2014年10月9日から12日までアメリカはロサンゼルスで開催されたAES 2014。
60年以上の歴史を持つエンジニアによるエンジニアのためのこの祭典を3日間に渡りリアルタイムでレポートしたRock oN ショーレポートの中から、Rock oNスタッフが独断と偏見で選んだHotな製品をセレクトしてみなさんと共に振り返ります!
またAESでご紹介した各製品の先行予約も開始いたしました。専用フォームからのお申し込みいただくことで、その製品の国内販売価格が決定次第、優先的に早い順で製品をご用意いたします。
本格化するAoIPプロダクトの導入、システムの核を担う機能を併せ持つオーディオI/O、VPR500モジュールによるユーザー好みのアナログシステムの構築など、ハイエンド個人向けの機材の勢いが目立った今回のAES。これを知らずして将来まで見据えた制作環境の構築は早合点だともいえるでしょう。
さあここから一気にAES 2014のHot Selectionを始めましょう!
AES 2014 : APOGEE
これぞAPOGEE史におけるマイルストーン! テクノロジーの粋を結集した全クリエイターの要求に応える新生Apogee Ensemble登場!!
IBCでのAvid-Apogeeコラボレーションによる黒いDuet、Quartet発表もつかの間、AES2014 数日前突如発表されたApogee ensemble、その実機が遂にお披露目です!!
グレーの筐体を持つEnsemble、カラーで誤解される方がいるかもしれませんが、今回はAvidとは関係なくMac動作Maestroソフトウェア装備の完全なるApogee新製品。まず既に公表されている基本的なハイライトの中でも注目すべきポイントをピックアップ!
超低レーテンシーを実現したThunderbolt 接続(バッファー 32 、サンプル・レート 96kHzで往復 1.1 ms )
リアンプ対応:フロント・パネルにJFET ギター・インプット、デュアル・モード・リアンプ・アウト搭載
ゲイン75dBのステップ・ゲイン回路搭載のマイク・プリアンプ x 8
1Uながらトータル30 x 34の入出力
美しく、高解像度。極めて視認性の高い本体OLED液晶
機能選択可能なボタン x 4
トークバック(内蔵もしくは外部)
アウトプット設定(スピーカー・セット、ミュート、ディム、モノサムなど)
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
GENELEC
新製品の8351 は斬新な3way Speaker!従来比でクラス越えの豊かな低域と広いリスニングポイントが特徴。SAMシステムも搭載!
8351はこちらの写真のモデル。なんとも不思議な見た目だと思いませんか?
こちら実は3wayのSpeakerとなっています。中央のユニットは2way-coaxicalでウーファーユニットは、なんとエンクロージャー内部に仕込まれていて上下のスリットから音が出力されるとのこと。
このユニットの最大の魅力は、スピーカーとリスニングポイントの角度の違いによる音色の変化を最低限としていること。
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : GENELEC
AES 2014 : Solid State Logic XL Desk
VPR互換のスロットを備えるたフルアナログコンソール XL Desk が登場!ユーザーの臨んだサウンドキャラクターに自在な変化を遂げるカメレオンのようなコンソール!
10月初頭の発表から高い注目を集めるのがこのSolid State Logic 『XL desk』。
フルアナログにこだわり、VPR互換のスロットを備えるということに世界中が驚きました。
API社が昨年発表したTHE BOXというミドルクラスコンソールが有りましたが、SSLからのプロダクションスタジオ向けの回答がこの製品ということになるのではないでしょうか。
16 mono + 4 stereo + 1 masterの構成。フェーダーと言うと、DAW remoteを想像してしまう時代ですが、あえてAnalogにこだわりDAWコントロール機能を一切持たせていません。
monoチャンネルにはSSLの誇るVHD preが8ch分搭載されています。またA,B,C,D4系統のMix Busを持つ8Busコンソールとなっています。
最大の特徴とも言えるのが、こちらのVPR互換スロット。mono chの上部16slotは 空(から)の状態で出荷となり、ユーザーのチョイスによる自由な構成が可能です。
チャンネルストリップに設けられたInsertボタンでシグナルへ割り込むことも可能ですし、背面にもモジュールのIN/OUTがあるので、VPRシャーシのような使い方も可能です。
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES : 2014 Solid State Logic XL Desk
AES 2014 : audio-technica
ラージダイヤフラムながら高いトランジェント特性を両立したAT5045が登場!これはマイクの設計者にとって一つの夢の実現です!
四角いダイヤフラムで世界中に驚きと新しいサウンドを提案したAudio-technica AT5040。そのラインナップについに新製品が登場です!
余談ですがAudio-technicaはUSでの評価が非常に高いメーカー。AT40シリーズはスタジオに必ずと言っていいほどおいてある定番マイクとなっています。堅実な造りとその原音に忠実なサウンドが受け入れられているということでしょう。
AES 2014ではペンシルタイプの1枚ダイヤフラムを採用したAT5045が登場です!!
11月の出荷開始で予定価格は$1399とのこと。ステレオペアの予定もあるということです。
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AES 2014 : audio-technica
AES 2014 : DiGiGrid
プライベートな制作環境に向けた期待のIOXが実働中!なんと11月に発売です!
遂に出荷の始まったDLS/DLIに注目の集まるDiGiGridですが、AES 2014の会場では更に待ち望まれるIOXが動作している姿も!
Pro Tools ハードウェアとの連携を目指すDLS/DLIと共に、写真ラック一番上のIOXの姿!プライベートな制作環境向け、また、DiGiGridのシステムのフロントエンドしての用途を担うこのモデル。遂に11月には出荷が開始されるということ。
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : DiGiGrid
AES 2014 : LEWITT
国内でも評価と認知度が上昇中の新進気鋭マイクロフォンブランドLEWITTからは待望のUSBマイクDGT650が11月発売へ秒読み!
AES2014 からのNEWSは待望のUSBマイクロフォンDGT650が11月に発売開始とのこと! 『All-in-one home recording solution』をキーワードにUSBマイクロフォンの新たな一歩を踏み出す機能性の数々はローマン氏のこだわりが現れています。
DGT650はUSBマイクロフォンとしての利点を活かし、本体ヘッドフォンアウトからはダイレクトモニタリングかPCからのリターンかを切り替える事が可能。さらにステレオラインインを搭載する事で、ギターや鍵盤をベースとしたシンガーソングライターにとってはまさにPCとこれ1本でレコーディング環境が出来てしまう文字通りの『All-in-one home recording solution』!
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AES 2014 : LEWITT
AES 2014 : Antelope Audio
Zen Studioに次ぐプロダクション新製品3機種を一挙発表! AD/DA『Pure 2』、Orion32用リモートマイクプリ『MP32』、そしてサミング+モニターコントローラー『SATORI』!
SATORIはAntelope初のアナログサミングエンジン + モニターコントローラーです。リコール可能なソフトウェアでアナログエンジンを動かすというコンセプト、そしてZen Studioでも感じさせた豊富な入出力は、幅広いユーザーのニーズに応えるものです。
ステレオ入力 ×8系統
モニター出力 ×4系統
サブウーファー出力 ×1系統
ヘッドフォン出力 ×4系統
トークバック出力 ×3系統
SATORIはEclipse 384のアーキテクチャーを継承し、マスタリングクオリティの音質を誇ります。リレー回路式のボリュームアッテネーターを搭載しどのような音量であったとしても完璧なステレオイメージを保ちます。
MP32はソフトウェアによるリモートコントロールが可能な32chマイクプリアンプ。デザインからお気づきの方もいる通り、Antelope AudioはMP32と32ch入力を可能とするOrion32とのコンビネーションを推奨しています。たった3Uのスペースに32chフルマイクプリを装備したパワフルなオーディオインターフェースを構築出来る製品、他社では意外とないと思います。
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AES 2014 : Antelope
NEUMANN
70年代サウンドを象徴するU 47 fetが復刻!K47カプセル(ダイヤフラム)を使用したそのサウンドは独特の質感を持ち今でも愛用者の多いビンテージマイクの一つです!
事前のプレスリリースから大きな注目を集めたのが本家NEUMANNから忠実な復刻を遂げたU 47 fetではないでしょうか。
まさにオリジナルプロダクトと見分けがつかない精巧な造りは、NEUMANN社内の設計図を元にしたということからもうなずけます。オリジナルのリリースは1969年、もはや伝説とも言えるU 47(tube)に利用していた真空管VF14の入手性が悪くなったことと、半導体素子の進化により誕生したのがU47 fet。
U 47と同一のK47カプセル(ダイヤフラム)を使用したそのサウンドは独特の質感を持ち今でも愛用者の多いビンテージマイクの一つ。特に低音系の楽器の収録には欠かせないものとなっています。
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AES 2014 : NEUMANN
AES 2014 : MILLENNIA
手のひらサイズのマイクプリHV-32PとHV-35Pが登場です!どちらも立上がりの速い、演奏者のダイナミクスを忠実に表現するサウンドを追求。バッテリー駆動でモバイルも可能!
HV35-Pは現在リリースされているVPR500フォーマットのHV-35をスタンドアローンで使用できるようポータブルサイズに設計された製品。
1chのポータブルマイクプリアンプ、ゲイン、48Vファンタム電源、-15dB Pad、リボンマイクのための+10dBスイッチ、位相反転スイッチ、80Hzローカットフィルタを装備。
「12〜15VDCのバッテリーパックで駆動させることが可能」と謳われているのでフィールドレコーディングでも活用できそうです。
HV-32Pはあまり馴染みが無いと思いますがAPIコンソールに搭載されたAPI200フォーマットHV-32を2ch分まとめてスタンドアローン、ポータブル仕様にした製品。
ゲイン、48Vファンタム電源、-15dB Pad、リボンマイクのための+10dBスイッチを搭載。
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AES 2014 : MILLENIA
AES 2014 : Moog Music
本国ではもう発売中のSUB37の完成形がそこに!
「Sub 37」は2ノート・パラフォニック・アナログ・シンセサイザー、Sub Phattyのサウンドエンジンを搭載したモデル。
つまりはSub Phattyの非常に優秀な機能「マルチドライブ」を利用し、さらに極太な音を出すことができるんですね!
Sub PhattyだけでもかなりAcidなベースラインやリードが出せましたが、それをオクターブで鳴らせるとしたら…とても夢が広がりますね!既に本国では発売開始されているとのことです!
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : Moog Music
AES 2014 : Presonus
インテリジェンスミキサー Studio Live をラック型 I/O と iOSソフトウェアにセパレート!これにより柔軟な設置とアクティブなセッティングが可能に!
高度なDSP処理とiOSを活用する柔軟なソフトウェア。さらにアウトボードブランドとしての誇りをかけたアナログハードウェア。これらを一つにするPresonus StudioLiveシリーズにラックマウントミキサー「StudioLive RMシリーズ」。
今回発表された16n 8out『StudioLive RM16AI』と32in 16out『StudioLive RM32AI』の2種類は、いままでStudio Liveシリーズでおなじみであった操作部を高度なDSP処理とiOSに預け、ライブシーンやレコーディングにおいて柔軟なセットアップが出来るような設計がされています。
I/Oボックスには、XLR入力(RM16AI:16ch//RM32AI:32ch)、ライン出力(RM16AI:8ch/RM32AI:16ch)およびメイン出力3系統(Left、Right、Mono)、
32内部チャンネルおよびミックス・バス25系統、52ch x 34chダイレクトFireWireレコーディング・インターフェース、最大96 kHzオペレーション、そして広範囲のシグナル・プロセッシングを搭載。
StudioLive AIミキサー・エンジンをベースに、Mac、WindowsおよびiOS用のパワフルなUC-Surfaceマルチタッチ・コントロール・ソフトウェアを統合します。
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AES 2014 : Presonus
AES 2014 : TELEFUNKEN
新製品 M60 FET Microphone はTELEFUNKEN初となる真空管非搭載。FETによる優れたインパルス特性と耐音圧性!
TELEFUNKENから新進気鋭のプロダクト「M60 FET Microphone」が発表されました。
TELEFUNKEN初となる真空管非搭載であるユニークな独自の回路設計を利用したこのプロダクトはFETマイクとなっており、優れたインパルス特性と耐音圧性を持ちます。
TELEFUNKEN 初のスモール・ダイアフラム・チューブ・コンデンサー・マイク ELA M260と同じTK6Xカプセルを使用するように設計され、シンバルやパーカッション、アコースティックギターなど早いインパルス応答が要求されるソースに対し、優れたパフォーマンスを得られるとのことです。
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AES 2014 TELEFUNKEN
AES 2014 : Chandler Limited
アビィロードスタジオで使用されたEMI REDD.51ミキシングコンソールのマイクプリREDD.47をラック化!
50年の歳月を経て、現代に復活したこの Chandler Limited REDD.47はTelefunken V72Sの代替として、アビィロードスタジオの開発部により設計されEMI REDDコンソールに使用された経緯があるわけですが、オリジナルのデザインから現在のレコーディングに適した機能を追加をしたとのことです。
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : Chandler Limited
AES 2014 : SoundRadix
新製品 Drum Leveler はなんとドラムトラックの中から使われているインストゥルメントを判別し、任意で選んだ楽器だけボリュームが調節ができるのです!
イスラエルの天才プログラマー集団のSoundRadixの新製品「Drum Leveler」はこれまでとは全く違うドラム/パーカッション向けのコンプ/エキスパンダー。
なんとドラムトラックの中から使われているインストゥルメントを判別し、任意で選んだ楽器だけのボリュームを調節できるのです!
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : SoundRadix
AES 2014 : TASCAM
ウルトラコンパクトなレコーダーDR-10シリーズはハンドヘルドマイクにダイレクト装備。インタビュー時に重宝すること間違いなし!
AES 2014でTASCAMが発表したのは、DR-10X、DR-10CS、DR-CLの3種。XLR端子を装備するマイクにダイレクト接続し、その音声を、BWF (WAV) mono 24-bit/48kHzでSD/SDHCカードにレコーディングします。 (最大容量 32GB)。
電源は単4電池1つで最大8時間。ゲインスイッチは、Low、Mid、Highの3種を備え、リミッター機能、ローカット、バックアップを作成するInstant and Dualレコーディングモードの機能があります。ヘッドフォンアウトもあるので、現場での開始前レコーディングテストも問題なし。ファイルはUSB経由でPCと接続し転送します。
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AES 2014 : TASCAM
AES 2014 : iZotope
マスタリング定番ソフトOZONE6登場!より直感的なユーザーインターフェースを搭載し、最新のミキシングに必要とされる機能が追加!
全体的なレイアウトは、フラットデザインが採用され、視認性の向上が図られているようです。
中央部分では、選択したモジュールのパラメータが表示されていますね。(上記写真では、Equalizerが選択されている状態)
昨今飛躍的な進化をとげるオーディオトリートメントソフトウェア!ミキシング時の強力なアシスタントになるのは間違いありません。
代理店のタックシステムからの情報では、2014年9月1日以降に『Ozone 5』、『Ozone 5 Advanced』をご購入された方は、iZotopeアカウントにて自動的にOzone 6または、Ozone 6 Advancedへ無償アップグレードできます。
同時に、10月28日(火)まで「Ozone 6 発表記念キャンペーン」として、6に無償アップグレードできる 『Ozone 5』、『Ozone 5 Advanced』が格安で販売されます。もちろんRock oNで販売中ですので、このチャンスにお得に『Ozone 6』『Ozone 6 Advanced』を手に入れておくといいかもしれません。
★さらに詳しくは AES 2014 ショーレポートで!
AES 2014 : iZotope
記事内に掲載されている価格は 2014年10月14日 時点での価格となります。
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