いとのことですが、IE 400 PROの違いや使い分けはされているのでしょうか?
山﨑 氏 :マニピュレーターでイヤモニを使うときに、距離が近いライブハウスではIE 100 PROを、ラインアレイのスピーカーが吊ってあるような大きなホールで使う時はIE 400 PROを使ってますね。その方がメインスピーカーのイメージに近い気がします。
IE 100 PROとIE 400 PROは基本的には同じサウンドの傾向なんですが、ハイとローとの伸び具合がちょっと違うかなと思っています。IE 400 PROの方が解像度が高いのでローエンドの膨らみやハイエンドの伸びがある分綺麗に聞こえて、IE 100 PROの方はそれがない分、くっきりと聞こえて音がタイトになる感じです。
IE 500 PROも試しに使ってみたことがあるんですが、こちらは完全にモニター向きな印象ですね。特にボーカルやアコースティックギターはすごく聴きやすくなります。
今度ケーブルを変えて試してみるとどうなるかをやってみたいですね。例えばIE 500 PROのケーブルをつけるとどうなるのか?というのにも興味があります。
Rock oN : 最後にIE 400 PRO/IE 100 PROをどんなユーザーにおすすめしますか?
山﨑 氏 : 高級オーディオが好きな方でじっくり聞きたいならIE 400 PROの方がきれいに広がりも奥行きも感じですね。僕も移動中には良い音で聴きたいのでリスニング用にはIE 400 Proを使うことが多いです。
初めてイヤーモニターを導入したい方は、まず試しにIE 100 PROを買ってみるのはどうでしょうか。
ミュージシャンの方でステージ用イヤーモニターとして購入したい方も、近い距離ではっきり聞きたい人はIE 100 PROがいいと思いますし、全体を綺麗に聞きたい人はIE 400 PROがいいと思います。
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Sennheiser IE 100 PRO使用レビュー : 速水 直樹
記事内に掲載されている価格は 2022年11月29日 時点での価格となります。
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