Rock’in MAILMANコラム〜芦沢英志 OTAKU ZANMAI〜【No.22】ミックス編

え！もう6月！ええええ！後4回で連載コラムが終わるよ（泣・・。子供の頃、週間少年ジャンプで好きな漫画の連載が終わる時のような気分。に、なっている読者の方がいらっしゃったら嬉しいな～。

今回は、ミックスについて書こうかな。今までは、出来上がった音だけを聴いてもらっていたので、音作りの部分を公開しようっと！

名付けて「ざっくりミックス！」

デモ曲を用意したので、聴いてみてね。まずは、リズムから～♪Battery3にサンプルを読み込んでリズムを作成したよ。

キックは、UAD-2 Neve1073で加工。アタック感を出すために、1.6kHzとハイシェルビングをブースト。その後、Oxford Inflatorで少し歪みを加えた。

ハイハットとスネアは、UAD-2 Trident A-Range EQで加工。明瞭感を出すために、10kHzと5kHzをブースト。

パーカッションは、UAD-2 Trident A-Range EQで加工。明瞭感を出すために、12kHzと5kHzをブースト。100HzのハイパスをONにして、ベースやキックと被る帯域をカット。EMT 140 Plate Reverbで残響を少し付けてみた。

次に、ベース音。

UAD-2 Neve1073で加工。かなり超低域が出ているので、ハイパスの60HzをON。このままだと音痩せしているので、110Hzを少しブースト。少しアッタク感を出したかったので、1.6kHzをブースト。その後、SoundToys Decapitatordeで歪みを加えた。

次に、ウワモノのシンセ音。最終的には、こんな感じのデモ曲になった。

シンセ音は、全てUAD-2 Trident A-Range EQで加工。ほとんどが、明瞭感を出すために12kHzと5kHzを少しブーストしてる。後は、ハイパスの100HzをON。ものすごくザックリ（笑。空間系では、Ohm ForceというメーカーのOhmBoyzという変わったディレイを使ったりしたよ。結構前からあるプラグインで、ものすごくオススメ！

そして、今回はマスターにFlux Pure Limiter IIだけを使用。ミックスまでの状態を届けたかったので、マスターで色付けをしないでレベルだけを上げてる感じ。Flux Pure Limiter IIは、名前のとおりでナチュラルに仕上がるよ～。普段は、ミックスのマスターでEQを挿してハイを伸ばしたり、ローを絞ったり？してる。この辺りは好みかな。

かなりザックリな方法だけど、この状態でバランスをとったのが楽曲サンプル3なんだ。結構、簡単にできるでしょ？？最初は、このぐらいザックリな感じで仕上げると良いと思う。ミックスを始めた頃、細かくEQをイジったりコンプをなんとなく使うと、よく分からない感じに仕上がった経験がイッパイある（笑。みんなも、ざっくりと楽しくミックスをしよ～う！楽しくやらないとねっ！

おっとっと。ちなみに、シンセベース音とシンセ音はSpectrasonics！

では～。またね～。

【No.23】マスター編

芦沢 英志 プロフィール

株式会社リズメディアと専属作家契約を交わし、3年間在籍。歌曲制作、リミックスなどを多数手掛ける。

株式会社SNKに2年間在籍。ゲームソフトのサウンド開発（作曲及び効果音制作）に携わる。その他、6社のゲーム会社に在籍してサウンド開発に携わる。

現在まで、J-POP・CM・ゲームソフトなどの作曲 / 編曲 / リミックス及び効果音制作を行う。ゲーム関連は、iPhone/iPod touch / iPod / Play Station 2 / ニンテンドーDS / WIN など約60本程のサウンド制作に携わる。 楽曲制作に関しては国内だけでなく、海外レーベルや海外企業からオファーを受け、楽曲を提供しています。近年は、制作のみならずミックスダウンとマスタリングを自身で行い始める。def_house studioを運営中。