先日のNAMM SHOW 2012 Rock oNレポートでもトップクラスの注目を集めたCASIOが現代に放つ本格シンセサイザー『XW』シリーズ!!
今回CASIO本社にて行われた新製品取材で注目の全貌が遂に明らかになりました! それは『Go Beyond Sound』のコンセプトの元、同社ならではの歴史と技術力、そしてユーザーインターフェースが可能にした全く新しい「楽器」なのです!! 今回はその実態をわかりやすく以下の4ステップで皆様にお伝え致します!
ジャンルを超えたパフォーマンスを志す全ての方必見です!!
● 1:「Go Beyond Sound」CASIOだからこそ開発出来た! XWシリーズ開発コンセプト!
CASIO楽器企画室 阪下氏の解説により始まった今回の取材。CASIOシンセサイザーといえば初代CZ101を思い起こす方も多いのではないでしょうか。デジタル楽器という意味では1980年アコースティック楽器の音を初めてデジタル化したCT201に始まり、CZ101以降も国産初の16bitデジタルサンプラーFZ-1を開発するなど高い技術力で国産デジタル楽器開発の中核を担っています。その後シンセギターやデジタルピアノ開発を経て、世界初の「光ナビゲーションキーボード」や現在の「Privia」シリーズへとつながって行きます。
皆さんご存知のEXSLIM、G-SHOCKなど様々な産業と共に培われたCASIOの歴史と技術力。それはそのまま今回の。『XWシリーズ』の音源技術、実装技術、ユーザーインターフェースといった形で結集。そこから一つのコンセプトが生まれました。
「Go Beyond Sound 」
次なるフィールド、常識にとらわれない発想というコンセプトを形にするため、CASIOは現在多様化しているパフォーマンススタイルへと着目。
PCM、モデリング、ワークステーション、サンプラーやリズムマシンといったように、音楽ジャンルの変化に伴うハードの進化の流れ。これらを一部のシンセマニアだけでなく10代や20代のカルチャーシーンを飛び越えた存在として再デザインすることで、CASIOの新たなシンセサイザー『XWシリーズ』が誕生したのです。
入門者への配慮だけでなく、コアなシンセマニアすら十分満足させるほどの機能性にXWは満ちあふれています。次のセクションではそのシンセサイズの核心に迫りましょう!
新しくもどこか80’sの雰囲気も連想させるシンセサイザーデザイン。シンセサイザーのどの部分へ触れても音へと直結するよう、シンセ入門者やパフォーマーが親しみやすい構成になっています。
それだけに外見やスペック表を一見しただけだとベーシックなシンセサイザーかと思われ勝ちですが、XWの裏では実に様々な演算処理とシンセシスの奥深さを感じさせるパラメータが動いていたのです! では開発担当佐藤氏の解説と阪下氏演奏のもと、お待ちかねXWのコアエンジンの世界をご覧いただきましょう!!
XWの心臓部となるのが新開発のHPSS(Hybrid Processing)音源。この高性能LSIが実に奥深い表現力を様々な場面で見せてくれます!! 早速そのサウンドをお楽しみ下さい!!
いかがですが? 強力な「ソロシンセサイザー」パートではプリセット名もMMやMG、OBにP5といったニヤリとしてしまうサウンドがズラリ! (もちろん同社CZシリーズ波形もあります!!)
このパートだけで膨大なSYNTH OSC & PCM OSCをSYNCさせて過激な変化を楽しんだり、ピッチシフター付きのExternal Inputでキーフォロー&エフェクト演奏を楽しんだり、豊富な種類を持つノイズジェネレーターを加えたりと、まるで20万円超クラスのモンスターシンセを見ているかのよう…。
しかもSYNTH OSCセクションでは単なるサンプルプレイバックの不自然さを回避するためPWMとのハイブリッド仕様を実現。これにより音域に限らずシンセらしい芯のある音の太さと滑らかさを体現しています。(まだOSCセクションだけの話ですよ〜)
2基のLFO、そして肝心のフィルターもOSCセクションとトータルセクションで切れ味の異なるモデルを個別に持っているなどシンセとしての基礎体力は十二分。
さらにオルガンセクションも非常に強力です。
8本スライダーがドローバーとして機能するだけでなく、2nd、3rdのパーカッションスイッチやロータリーのスローファーストスイッチまで完備。オーバードライブやロータリースピードまで調整が可能と10万円を切るシンセとしては脅威の性能を実現。(ドローバーの引き出し具合も常にディスプレイ表記されており、スライダーでのオペレーションも安心ですね)
波形もSine波かVintageを選択可能、そのサウンドは実に多彩です。
その他アコースティック音色もPCM音源でカバー出来る等、音色面は至れり尽くせり。
でもまだまだ終わりません! 次のセクションでは最新ソフトシンセ級のコントロール機能をご紹介。これによりXWは「Go Beyond Sound」を真に実現するのです!
★1:最新ソフトサンプラー顔負けのアサイン機能を持つ『ヘクサレイヤー』
★2:シンセマニア狂喜の『バーチャルコントロールモジュレーションマトリクス』
★3:XW共通の直感的ステップシーケンサー & XW-G1限定のオーバーダブパフォーマンス
まずは『ヘクサレイヤー』の驚愕の表現力を構成写真でご覧下さい!!
まるで業界標準ソフトサンプラーNative Instruments KONTAKT5の構成画面を見ているようですね。ベロシティレイヤーやスプリットとレイヤーを複合したりと完全に自由なEDITを可能にしています。もちろん本体液晶のみでは厳しくPC Editer上での設定となりますが、これほどの表現力を内蔵しているハードシンセは中々無いのではないでしょうか。
そしてバーチャルコントロールモジュレーションマトリクスでは、鍵盤やベンダー、ペダルといった様々なコントロール情報をピッチやフィルターといった各種パラメーターに自由にアサインが可能です。(ソースとデスティネーションで何でも自由にコントロールする様はSpectrasonicsのOmnisphere等を思い起こしますね。) これによりピッチベンダーと同時にフィルターとレゾナンスをかけたり、上記ヘクサレイヤーの一部の音色を変化させたりと、もはや無限大の表現を可能にしています。
さらに鍵盤をスイッチとしてこんな使い方も出来ます。(もはやユーザーの創造性との勝負です)
そして3つめ! XW-P1、G1共通のステップシーケンサーセクションはオルガンでドローバーとしてご紹介したスライダーが多いに活躍します!!
自照式スイッチでの直感的なステップの打ち込みはもちろん、何より面白いのは「スライダー」を使った指定スケールによるピッチシフト。
ドラムパターンの上でシンセフレーズなどを走らせたら、後は感じるままに各スライダーを上下させるだけでフレーズは有機的に変化。スケールが指定されているので過激な変化も思う存分つけられますね。(パターンだけでなく任意のスケールも設定可能!)
さらに16 stepの中で特定のstepをつなげる「タイ」の設定も出来るなど、実に遊びがいがあります。
XW-G1ではさらにオーバーダブも可能なフレーズシーケンサーとサンプルルーパーも加わっており、XW1台でどこまでも表現出来てしまいます。「Go Beyond Sound」は伊達じゃありません!
しかもXWシリーズはUSB-MIDI対応 & 電池駆動が可能。単一電池6本で35時間駆動可能という脅威のユーザービリティもお忘れなく!
一通りXWシリーズの説明を受けた後、室長の前田氏に1つの疑問を伺いました。
XWが持つ非常に強力でコアなシンセシスの部分は、XWがターゲットとしている10代20代のパフォーマー層やシンセサイザー自体を知らない入門層にどうやって伝えて行くのかと。
製品のプロモーションターゲットとコアな機能性を今後どうマッチングさせるのかについて、前田氏からはハッキリとした回答を伺う事が出来ました。
それは、あくまでもXWの入り口は親しみやすく、誰もが触れる事で音に直結する『楽器』であるということ。筆者が疑問に感じたコアなシンセシスは、ユーザー達がXWとともに育ち、自分だけの表現を見つけ、そこから新たなパフォーマンスを発信していくだけの懐の深さに過ぎないということ。
わずか¥59,800(税込)という価格設定のシンセサイザーにこれほどの『技術と未来』を詰め込んだXWシリーズは先述した通りの歴史と技術を持つCASIOだからこそ出来た、と言わざるを得ません。
正直なところ、XW-P1かG1を1台持っていさえすれば入門、LIVE、制作、あらゆるシーンにおいて活躍出来るばかりか、ユーザーに新たなインスピレーションを与えてくれる表現力も与えてくれるでしょう。
2012年CASIOが久しぶりに放つシンセサイザーXW-P1は3月末遂に発売を開始します! XW-G1も4月発売予定!
Rock oN Companyでは初回予約特典としてシンセ入門者もマニアも必携の書籍「クリエイターが教えるシンセサイザー・テクニック99」と奥深いシンセシスコントロールの幅を広げるフットスイッチを合わせてプレゼント致します! 是非CASIO XWシリーズで自分だけのパフォーマンスを世界へ発信してください!
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